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コスモス新聞

コスモス新聞 病院からのお知らせ、ちょっとしたエピソード、医療に関するお話、患者様よりお寄せ頂いたメッセージ、思い出の映画など情報満載です。

コスモス新聞第70号

肩こりとは何だ!!!

4月15日(木)に院内において「肩こり、後頸部痛について」という講習会を行いました。その時にご出席できなかった方からなどの要請がありましたので、今回はその復習などを含めて肩こりについて、もう一度お話ししようと思います。
当院に来られる患者さんの訴えの中で一番多いのが腰痛で、次に肩こり、後頸部の痛みです。
肩こりは昔は童謡にも歌われているように子供がお母さんの肩をトントンとたたいて親孝行していたように、若い人には比較的みられなかった症状です。
でも最近は若い人、働き盛りの人にも肩こりで悩んでいる人が多くなってきています。では肩こりはどのようにしておきるのか、どのような治療法があるのか。
まずは肩こりにもいろいろありますので少し分類してみましょう。
(広い意味での肩こりは首のつけねから肩甲骨、また首筋や肩の関節のまわりのことを指します。)

1.若い人の肩こり
これは筋肉の疲労からくる緊張感で一般的な肩こりです。

2.若い人の背中の痛み
1の肩こりと同じようにおこることが多く、頸椎の並び方が原因のことが多いようです。

3.中年以降におこる肩こり
筋肉の痛みであることは①②と同じですが、そのもとになる変化として頸椎の老化現象が存在しています。そのため治りにくく、なかなかやっかいな病気です。

4.一般的にいわれている肩のまわりの痛み
これも肩こりと一緒にくることが多く、また腕の痛みとして感じられることもあります。五十肩といわれていて、肩の関節周囲の老化現象がもとになっています。

5.肩こりに腕のしびれや痛み
神経や血管の通り道が狭くなったためにおこってきた症状で、老化現象が基盤にあり、治療も困難で入院が必要なこともあります。

6.内臓の病気でおこってくる肩こり
珍しいことですが重要ないみがありますので肩こりを軽く考えないで、病院で一度は診察、検査を受けてみることが大切です。

若い人の肩こりについて

この中には頸肩腕症候群といわれるように、仕事時の姿勢、時間、機械的な操作などが原因になることが多くあります。筋肉の緊張が強くなるためです。

肩こりのメカニズム

筋肉は緊張すると固くなってきます。これは筋肉の繊維が短くなり、又太くなって筋膜でかこまれた部分がいっぱいになります。
こうなると筋肉中の圧力が高くなり、筋肉中を走っている血管が押し潰され血液の流れが悪くなり、うっ血した状態になります。
筋肉は収縮するために多くのエネルギーが必要になりますが、その源は血液の中の酸素とブドウ糖です。
血液の流れが悪くなるとブドウ糖がうまく使えなくなり、そのため乳酸が多くなりそれが筋肉中にたまります。この乳酸は筋肉では不必要な物質でできるだけ早く筋肉の外に出さなければなりません。
この乳酸がたまりますと筋肉疲労がおこります。
人間の筋肉は緊張と一休みを繰り返すことが必要なのです。
この一休みの間に血管が十分に開き、新鮮な酸素が筋肉中に流れ込み乳酸をながすのです。
この一休みは筋肉の弛緩といわれ、体操などの時に筋肉の緊張と弛緩が繰り返され、筋肉が活動しているのです。
だから体操をすることにより、肩こりを予防したり老化を防ぐことも可能になります。しかし体操のように規則正しく反復運動ができればよいのですが、仕事などでは一定の方向にしか筋肉を動かさないため、筋肉にうっ血が生じて上記のような状態になります。それが長く続いてくると筋肉の中にある痛みの物質を刺激し、痛みと認知されます。
この痛みの物質はまだよく分かっていませんが、乳酸説、カリウムイオン説、水素イオン説、あるいは「未知の因子」説など様々で現在も研究が行われています。
"こり"というのは筋肉の痛みの感覚の一種で、重苦しい、重だるい、はったような、こったようななど様々に表現されます。
このこりがさらに長引いてくると酸素不足はもっと強くなり、一種の炎症反応がおこり、やがて本来は柔らかいはずの筋肉が硬い繊維性の組織に置き換わり、外からさわると硬いしこりのように感じ、押さえると痛みになります。
このような症状は"筋、筋膜炎""結合織炎"と呼ばれています。
肩こりは腕をひどく使ったり、不注意な使い方をしたりするとすぐにおこります。

