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コスモス新聞

コスモス新聞 病院からのお知らせ、ちょっとしたエピソード、医療に関するお話、患者様よりお寄せ頂いたメッセージ、思い出の映画など情報満載です。

コスモス新聞第71号

肩こりとはなんだ2!! 

先月に引き続き肩こりについてお話ししましょう。
紙面に限りがあるため頸椎症についての説明が途中になっていましたのでその続きから始めます。
頸椎症は病状的には1.局所症状、2.神経根症状、3.自律神経症状、4.脊髄の症状にわけることができます。

1.局所症状
首から肩にかけてのこり、痛み、後方に首をそらしたりすると症状が強くなります。朝よりも夕方に強くなる傾向があります。また、後頭部(後頭神経痛)、肩甲首の 周囲にも痛みが出現します。これは椎間板、椎間関節等の老化によっておこります。

2.神経根症状
肩から腕にかけての痛み、シビレが主なものです。
神経の通る部分が狭くなり、そのため圧迫、摩擦、循環障害がおこり神経が刺激され症状が出現します。どの部位での刺激かはある程度判断することができます。

3.自律神経症状
頸椎の周囲には交感神経節があり、これが刺激されて起こります。
手や指が腫れたり、こわばったり、色が変わったりします。一見慢性関節リウマチを思わせますが非対称性であったり、関節には関係なくむくんだりします。
また耳なり、頭痛、めまい、顔の痛み、のどの違和感などが出現します。

4.脊髄症状
1~3に比べると比較的少ないですが、下半身のしびれ、脱力感がゆっくりと進行してきます。歩きにくくなってきたように感じられます。
これは脊髄を骨の棘などが直接圧迫し、血行障害となり脊髄の働きが悪くなってきたためです。

頸椎症の治療

いったんおこってしまった老化現象は今の医学では治すことはできません。
ですから何をおいても予防することが第一です。
また、もう症状の出現が多少なりとも見られる方はこれ以上進行するのをくい止めなければなりません。

予防として一番大切なことは
1.正しい姿勢を心掛け、不自然な姿勢をさける事。
2.よく暖めて血行を良くする事。
3.体操をして筋肉の柔軟性を保つ事。

これらは単なる基本にすぎません。
これらをよく守り、その上に新たなる治療を加えていく事です。
それには温熱療法、マッサージがあります。
これらも筋肉、それ以上深い所の血行をよくし、痛みをやわらげる効果があります。こうした理学療法はかなり根気よく2~3ヶ月は続けなければ効果がありません。
病院で行うだけではなく自宅でも工夫してやっていただきたいと思います。

次に大切な治療法として牽引療法があります。
昔から行われている方法ですが、つぶれかけた椎間板のスペースがひろがり、椎間関節も引き離され、その結果神経の通り道である椎間孔もひろがり神経に対する圧迫や摩擦、刺激がとれ、痛みがやわらぐことになります。
理論的には上記のようになりますが、牽引している時としていない時をレントゲンで比較してみると思っている程、ひろがっていないのです。
こういう事から考えてみますと、軽い牽引でも神経のまわりの血液の循環を改善する効果があるようです。
また相乗効果として筋肉、靭帯が引き伸ばされて、緊張から解放されて、血行がよくなることも症状の改善する理由のひとつと思います。

方法としては
1.椅子に腰掛けてする方法
2.斜面を利用する方法
3.ベットで寝て行なう方法
リハビリ室で行われている方法は1.2.です。
一般的には1.が一番簡単な方法と思います。
牽引する重りと方法に注意して下さい。
真上に引っ張るより少し前向きがよいと思います。
重りはまず3kgよりはじめて下さい。自分に合った強さをみつける事も大切です。6、7kgも引っ張る必要はありません。
筋肉の緊張をとる事が目的ですから少し引っ張られている感じが適当と思います。
2.の場合は入院して行う方法です。
ベットに横になり行います。長時間の牽引が必要な時に行なわれます。
ということは外来では症状の改善があまり期待できない時、症状が強くなったりした時、脊髄症状が出現した時などに行います。
一日10時間位、索引が続けられます。
最初は午前中2時間、午後2時間、夜1時間位から開始することが一般的です。
昔はあまり行われていない方法で最近はよく行われる方法として電気刺激療法があります。
低周波を後頚部にあて、弱い刺激をあてて筋肉を刺激し血行をよくする方法です。
この電気は人体に影響はありませんがペースメーカーを装着している人には禁忌です。これらをうまく併用することが症状の改善を更に早める方法と思います。
頸椎症は慢性的な痛みだけではありません。
急な疼痛が出現する事もあります。
その時には牽引などは疼痛が強くて出来ませんので、少し安静を保つため頸椎カラーを装着します。
それでも疼痛が続くようなら鎮痛剤などの使用も必要になります。
では、このような治療を根気よく続けるとどうなるのでしょうか。
早い人ですと1ヶ月~2ヶ月で症状が改善してきます。多くの人では3ヶ月~6ヶ月位かかってゆっくりと良くなっていきます。
更に一部の人は1年位かかることもあります。
いずれにしろかなり時間のかかるものです。
焦らず根気よく治療をすることが大切です。
又、症状がよくなってくると自分で治ったと勘違いなさる方もいらっしゃいますが、骨の変化はよくなっていませんので何らかのきっかけで再発することもあります。
日常生活に十分注意し、首に負担のかからないようにしなければなりません。

