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コスモス新聞

コスモス新聞 病院からのお知らせ、ちょっとしたエピソード、医療に関するお話、患者様よりお寄せ頂いたメッセージ、思い出の映画など情報満載です。

コスモス新聞第75号

Q.O.Lって何?

最近、新聞、雑誌などにQ.O.Lという言葉が非常に多く使われるようになってきています。
本来、このQ.O.Lという言葉は経済学で使われており「量より質を見ることが大切である。」という考えを示すものです。
その考え方は人間の生活にも共通するものなので、次第に医療、福祉の分野でも使われるようになりました。
最初に使われだしたのはアメリカのリハビリテーション医学でのことです。
これは1970年代より始まった障害者の人権運動である「自立生活運動」を推進しようとしていた人々から今までのリハビリテーションは障害者の人権を尊重していないと言う意見に伴い、リハビリテーション医学会がそれまでのA.D.L(日常生活動作)の自立から、より広いQ.O.L(人生の質)へと転換をしたことによるものです。
リハビリテーションは第二次世界大戦後に新しい学問として始まり、A.D.Lの自立を目的としたものでした。
これもそれまでの医学からみると画期的なことで"生活"という物の見方を導入したものです。
しかし現在のリハビリテーションは"生活"よりも"人生"というものに視点をおいてきています。
いくらうまく生活ができるようになっても、生活をする喜びとか生きて行く事の大切さ等が感じられなければ本当の意味での良い生活にならないからです。
医療関係者の中には残念ながら「リハビリテーションは本来人間がやることだから、特に工夫などしなくても普通にやっていればQ.O.Lはよくなる」と思っている人が少なくありません。
決まったメニューでどの患者さんにも同じ訓練を同じ順序で行ってしまっています。これではいくら患者さんが一生懸命リハビリテーションに取り組んでもうまくいくわけがなく、ある段階まで行ってもそれ以上は回復することはありません。
しかしQ.O.Lは「人生の質」を大切にするものですから、一人一人のQ.O.Lは違ったものでなければならないはずです。
「どのような新しい人生を築くか」という目標は、その人の仕事やライフスタイル、価値観などにより違ってきます。
ですから「どの山に登るか」をまず決め、それから「どのルートで登るか」を決めなくてはなりません。
Q.O.Lの向上を目的とするリハビリテーションは既製服ではなく、個人個人にあわせたオーダーメイドということになります。
そのため時間も多くかかってしまいます。

現在、治療の世界では「インフォームド・コンセント」(よく説明をうけた上での同意)の必要性が叫ばれていますが、リハビリテーションではこれを一歩進めた「インフォームド・コオペレーション」(十分な説明をうけながらの協力)にしていかなければならないと思います。
これは治療のような受け身ではなく患者さんが「自分の新しい人生を作って行く」のを専門家が援助していくという患者主体の考え方なのです。
患者さん自身が目的を持ち、これを医療者が協力してその目的を達成することになり、患者さんにとっては今までのように医療者の言う事を聞くだけでなくリハビリテーションの間に(もちろん専門家の十分な説明を受け、選択肢を提示されながら)自分で決断し、これを責任をもって達成していくことになります。
実はこれを少しずつ行っていると患者自身の「自己決定能力」が必然的に高くなります。
この自己決定権は基本的な人権の一種でそれを実現することは大切であり、又難しいこととも指摘されています。
特に病気や障害という生まれて初めての事態にぶつかって、先が見えず混乱している患者さんにとって困難以上に決定することなど不可能と拒絶さえしかねません。
リハビリテーションでは手足や言葉、また心の立ち直りだけでなく、将来いろいろな問題に遭遇した時、自分の力で切り開いていく「問題解決能力」と「自己決定能力」を高める必要があり、そのためには専門家の援助を得ながら、自分で決定を下す経験を繰り返して教えることが重要であるといわれています。
現実では病気や障害が起こった時、どこまで可能なのか目標を定め、それを実現するのに必要なA.D.Lの目標を作り、個々人の能力に適性なリハビリテーションの具体的なプログラムを作製します。

