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コスモス新聞

コスモス新聞 病院からのお知らせ、ちょっとしたエピソード、医療に関するお話、患者様よりお寄せ頂いたメッセージ、思い出の映画など情報満載です。

コスモス新聞第61号

自分の体力を知ろう!!

自分の体力を知ろうとする時、まず考えなければならないのは何の為の体力かということです。
私たちが昔より考えていた体力とは、マラソンを走る時、重い物を持ち上げるといった時に、普通の人ができない事をしようとする能力のことをいっていました。
このような体力はオリンピックを目指す人にはたいへん必要な能力です。
この能力を「競技に関する体力」と言います。
ところが多くの人にとってはオリンピックは見るものであって、参加出来るものではありません。
したがって「競技に関する体力」は普通の人にとってはあまり関係ありません。
私たちにとって重要なのは元気で毎日を送り、長寿をまっとうできる能力です。
この能力を「健康に関する体力」ということができます。
体力と一口にいっても二つの意味があることになります。
この二つの違いを明確にせず、さらに、健康と体力を同意語とし使用している場合が多くあります。
確かに不健康な人は体力もない場合が多いし、体力があると健康な人だと思われがちです。このように健康と体力は相互依存の関係にあることは否定できません。
このため実際に行われている体力測定では競技に関する体力を試している場合が大多数である、この成績と健康状態を同一と把握しがちで、ここに誤解の生じる原因があります。
健康だと思っているのに体力測定の結果は「劣っている」と出たり、体力測定の成績が良いと健康だと思いこんだりします。
体力測定の良し悪しが健康の良し悪しだとすれば、マラソン選手は風邪をひかないしガンにもかからないことになってしまいます。
「競技に関する体力」と「健康に関する体力」が混在しているのが誤解を招く原因でもあるのです。
競技に関する体力と健康に関する体力は近い関係にあるものの、構成要素が若干異なります。
競技に関する体力では、どの要素も高ければ高いほどよく、健康人の体力は必ずしもそうとはいえません。
例えば、持久力の測定には最大酵素摂取量が用いられますが、その能力の高い人ほど細菌感染に弱いとの説もあります。
また筋力は発揮出来る力が高いほど、障害の危険性も高くなります。
少々のケガどころか、状況によっては命さえ賭けて勝負に挑むのが競技でもあります。一般の人々がケガで職場を休んでいたのではいたんでは仕事になりません。
毎日元気で働くことこそが必要なのです。
元気で働きつづけ、定年後の人生も有意義に送れることがもっとも望まれる人生なのです。
そのために必要な体力と、金メダルを目指す体力のレベルとは当然、異ならなければおかしいのです。

一般の人にとっての体力の構成要素は、持久力、筋力、柔軟性、体組成の四つです。
・持久力
持久力は一般的には、スタミナとして捉えられています。
この能力は、ある状態を維持し続けたり、ある動作を連続して続ける能力のことです。したがって持久力とは「疲労に耐える能力」といえます。
この持久力には筋肉と心肺機能が合わさったもので、この能力と循環器疾患との関係は研究が進み、きわめて相関関係が強いとされており、持久力をつけることが循環器疾患の予防に有効であることが証明されています。
・筋力
筋力とは「筋肉が収縮、伸展することによって外部に働きかける力」のことです。
この意味で筋力をとらえると、筋力はなくてはならない存在であることが分かります。口を動かす、足を前に出す、手を挙げることといったすべての一挙一動が筋力の収縮、伸展によってなされているからです。
筋肉は300種、650個ありますが、その一つづつにエンジンを搭載しているようなもので、そのエンジンがどれだけ効率良く動くかによって筋肉の性能がわかれます。

・柔軟性
柔軟性は今までは体力には関係ないといわれてきましたが、最近は柔軟性の重要性がいわれています。
柔軟性は「一つの関節あるいは一連の関節の可動範囲」と定義されています。
最近話題になっている柔軟性の欠如は関節の動きの低下だけではなく、「筋肉及び腱自体の伸展性」の低下だといわれています。
筋肉、腱の伸展性の低下は精神的ストレスなどにより増強され、肩凝り、腰痛、慢性疲労症候群といわれるような病態を作ります。
この為ストレッチングの重要性が注目され始めました。
また、最近では過度の柔らかさが障害を作るとさえいわれています。
正常の可動域の範囲をこえてしまうので、関節軟骨を痛めたり、脱臼しやすくなったり、筋肉繊維を痛めてしまうことになります。

