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コスモス新聞

コスモス新聞 病院からのお知らせ、ちょっとしたエピソード、医療に関するお話、患者様よりお寄せ頂いたメッセージ、思い出の映画など情報満載です。

コスモス新聞第77号

新しいスポーツ障害

今年も12月になり若者にとってはウインタースポーツのシーズンになりました。
ここ3年間位よりスキーに変わりスノーボードが若者の間で主流になってきています。新しいスポーツが流行すると、それにつれて独特のスポーツ障害が発生してきます。スノーボードもその中の一つであり、冬のスポーツ(雪の上のスポーツ)ですが、スキーとは違った外傷がみられています。
スノーボードは両下肢が同一平面上にブーツで固定され、ボードの板は短くなっているため転倒した場合には膝、足関節などにひねりが加わることが少ないのですが、そのかわりに頭、上肢より雪面に直接ぶつかることになり、その外傷は特徴的です。
初心者は1シーズン目に多く受傷しています。男性、女性ともほぼ同数にみられ、最も多いシーズンでもあります。
2シーズン目以降は少なくなる傾向にあり、特に女性は圧倒的に激減しています。
しかし男性では4シーズン以後で再度増えてきます。
女性はジャンプやトリックを試みる人が少ないことがその原因と思われます。
反対に男性は上達するとジャンプやトリックをする者が増え、着地に失敗して受傷することが多くなります。
腕の骨折や脱臼が多く、足では捻挫、靭帯損傷が多くなります。
初心者や初級者では転倒した時に受け身がとれず手をついたり、ボードが雪面にささり足がひねられたりして受傷することが多くみられます。
中級、上級者では通常の転倒であれば受け身がとれますが、ジャンプ時の着地に失敗した場合は上肢から着地したり、体幹から落下して受傷するために複雑骨折や完全脱臼が多くなります。
このような結果から外傷を防ぐためには初心者は十分に転倒方法を身につけることが大切なことです。
また、最近はいろいろなプロテクターが市販されていますが、若者のファッションに合う物があまりないため普及していないのも一因かと思われます。
数年前にインストラクターの資格ができ、スキー場にスクールも設置されてきていますが受講生は少ないようです。
受傷者が年々増加している現状で少しでも減らすことができるのは、一人一人のスノーボーダーの意識改革も必要ですがそれ以上にスキー場、スノーボード協会、ボードメーカーの協力が不可欠です。

不眠に悩む方へ

☆人はなぜ眠るのでしょうか。
人は昔よりなぜ眠るのかと疑問を持ってきました。
そして、この答えは今も問い続けられています。
眠りについての科学的な研究は歴史も浅く、成果も十分にあがっていません。でも脳科学は最も進歩の著しい分野ですので、近い将来は新しい発見があるかもしれません。今、我々は高度な技術、情報化によって今までにない恩恵を受けています。
一日24時間開いているコンビニや眠らない繁華街、昼間に寝て夜に起きる特殊な職業の人々など、睡眠を大切にしなかったため様々なゆがみが発生し、大きなストレスになっています。
このような状況を改善しQOL(クゥオリティ・オブ・ライフ)を向上させるためにも睡眠を理解することが大切になっています。
眠るということは、しばしば何もしていないことを指すことがあります。
「彼の才能は眠っている」とか起きているにもかかわらず「目を覚ましなさい」という言いまわしがそれです。
最近の脳科学によって睡眠は大変貴重な生理機能が営まれている時間帯であることがわかっています。
眠りは生物界に広くみられる活動と休止のリズム現象をもとに発達し、脳の進化とともに脳をうまく休ませる機能として拡張してきたのです。
睡眠不足の時に私達が感じる気分の悪さや意欲のなさは身体だけでなく、脳そのものの機能が低下しているからです。
このような事からもわかるように、睡眠は単なる活動休止状態だけではなく生体防御反応なのです。
とりわけ発達した脳を持つ高等動物では、睡眠の適否が高次情報処理能力を左右することになります。
質の良い眠りを取らない限り、質の高い生活はできません。
「より良く生きる」ことは取りも直さず「より良く眠る」ことなのです。