生活習慣病

最近の新聞などでも話題になっていいる生活習慣病とはどんな病気なのでしょうか。我々日本人にとって現在は飽食の時代といわれています。
様々なものが機械化され、自動車などの発達により生活自体が欧米化し豊かになってきました。
しかしその反面、脂肪、コレステロール、カロリーなどの過剰摂取や運動不足によって、肥満、糖尿病、高血圧、高脂血症、高尿酸血症といった生活習慣病が増加し社会問題化しています。
これらは内臓のいろいろな因子が合併して「死の四重奏」とか「syndromeX」といわれ注目されています。
現在大学の研究室では動物実験を行い、遺伝性の肥満マウスから遺伝子をクローンしたマウスが生まれています。
それから脂肪細胞とレプチンとの関係、インスリン低抗性の関係などが研究されています。
また、多因子遺伝子の研究も活発になり、遺伝子を持っている人と持っていない人では薬の効果にも違いがあり、食事療法、運動療法も遺伝子により効果が違ってくることもわかってきました。
同じような生活習慣をしていても、その遺伝子を持っている人は持っていない人より発症率がはるかに多くでるということです。
だから、どんな遺伝子を持っているかによって病気に対処する方法が近い将来できるようになるかもしれません。
ガンもその例にもれません。
正常な細胞が何らかの理由により細胞の変異をおこしガン化します。
このガン化する時に遺伝子が関係していることもわかってきました。
これからのガンに対する治療法も抗ガン剤や放射線治療ではなく、遺伝子レベルでの治療が主体になってくるものと思われます。
農耕民族である日本人は穀物を多くとり続けてきました。食生活は食物繊維をたくさんとり、心配な病気は脚気や結核などでした。
一見貧しい食生活に思えますが、今思うと理想的でもあったように思われます。
医療も漢方が主体で自然と共有する技術も進んでいました。
それが急激な欧米文化の普及と供に廃れ、薄れてしまいました。
動物性脂肪も過剰にとれば内臓を厚い脂肪が取り囲み、今はやりの内脂肪がたっぷりとついた、まさにガチョウの肝臓で珍重されているフォアグラ状態です。

わが家の愛犬のインディの掛かり付けの獣医さんはとても怖~い先生です。
下痢でもさせようものなら、飼い主をまず30分は怒ります。
食生活の改善をとうとうと説くのです。
ペットフードの善し悪しからジャンクフードの怖さまで教えてくれます。
特にジャーキーはいけないと、思い返せば何回怒られたことでしょう。
ドライフードは動物性脂肪が入っているものといないものを混ぜ合わせるようにとか、海に入る時の注意から、はては歯の状態まで細かいチェックが入ります。
妻がその感化を受けて、わが家の犬と猫は戦々恐々。ちょっとでも人間のお菓子類をもらおうものなら大怒られになります。
しかし、そのお陰で何ともスマートな美しい体型を維持しています。
あの獣医さんは本当にペットの事を考え、喋れない彼らの代弁者なのだと思いました。しかし、そういう僕も患者さんに同じような注意をいつもしているのです。

食生活の改善は大切な事です。
愛情はただ甘いだけではなく、時にはその人のために一番にがい薬を投与する事も愛情であることをお忘れなく。
将来、遺伝子の検査をすることにより生活習慣病の予防ができるようになる日もくるものと思われます。そうすれば病気になってから病院へ行くのではなく、予防のために病院へ行く日も近いと思う今日この頃です。