香川県高松市での整形外科・内科・健康診断・予防接種は吉峰病院へ。

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コスモス新聞

コスモス新聞 病院からのお知らせ、ちょっとしたエピソード、医療に関するお話、患者様よりお寄せ頂いたメッセージ、思い出の映画など情報満載です。

コスモス新聞第46号

老年になっての医療

運動機能を保持することを重視する整形外科では、老化を基準とする疾患の治療にあたる機会が多くあります。
老人の行動力の維持、日常生活能力の回復、そして社会に適応するという医師と患者の双方の理想があります。
高齢化といわれて久しい今、筋、骨格系などの結合組織の疾患は加齢と共に増加し続け、60歳以上では循環器系疾患に次いで第2位になりました。
整形外科の歴史は先天性、又は若年者の変形の矯正に始まりました。
近年では変形性疾患、すなわち老化による身体障害を回復させることが主題のひとつになっています。
さて老年になって頑固さを増したおじいちゃん、おばあちゃん。
いや、より人間として成熟された方々に一言。
まず、医師を信頼して下さい。
私たち医師は確かにあなた達から見れば若い人もいます。
日々進歩する医学を学び、今も勉強を続けている私たち医師は、前よりももっと良い治療をしたいと思っています。
医師それぞれの治療法は違っても同じ目的を持って、患者さんに接しています。
それは少しでも運動状況を良く、少しでも痛みを軽く、少しでも良い状態にという願いです。
でも外来での治療時間は短く、たくさんの患者さんを抱える現在では長くゆっくりとお話ししたくともできません。
そのためにコスモスポストを設けております。
何でも結構ですので、症状への質問、治療の疑問、医師たちへの提言などを書いて下さい。
コスモスポストは外来に設置してありますので、いつでも投函できます。
無記名でも結構ですが、お名前を書いて下されば、次回の診察の時にお話しできると思います。
病院職員一同、患者さんからのお手紙をいつでも歓迎しております。
たとえそれが苦言であっても、これからの診療や患者さんへの応対などの参考にさせていただき、より良い信頼関係を結んでいきたいと思っています。

アルコール離脱症候群

今回はアルコールが及ぼす弊害についてお話ししましょう。
「酒は百薬の長」といわれ、適度な量なら人体に良いのですが、長期にわたる過度の飲酒が体にいいことなどありません。
では、一念発起して長期にわたる飲酒を断った場合、どうなるでしょうか。
まず数時間以内にアルコール離脱症状が起こります。
その症状は人により異なりますが、一般的に飲酒量の多い人ほど重症になる傾向があります。
最初は手が思うようにスムーズに動かない、発汗、不眠、悪夢、嘔吐、下痢、イライラ感、不安感、落ち着かずじっとしていられないなどの症状がでます。
これら軽症~中等症の離脱症状に対しては適当な治療をほどこせば、症状は3~10日で改善します。
でも放置しておくと重篤な離脱症状がでる場合があります。
人によっては飲酒中止後6~48時間に離脱性発作(ほぼ間違いなく大発作の形をとります。)を起こす場合があります。
その頻度は離脱症状を起こす患者の5~15%であるといわれています。
最もやっかいなのが幻覚を伴う症状で2種類あります。
1つは意識障害を伴わないタイプでアルコール幻覚症と言われています。
飲酒中止後6時間位で出現することもあり、一カ月以上続く場合もあります。
幻覚は幻聴の形をとることが多く、幻覚から覚めた後、その内容を本人が記憶していることが多い。
意識障害を伴うタイプは、振戦せん妄と呼ばれています。
典型的には飲酒中止後2~4日経過した夕刻ないし夜に出現します。
軽度ないし中等度の意識混濁とともに精神運動興奮を示します。
見当識も障害され、錯覚、幻覚が出現し、薄暗い所に虫などの小動物が見えるという幻視が典型的で、その虫が体を這っているという幻触を伴います。
アルコール幻覚症にしても振戦せん妄にしても強い睡眠障害に陥りますので注意が必要です。
アルコール依存症の患者さんの数は増える一方で、本人さえ自覚していない場合もあります。
でも病魔は確実にその体を蝕み、精神さえ歪める場合もあります。
何より一番大事なことは治療の続行です。
飲みたいという願望は人によっては何年も続き、頼みは本人の精神力と医師との連携プレーになります。
いったん断酒しても再飲酒の誘因はあまりに多く、失敗(再飲酒)もあるでしょうが、落胆することなく、再挑戦する姿勢が大切です。