・体組成
人体の主要成分は皮膚、筋肉、内臓、そして脂肪により構成されています。
脂肪を除いた重さを「除脂肪体重」と呼び、この除脂肪体重と脂肪の重さを合わせたものが体重となり、単に体重が多いから脂肪も多いということにはなりません。
除脂肪体重の多い人は体重も重くなりますが、だからといって肥満ではなく、体重が少なくても脂肪の占める割合が多ければ肥満となります。ですから従来の単位身長あたりの体重が著しく重いことを肥満とする考え方は最近では否定されています。

肥満とは「体内に脂肪が過剰に蓄積した状態」であり、体重に占める体脂肪の割合が体脂肪率です。
20~25歳だと平均して男性で15%、女性で27%といわれています。
体脂肪率は加齢とともに増加する傾向にあり、肥満者は各種の成人病にかかりやすく短命であるとの調査結果が報告されており、健康の敵であるといわれています。
かといって脂肪がまったくないのも問題で男性は3%、女性は12%を切ると神経系、生殖器官などの生理的機能に悪影響があるとされています。
脂肪はエネルギーの貯蔵庫ともいわれ、なくてはならないものの一つでもあります。

体力を自己診断してみよう
15分間、早足で歩けるか
 ・両腕をくの字に軽く曲げ、リズミカルにふる。
 ・下腿を前に振り出すようにして、踵より着地する。
 ・後ろ足で強くキックする。
 ・あごを引き、上体をまっすぐにする。
自分の体重を支持できるか
 ・腹筋、背筋のトレーニングができるか。
しなやかな筋肉があるか
 ・両腕を後ろに床と平行になるまでふりあげる。
 ・仰向けに寝て、一方の足を胸まで持ってこれるか。
 ・ぺちゃ座りができるか

体力の自己判断を行い、これを一つの目安として運動を行うことが大切です。
努力することが人生をより良いものにすることができます。がんばりましょう。
スポーツ科学・読本より青木高氏の「体力を問い直す」より抜粋しました。先月号でお話しした「救急医療の実践」を9月10日(木曜)午後1時30分より3時までリハビリ室にて行います。救急医療に精通した看護婦、看護士が皆様に分かりやすく説明しますので是非ご参加下さい。

ビタミンと厚生省

1920年代、日本は「脚気」全盛時代で、ビタミンB1の欠乏により年間2~3万人の死亡例がみられました。
鈴木 梅太郎博士が世界に先駆けてオリザニンと命名されたビタミンB1の精製に成功し、政府は脚気を国民病と位置づけ配給米にビタミンB1を混ぜ、撲滅に努力しました。
現在「脚気」で病院に受診する人は殆どみられず、昔の病気とされています。
しかしビタミンB1欠乏による死亡例が報告されています。
これは胃癌のため手術を行い、術後、点滴を行いますが其の中にビタミンB1が少ないためにおこったと発表されました。
内科学書をひもといてみますと、眼球運動障害、失調性歩行、末梢神経障害が出現し、ウェルニッケ脳症がみられるとありました。
ウェルニッケ脳症は1881年にWernickeにより報告されたもので、運動神経マヒ、早発性眼振、小脳性運動失調などの諸症状を特徴とする神経疾患でアルコール中毒者の欠乏性脳症とされ、中脳水道、第三第四脳室付近の出血、萎縮などが病変としておこると記載されていました。
命より医療経済が大切???
現在の保険診療では「給食料を算定している患者に対して、ビタミン剤の注射を行った場合の当該ビタミン剤については厚生大臣が定める場合を除き、算定しない」と記載されています。簡単にいうと食事をしている人(食事量には関係なく)にはビタミン入りの点滴はできませんということになります。
厚生省の技官は実際の臨床の場での患者の食事摂取量、能力とは無関係に給食料を算定しているかどうかだけで査定をするのです。
点滴にビタミン剤を入れて行うときは、患者の症状を書き、どうして必要であったか具体的に報告しなければなりません。(それでも査定されることもありますが・・・)また、規定には「薬事法の承認内容にしたがって投与された場合に限る」また、「健康保険法第43条、17第1項に規定する入院時食事療養費に係わる食事療法を受けている患者」などと難しい文章がたくさん並び、読んでも難解で理解できません。
我が国の医学医療の発達はめざましく、また国民皆保険制度とあいまって、医療レベルは世界の一級になっています。
しかし、この保険制度のためか?医療現場の隅々にまで厚生省の官僚による統制が行き渡っています。今後の医療の方向も彼らが机の上で計算された規定により、向きが変わってしまうこともあります。
良き医師たれと願い、患者さんに良い医療をと望んでも、現在の医療制度では限度があり、その壁を突破するために個人として戦っていかなければならないのが現実です。医療制度という壁との戦いにひるんでいては、皆さんの信頼やより良い医療への道につながるわけがないからです。