香川県高松市での整形外科・内科・健康診断・予防接種は吉峰病院へ。

English

コスモス新聞

コスモス新聞 病院からのお知らせ、ちょっとしたエピソード、医療に関するお話、患者様よりお寄せ頂いたメッセージ、思い出の映画など情報満載です。

コスモス新聞第65号

関節とは何だ!!

どんな精巧な機械でも何日も何カ月も続けて使っていると、その可動部は動くたびにギシギシと音がしたり、ネジがゆるんだり、ヒビが入ったり(金属疲労)します。
しかし、人間の関節は毎日、毎日、何千回、何万回も動かしたりしても、すりへったり、音がしたりすることはありません。(ただし、関節が栄養不足になると痛みとして出現します。)人間の知恵でつくりあげた、どんな精巧な機械でもまねのできない機構をもっているのです。

今回はこの不思議な関節について取り上げてみました。
二本の骨の末端は狭いすきまになっていて、二本の骨はけっしてつながっていません。向かい合った面は鏡のように滑らかな硝子軟骨(関節軟骨)で覆われています。
一方は凸形をし、片方は凹形になっていて脱臼などしにくくなっています。
その骨のまわりを関節という袋で覆い、あたかも二つのエンドウ豆が一つのサヤの中に入っているようになっています。(たとえはあまり良くありませんが・・・)
その関節包の内側に滑膜、外側に線維膜がてきていて、滑膜は滑液というねばりっこい潤滑剤を分泌し、関節面を覆い、動いてもギシギシしないようになっています。
またこの滑液は血漿(血液)のような栄養素を含んでいて、関節軟骨に栄養を与えています。
その為、軟骨が悪くなったり栄養が足らないと体が勘違いし、滑液を多く出します。これが水がたまるという現象になります。
関節の役目は筋肉の収縮弛緩運動をテコの支点に与え、体の部分の動きに変えているのです。
関節の中をのぞく
光りファイバーのセンイを束ね、太さ3ミリの管にしたものでスコープを作ります。それは関節鏡といわれ、直接関節の中を見ることができます。
関節の中は暗闇なので照明が必要です。
ですからファイバーに電源をつなげ(これには低温高照度のランプがついています。)明るくして中をのぞきます。
関節の間は狭いのでできるだけ細くしなければなりません。昔は小さい関節には使えませんでしたが、最近は細いファイバーが出現し、手関節、顎関節にも関節鏡ができるようになりました。

レントゲン検査、MRI検査などではわからないところも実際にみることにより、はっきりわかることができます。

滑液とは何だ!!!

車でいえば、ガソリンエンジンのシリンダーとピストンを滑らかに動かすためにオイルパンからエンジンオイルが絶えずかきあげられています。これと同じように関節も潤滑油がないと動きが円滑にならないし、摩耗も起こってきます。
幸い関節には潤滑油の潤滑液(関節液)が供給されるようになっています。
関節の中の潤滑油は滑膜でつくられる滑液、すなわち関節液です。
正常な時は無色かやや淡い黄色で透明なやや粘りのある液で、膝関節では1~2mlしかありません。
この粘りっこい液のなかにはヒアルロン酸、尿酸、ブドウ糖等が含まれています。
病気によって増えたり、少なくなったりします。この関節液を検査することで診断の手助けになります。

◎軟骨とは何だ!!!
軟骨は言葉のとおり、軟らかい骨でナイフで切ることができます。
弾力性があり、圧縮したりしても壊れにくくなっています。
関節の中の軟骨は骨に比べ、すごく滑らかで互いにすりあっても骨と骨とのようにゴツゴツしていません。
不思議なことに軟骨は血漿もリンパ管もなく神経も分布していません。しかし滑液中から栄養と酸素を吸収しています。
大人の骨も胎児のころは軟骨でできていて、成長していく過程で一部は軟骨のままになり、他の部分は骨になっていきます。
これを骨化といい、だいたい年令により決まっています。
焼死体などでも骨を検査することにより、その人の年令がわかります。これを骨年令といいます。
また軟骨から次第に骨になっていきますので、関節の中の骨と軟骨ははがすことができなくなっています。
軟骨組織の線維の多少により①硝子軟骨、②線維軟骨、③弾性軟骨にわけられます。
(1)硝子軟骨はほとんどの関節にみられ、肋軟骨、気管支の軟骨です。
(2)線維軟骨は抵抗力の強い軟骨で、半月板、骨盤の軟骨です。
(3)弾性軟骨は弾力性に富み、耳介、喉頭蓋の軟骨です。