1.リハビリテーションの早期開始
早いほど成績は良くなる可能性が多い。

2.実用歩行に重点をおいた訓練
これは他のA.D.Lの自立のためにも必要です。
訓練室だけではなく病棟で生活の時間帯で訓練し、実用歩行になるようにしていく。

3.生活の場を設定してのA.D.L訓練
日常生活に役立つA.D.L訓練と歩行を一体のものとして行う。

4.よく指導された自主訓練
患者さんの自主訓練はしばしばうまくいかなくなるので、内容と量をチェックする必要がある。

5.外泊訓練
外泊訓練をすることにより、家庭復帰が促進される。

6.生活の活発化
一日の生活を活発にし、・早期リハビリテーション・A.D.Lの自立・歩行歩容の改善・昼間は横にならないなどを心掛ける。
昔ながらの方法で「これ以上よくならない」といわれた患者さんが我々のチーム医療によるリハビリテーションを行い、社会復帰されるのが私達の願いです。

医療よもやま話

(1)アロマセラピーとは
英語ではaromatherapyと書きます。
aromaは香り、therapyは治療という意味で、和訳は芳香療法と訳されています。
香りが人間心理に与える影響は少なくなく、その一つに森林浴があります。
森林の香りを吸うと脳波のα波が増し鎮静効果が得られます。
その上オゾンが多いので病気の治療にも効果があります。
現在、香りの種類と効果の関係はわかっていませんが柑橘系の香りはストレス、不安、うつ状態などへの応用が考えられています。
昔、ヨーロッパで大流行した黒死病は死の病と恐れられていました。
でも香りを扱う調香士たちは一人も感染しなかったそうです。ラベンダー、カモミール(カモマイル)、ネロリなど様々な香りの中には強い殺菌効果を持つものがあったからです。
アロマ入りろうそくがヒット商品となり、お仏壇のロウソクを細々と作っていた会社も一息つけたそうです。
アロマセラピーは臭覚を医学に応用していますが、これからは視覚、聴覚などにも医学に応用されてくると思われます。
美しい景色の写真などを見ると心がなごんできたりしますし、いい音楽を聞くと気持ちにゆとりが生まれてくるように・・・
現在、Musictherapy(ミュージックセラピー)音楽療法という新しい治療分野も開発されています。
当院でも音楽の好きな看護婦さんが勉強を始めています。

(2)朝食の必要性とは
朝食をしっかりとらないと太るといわれています。
おすもうさんは朝食をとりません。何故なら朝食をとらずに猛烈な稽古をすると、空腹のままで運動をするので体は飢餓状態になり、エネルギーを蓄えるように反応します。つまりグリコーゲンや脂肪が貯まり肥満になれるからです。
稽古が終わると栄養の多いチャンコナベを人の何倍も食べます。
そして昼寝をする。
結果、ますます肥満になりあの独特のスタイルになるのです。

(3)ニトログリセリンとは
ノーベル賞を創設したアルフレッド・ノーベルはニトログリセリンの性質を利用してダイナマイトを作りました。
現在はトンネルを掘ったり、採石したりと有効に使われていますが、ノーベルはこれが戦争に使われるのを大変恐れていたそうです。
このニトログリセリンは狭心症の特効薬として、広く使われています。

(4)高齢化社会に適した薬とは
お年寄りは病気も多く、内服しなければならない薬も多くなります。
では飲みやすい薬はどんなものをいうのでしょうか。
飲みやすい薬のアンケートをとると、錠剤が良い30%、カプセルが良い32%、どれでも良い29%、その他9%という結果が報告されています。
研究の結果、錠剤は5mm~7mmが適当であるといわれています。
散剤の場合はオブラートに包むか、スプーンで飲ませます。
錠剤の大きいのは砕いて与薬します。また食事に混ぜたりします。
お年寄りの中には薬を飲んだ後に、まだ飲んでいないと勘違いしたり、飲んでいないのに飲んだつもりになっている方もいます。
介護にあたる方の細やかな観察が必要となり、お年寄りに薬を飲んでいただくのは、そう簡単なことではないようです。

(5)皮膚の不思議
皮膚というと体の外側ばかりを考えますが、胃や腸などの消化管も皮膚の一部だといわれています。
皮膚は大人で約畳一枚位の大きさがあり、重さは3~4.5kgあり臓器としては最大のものです。そして意外なことに全血液の三分の一が皮膚にあります。
皮膚は体を外界から遮断し、微生物や日光から体を守り、内臓が外に飛び出さないように包装の役目もしています。
一日平均900gの汗を出し、体温を調節し、わずかですが呼吸をし、脂肪を代謝し、老廃物を排泄すると八面六臂な活躍をしています。