香川県高松市での整形外科・内科・健康診断・予防接種は吉峰病院へ。

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コスモス新聞

コスモス新聞 病院からのお知らせ、ちょっとしたエピソード、医療に関するお話、患者様よりお寄せ頂いたメッセージ、思い出の映画など情報満載です。

コスモス新聞第90号

新世紀に向けて

我々は「心」と「体」とは別のものと思って育ってきました。
学生時代、科学の時間は何々の法則とか、何々の原理など物質世界の事を学んできました。
やがて、その物質の分子まで理解し遺伝子の重要性を予想し、科学の未知への挑戦に胸を弾ませていました。
でも、人間の存在についてとか、生きる事の大切さなどはあまり教育されて来なかったように思います。
男と女、病める人、健やかな人、貧富のことなどその内面にまで掘り下げて学ぶことなどはありませんでした。
現在、書店に行くと本だなには「癒し」のタイトルのついた本が並んでいます。
ちょっとしたブームのようです。
今までは体の器官、組織、細胞を「心」から切り離して病気を解明し、治療法を開発するというやり方でした。
これはあたかも自動車を作ったり、新しい電気製品を作るのと同じように思えます。いろいろなハイテクを駆使してはいるのですが・・・・・
これは急性期には絶大な威力を発揮しますが、慢性期に対しては思うような力が発揮出来ません。
病気を治すのには患者さん自身の治癒能力が本当に必要なのです。
その治癒能力をどのように高めていくかが今後の医療の問題点でもあるのです。
これからの私たちは「心が健康、病気にどのように影響を及ぼすだろう」から勉強していかなければならないと思います。
慢性疾患には体に影響を及ぼす心の働きを大切にし、自然治癒力を高めることが世界の各地で研究され発表されています。
「方程式の中に心を持ち込む」という一つの医療革命が少しずつ起こりつつあるようです。
17世紀初期にフランスの哲学者、デカルトが唱えた合理主義精神に基づく、いわゆる「近代科学革命」に端を発するこの理論は、まだ400年位にしかなりません。
心と体は切っても切れないとする考えは、数百年以前から「病は気から」というようにおばあちゃんの知恵などとして人間の底流に流れているようです。
これからの現代医学の限界を越えるには「このおばあちゃんの知恵」を科学にも反映させ、その相乗作用を引き出すことが一番いいのではないでしょうか。
そのためのキーワードが「心」であり、「癒し」なのです。
そして、医療者と患者さんとの信頼関係も大きな力となって病気に立ち向かう勇気となることもあります。
そのためにインフォームド・コンセントがあります。
でも医者の言葉不足だけではなく、こと病気の説明となると苦手と思い逃げ腰になられる方もいらっしゃいます。
また、半分しか聞いていらっしゃらなかったり、はなから拒絶反応を示す方もいらっしゃいます。
「こんなこと聞いては失礼にならないかしら」とか「何度も聞いたらいやになるのではないかしら」などと考えているより、聞いて下さい。
いつでも、どこでも答えられる範囲でお答えします。
あなたの病気はあなたの体自身の事なのです。
自分が自分の体を心配しなくて、誰が親身になってくれるでしょうか。
いつでも、質問して下さい。
これは医療者からのお願いでもあります。
外来にコスモスポストが置いてありますので、ご意見、ご批判など何でも書いて投函して下さい。
これからの当院が今より良くなるように、皆さんからのご意見を参考に共に歩んでいきたいと思っております。

20世紀の映画より 「風と共に去りぬ」

ストーリー、登場人物、映像美。
映画に問われるすべての要素を満たしたこの作品は1939年に作られました。
この時代にこれだけのすばらしい作品が作られたとは驚きでした。
何回みても新しい感動が生まれます。
20~30才代には華やかでドラマチックな恋に目がいくばかりでした。
でも今では戦争の空しさや心の在り方に興味が湧いてきています。
ビビアン・リーが演じたスカーレット・オハラという役柄の逆境にめげない南部女性の強さやアメリカという雄大な土地を相手に耕すという労働の苛酷さを画面一杯に観ることができるというように違った楽しさを味わうようになりました。
深く観れば、深く知ることになる。そんな作品です。

「七人の侍」

黒沢 明って本当にすごいんだ・・・・・。
黒沢監督が亡くなった時にはアメリカでは追悼のために黒沢映画が上映されたと新聞に書いてありました。
世界中で愛された監督。
中でもこの七人の侍が私の映画観を変えてしまいました。
それまでは日本映画はつまらないと一回観るともう観る気がしないと決めていましたが、そんな先入観など吹っとんで、まさに目が覚めた!!!。
この映画に出会わなかったら、映画の良さなど一生知らずにいたような気がします。黒沢作品は数あれど、私の一番好きな作品です。
スリル、リアルティ、エキサイティング。
えーい!。めっちゃ面白いこんな作品を作る人が日本にいたんだ。
そこから黒沢作品の収集が始まりました。
アメリカ版ビデオ、サントラのレコード、パンフレッドなど関連したものなら何でもよかった。
とにかく、集めたい、集めよう、集めなくちゃ。
そんな焦燥感に囚われた私の青春時代。
この迫力、この個性的で大胆なカメラアングル。
監督が鬼才なら、役者ものって演じる個性的で大胆な演技。
21世紀になり、鉄腕アトムも夢でなくなる時代になったとしても彼の作品は明けの明星のように、金字塔のように輝き続けていくと思います。

「カサブランカ」

舞台は第二次世界大戦勃発の仏領カサブランカ。
ナチスの侵攻に運命を翻弄されながらも、誇りと信念を貫き通す男。
小さな事に囚われていることなど愚の骨頂。
どんな時でも背筋を伸ばして、気高く生きることを教えてくれた映画です。
「君の瞳に乾杯」という名セリフをご存じですか?
歌の題名ではありません。実際にハンフリー・ボガードが言うのです。
彼だから言えるセリフとは思いますが、それが軽薄には聞こえず胸にずんと響くのです。
随所に奏でられる「AsTimeGoesBy」のピアノ。
トレンチ・コートのハンフリー・ボガード。
どんなに彼のようになりたいと願ったことか。
イングリット・バーグマンの憂いを含んだまなざし。
パリ陥落の日に主人公のリックにイルザから別れの手紙が届きます。
万年筆で書かれた手紙には「二度と会えません」と書かれていました。
読んでいるうちに雨でインクがにじんでいきます。
まるで涙が流れているように。
二人の悲しみを観客に訴えている心憎い演出でした。
愛すればこそ、今でも愛しているからあなたを困らせることなど出来ない。
女性の方はハンカチを忘れずに用意して下さることをお薦めします。

「サウンド・オブ・ミュージック」

いい音楽、かわいい子供たち、ハッピーエンド、この三つが揃った映画です。
感動と流す涙が心地よい映画でもあります。
一日中、映画館に座って観ていた映画です。
大佐とマリアの恋のストーリーもさることながら名曲の数々。
この映画の中で歌われた曲に誰もが知っている「ドレミの歌」があります。
そしてトラップ大佐が唄う「エーデルワイス」。
ヨーデルが楽しいヤギ飼いの唄。レイオルレイオルレーと聞こえてくると自然に体が動きます。
中でもかわいい曲は子供たちが唄うおやすみなさいの曲クックーです。
まだ寝たくないけどさようならと唄う末っ子のかわいらしさ。
ラストシーンで家族でアルプスの山を越えてスイスに亡命していくシーンの空の高さ、青さが彼らを祝福しているようでした。
前途にある明るい未来を想像させるエンディングだったと思います。
紙面の都合でまだまだ書きたい映画がありますのが、次回に乞うご期待。