肩・肩・肩

「肩が痛い」と来院なさる患者さんが多くいます。
では「肩」とはどこまでが「肩」なのでしょうか。
首のところから腕の付け根あたりにかけての、なだらかな曲線の前側と後側、特に背中に向かって広がる面、このへんを「肩」と呼んでいます。
医学的には首の付け根から背中に向かって痛む場合は、その位置について"neckandshoulder"という言い方をします。
肩の関節の部分だけを指す場合は単に"shoulder"というようです。
患者さんの訴えている部分が"neckandshoulder"の場合は肩の筋肉の痛みが多く、その原因が頸椎にあることが多いのです。
先程のshoulder、すなわち肩の関節の場合は、骨、軟骨、関節包、関節周囲の組織というように、通常の関節構造を指しますから、その関節の疾患と考えます。
つまり、肩凝りと肩関節の痛みは別ですので、肩凝りと五十肩は別に考えます。
肩の筋肉には、首から肩甲骨を吊り下げている筋肉だけでなく、肩甲骨を動かす筋肉もあります。
腕を持ち上げると同時に肩甲骨も一緒に動かないと腕が上がらないのです。
これを肩甲上腕リズムといいます この「肩が動かない」と来院される方がいます。
肩関節周囲炎(五十肩のこと)であることが多いです。
原因は男性の場合、ふだんしないことをした後や運動の後で肩が動かなくなったといって来院します。
女性はいつも間にか痛くなったとおっしゃる方が多く、原因ははっきりとしない例がありますが、良く聞いてみると布団を押し入れに入れる時に痛みがあったとか、引っ越しの時に重い物を持ったとか、不用意に肩を急に使ったことがきっかけとなります。五十肩とは肩関節周囲炎ですから、若い人がなってもおかしくないのですが、50歳位からなるとお考えではないでしょうか。
実際はもっと若い人にも起こりますが、割合に治癒しやすいので症状が長引かないで治まってしまいます。
でも40~50歳になると組織変性も進みますし、治癒機転も長引いてしまうため、この年齢に好発するように考えてしまうわけです。
又、上腕二頭筋の長頭腱が肩の関節に入り、これがよく腱鞘炎を起こし、肩の痛みの訴えとなり、それが五十肩に発展することもあります。
整形外科医の間では五十肩の症状は関節拘縮で運動制限が中心症状であるけれども、発症機転としては主として腱鞘炎のこともあるし潤液包炎のこともあるし上腕二頭筋の腱鞘炎でもあります。
五十肩の治療は痛みと関節運動制限に対して、急性期、慢性期に分けて考えます。
急性期は炎症が盛んな時期ですので組織の安静をはかり、運動は控えるように指導します。
肩を冷やす、一時的に肩を固定する、局所に抗炎症剤の注射や経口投与などをします。でも2~3週間が限度で、これを越すと肩関節の固定はむしろ有害になります。
このままでは関節包が短縮して、運動制限を増悪させることになってしまいます。

慢性期に入ったと考えられる場合、痛みのない方向からの運動をしましょう。
ゴッドマン体操です。
体を前方に90°倒し、テーブルに片手の肘から先を預けます。
もう片方の肩の力を抜いて、手をぶら下げてみましょう。 腕の重みなどでは足りない場合はアイロンのような重さの物を持ち、ゆっくりと前後・左右に振ります。
痛みのない方向から腕を振り子のように動かします。
そしてしだいにアイロンを円を描くようにします。ゆっくりとで結構です。
肩の筋肉を柔らかくする体操です。

お詫び
今回のコスモス新聞の発行の遅れについてお詫び申し上げます。
言い訳はしまいと思っております。
まことに、申し訳ありませんでした。
次回からは遅れないように努力しますが、いついかなる状況が持ち上がるか予測は不可能ですので、「けっして遅れません」とは言い難く、誠に皆様の寛容なお気持ちにおすがりするのみでございます。
お詫びと申しては何ですが、先月「ふきのとう」に続く「やまざくら」が小雑誌になりました。
何分、数に限りがありますので差し上げる事はできませんが貸し出しますので、お読みになりたい方は事務に申し出て下さい。
貸し出し期間は一週間とさせていただきます。

これからもコスモス新聞をご愛読下さいますようにお願い申し上げると共に、遅れました事を紙面を借りてお詫び申し上げます。
院長