◎指がポキポキなるのはなぜ!!!
指を引っ張ったりするとポキッと音がします。
ロストンは1974年に指先を引っ張ることにより関節腔がひろがり関節内圧が陰圧となりそこに滑液の泡ができ、それが壊れる時に音がすると発表しました。
そしてこの泡が残っている限り、音はしません。
一回音がしてから15~20分くらいほっておくと、又音が出て来ます。
1971年、アンソワーズは一度できた泡が液体に戻ろうとする時に音が出るのだという説を発表しました。これも陰圧になっているためであるといわれています。
あまり鳴らしていると関節周囲の靭帯、関節包も伸び、又太くなったり緩んだりしやすくなります。
注意しましょう。

◎関節の警報!!!
ふだん何げなく利用しているバスや電車が急に使えなくなった時に、その有り難さがわかります。それと同じに自分の手や足を目一杯使っていても、たいがいその有り難さを忘れています。
手を動かしたり、歩いたりした時に痛みが出ると、初めてその関節の存在を意識し、痛みがないときの有り難さがわかります。
関節の痛みは内臓の痛みと少し違い、痛い場所が広く、ここが痛いと指で差しにくい事が少なくありません。
広い痛みは関節を包む関節包に分布している神経と、関節包と靭帯、筋肉にきている神経によって起こります。
また関節包の入り込む血管のまわりの神経も関係してきています。
その為に痛みの範囲が広くなるのです。

◎酢を飲むと体が軟らかくなるの!!!
中国雑技団の演技をみていると、よくもここまで関節が曲がるものだと思います。
私も小さな頃、祖父母からサーカスの人たちは毎日、酢を飲んで育ったので関節が軟らかくなり、このような演技ができるようになったと聞かされていました。
でも大きくなり、医大に行くようになり小さな頃の疑問を探そうと、いろいろな医学書をみてもこのことは書かれていませんでした。
毎日酢を飲んでいても体の中では中和されてしまい、骨を溶かしたりしませんし一部だけを軟らかくすることもできません。
彼らのレントゲンをみても強くしっかりした骨になっており、通常の人と何ら変わりがありません。
特殊な訓練を重ねることによって拮抗筋をゆるめ、関節靭帯や関節包のゆとりを大きくし、極端な動作ができるように徐々に適応させていくものだと思います。
曲げる筋肉と伸びる筋肉がうまく釣り合って関節を動かします。
これを拮抗筋といいます。曲げる屈曲の収縮力が増し、これに伴い伸屈の伸屈力も増し、可動域範囲を越えることになります。
関節や靭帯etcの強さも一般の人より強くなり、脱臼することはありません。
このような考え方はリハビリテーションにも取り入れられ、毎日訓練することが関節を動きをよくすることになります。

在宅看護、在宅行政について

年をとるということは誰でも避けることができませんし、また一生のうちで一度も病気をしないという人もいません。
もし自分が病気になったらどうして欲しいか、また年をとった時にはどうして欲しいかを考え、やさしさと思いやりを持つことが介護、看護の基本だと思います。
自分の気持ちを表現できない子供や、かなりボケの進んだお年寄りにもこの基本をもって接することは大切な事です。
でも介護、看護は一日や二日で終わるものではありません。数年から数十年も取り組まなければなりません。

そのためにはどうしたら良いのでしょうか。
一人でしようと思わないこと
介護日誌を簡単でよいからつけること
一日の介護プランをつくること
清潔の習慣を身につけること
介護する人の健康も気をつけること
などが大切です。

一家族ですべてを行うということは、どこかで必ず無理がでるし、至難の技でもあります。
特にお年寄りを抱えていると、旅行や外食などを犠牲にすることになり、家族中が気づかないうちにお年寄り本人を憎む結果にもなります。
外にお年寄りをまかすということが、いつしか罪悪感を伴うようになり、自分が自分がと義務のように何もかもを一手に引き受けた結果、介護という聖なる仕事に張り切っていたのにいつの間にか、疲れや現実という重さに押し潰されそうになっていることがあります。

こんな時のために上記に上げた項目を実践し、上手に行政機関の介護サービスを利用することをお勧めします。
当院でも特浴をしておりますので、予約を入れた上でご利用下さい。