☆眠らなければどうなるか。
私達は少し位睡眠を犠牲にしても、すぐに命にかかわることはありません。
だからといって睡眠を軽視していると、やがて大きなつけを払うことになります。
動物の実験では長期にわたる睡眠不足によって最も影響を受けるのは精神機能であることが証明されました。
睡眠は年齢によって大きな違いをみせます。
乳幼児は睡眠時間が多く、一日の半分から2/3を占めレム睡眠が50%になります。レム睡眠が多いほど発育が良くなります。
このレム睡眠中、神経系の発育がさかんに行われているという報告がアメリカ、ヨーロッパの研究者によって発表されています。
その後、成長に従い幼児期になるとノンレム睡眠が多くなり、すなわち熟睡が多くなります。
これは下垂体からの成長ホルモンの分泌を多くします。
だから「寝る子は育つ」ということになるのでしょう。
では大人になるとどうなるのでしょうか。
大人ではプロラクチン、甲状腺刺激ホルモン、黄体ホルモンなどが寝ている時に分泌が多くなります。
成長ホルモンも分泌されていますが成長には関係なく、皮膚の細胞分裂に関係するようになります。
睡眠不足になると肌が荒れ、カサカサしたりするのはその成長ホルモンの低下が原因です。
風邪を引いた時、発熱が起こると共に眠気が感じられ、ノンレム睡眠が出現します。インフルエンザ・ウイルスや細菌が体内で分解された物質がノンレム睡眠を誘発した睡眠物質を刺激するためです。
睡眠は免疫増強過程と密接な関係があり、ウイルスや細菌に感染するとサイトカインの生産を促進させます。

☆夢とは何か。
私達は毎夜、夢をみていることになっています。(私はあまり記憶にないのですが)夢には何か意味があるのでしょうか。
夢の世界は幻想的で神秘的です。
現実を越えた世界ですので楽しいこともありますし、恐ろしいこともあります。
フロイトは夢は深層心理あらわれという解釈をもとに分析手法を開発しました。
しかし、イギリスの物理学者クリックは「夢は忘れるためにある」という説を唱えました。覚醒中に脳内に取り込まれた膨大な情報はそれすべてが有用ではなく、余分な情報を消去するプロセス、つまり逆の学習が夢としてあらわれるというものでした。アメリカのウインソンという物理学者はクリックの逆の説「夢は覚えるためにある」いう報告をしました。覚醒中に脳内に取り込まれた情報のうち、重要なものがレム睡眠時に再生され脳内に記憶として固定されるプロセスが夢としてあらわれると考えました。
やがてアメリカのボブソンが"夢みる脳"という著作の中で「夢は忘れるためでも覚えるためでもない」という説を理論づけました。レム睡眠の時に脳より発生する信号が脳を活性化させ夢となる。すなわち夢は心理的な意味があると説くものです。
そして日本の大熊輝雄などにより発表された視覚連想仮説です。
覚醒時にあるべき事でシミュレーションして脳だけで実行しているというものです。其の為、レム睡眠中には眼球運動があり視覚映像が作られ、新しいストーリーを作っていると考えています。
このようにまだ夢、睡眠の事はわかっていない事が多く、これからの最大の研究テーマになっています。
この研究の目的は脳がわかることではなく、脳の障害などによって起こる片麻痺治療に役立つことになることです。

☆眠りの質をどうして高めるか。
睡眠をコントロールする脳は、睡眠不足になると自動的に眠りの質をチェンジします。起きている時間が長くなると次の眠りが深くなるようにするのです。
それで睡眠不足を補っています。
健康な成人ではノンレム睡眠とレム睡眠が90分づつで単位を構成し、繰り返して一夜の睡眠を作っています。
最初の3時間の間に大変質の良い深い眠りが出現します。(ノンレム睡眠)
それ以後はいわばおまけのようなものです。
各単位毎に目覚めやすくなりますから、4.5時間、6時間、7.5時間ごとに起きるようにすれば、目覚めはよくなります。
成人では3~5単位をとれば良いことになります。
一般に長眠(6単位以上)の場合は浅い眠りと中途覚醒が多く、質の悪い眠りになり、そのぶん昼間にも眠気が残ります。
そこで昼寝をしたならば、夜はその分だけ熟睡しにくくなります。
これでは一種の悪循環です。めりはりのある生活と短眠(4単位)の組み合わせがかえって良いのです。
人間は脳内にある生物時計により管理されています。
生物時計はほぼ一日を周期とする活動と休息のリズム信号を出していますから、眠気は時刻とともに変化するのです。
この信号は休息期と活動期を構成し、休息期の方が眠るのによいようにプログラムされています。
また、信号の周期も年齢などにより変化します。
早寝早起きの朝型(ヒバリ型)、朝寝坊の夜型(フクロウ型)があり、午後の一時期になると眠気が少し高まります。
もともとこの生物時計は24時間ではなく、25時間より構成されていますから、一日ごとに一時間ずれていきます。
その為、無意識のうちに眠気が襲ってきたりしてリセットしているのです。
こんな訳で眠気のコントロールには寝不足だからといって不規則にするより、規則的な生活をすることが大切です。
良い睡眠は速やかな目覚めを誘い、一日の活力を生み出してくれますから睡眠を大切にするように心掛けて下さい。