又、普通の人ではおこらないのに、少しのことでおこりやすい人もいます。
何故でしょう。
第一に考えられるのは姿勢の悪さです。
猫背でなで肩で首が前に出ているような体型の人はもともと筋肉の発達が悪く、筋肉疲労をおこしやすい人です。
太った人、あるいは極端に痩せた人、背が高すぎる人も姿勢が悪くなりやすいために肩こりが多くみられます。
第二は運動不足です。
筋肉は運動をしていないとなまってしまうといわれています。
学生時代はよく運動をしていたのに、就職してからは運動をしなくなったりする人が多くいます。
せめて散歩をしたり、体操をしたりして休みの日くらいはごろ寝をしてテレビを見ているというような生活からさよならしましょう。
第三は骨の異常です。
これはレントゲン検査をして初めてわかることです。
頸椎には思ったよりも生まれつきの異常が多くありますが、病的なものはそれほど多くありません。
"頸肋""癒合椎""バルソニー症候群"などが有名です。
これらはすぐに症状として出てくることはありませんが、こりやすい状態にあるということです。
第四は自律神経の問題です。
自律神経は交感神経と副交感神経がお互いにバランスをとりながら血流、内臓の働きをコントロールしています。
これがうまくいかないと胃腸の具合が悪くなったり、血流が悪くなったり、手足が冷えたり、頭痛、めまいになったりします。
筋肉の中の血液の流れも悪くなり、肩こり、後頸部痛がおります。昔から貧血があると肩がこりやすいといわれていますが、これも筋肉中に酸素が行きにくくなり、こりや疲労をおこしやすくなります。
また貧血の人はやせ型で自律神経も不安定な傾向がみられ、肩こりのおこりやすい条件をもっています。
第五は冷えです。
冬の寒い日だけではなく、夏でも冷房のきいた部屋にいたり、扇風機の風に直接当たっていたりすると肩こりがおこりやすくなります。
この冷えという状態は筋肉の緊張と血管の収縮がおこり、血液の循環が悪くなり肩こりという症状につながります。
第六に精神的な疲労です。
普通の人でも緊張が強い時、不慣れなスピーチなどの後にはやれやれと思い、肩こりを感じるものです。
肩こりのおこりやすい人をみると少し神経質で対人関係で過度に気を使ったり、いつも神経を張り詰めている人たちに多く、きっと無意識のうちに筋肉の緊張がおこっているのでしょう。
精神的なストレスが積み重なると不眠、頭痛がおこり肩こりもますますひどくなります。

中年からおこってくる肩こり

人間の体は悲しいことに25歳頃より少しずつ下り坂になってきます。
(CMに25歳はお肌の曲がり角とありましたが・・・)
その頃より老化もはじまっているのです。
若いときは何も感じなかったのに、最近はよく肩がこり、時に寝違えたりしますといわれる患者さんもいます。
その時にレントゲンを説明しますと、「まだ若いと思っていたのに」と少しショックを受けていられるようです。
誰もが同じ年令で同じような老化をたどるものではありません。
若いときに柔道、ラグビーなどで首を痛め続けていた人に早く老化がみられるようです。首の骨組みの中で一番早く老化がおこってくるのが椎間板といわれるクッションの部分です。
この椎間板中に髄核といわれる部分があり、柔らかいゼリー状の軟骨でてきていて、骨に直接重力がかからないように一種のショックアブソーバの働きをしています。
この髄核はコラーゲンと呼ばれている物質と水分から出来ています。
年をとるとしだいにこの水分が減少し、流動性のものがパサパサしたおが屑のようになってきます。この状態が長く続いていくと骨にかかる負担が増えて、骨に変化がでてきます。骨棘といわれる"とげ"がそれで神経の通り道を狭くしたり、直接神経を圧迫したりします。
これが頸椎症といわれ変形性頸椎症、頸椎椎間板症、頸椎骨軟骨症、頸部脊椎症などとも呼ばれています。
誠に申し訳ありませんが、紙面に限りがあり残りの頸椎症についての症状は次回にお話しさせていただきます。
老化というとがっくりとなさる方もいらっしゃいますが、私はむしろ感謝するべきと思っています。
若い時はがむしゃらで何も考えずに体を酷使してしまいますが、たった一つしかない自分の体です。
大切にしましょうと口でいうのはたやすく、忘れてしまいがちですが、病気となると皆さん体をいたわるようになります。
その時に自分の体の弱さを知るものです。
25歳から老化が始まるのはきっと天からの贈り物。時間と追いかけっこをするよりものんびりと気長に長生きしましょう。