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コスモス新聞

コスモス新聞 病院からのお知らせ、ちょっとしたエピソード、医療に関するお話、患者様よりお寄せ頂いたメッセージ、思い出の映画など情報満載です。

コスモス新聞第272号

子どもの体に異変あり

~広がる"ロコモティブシンドローム"予備軍~
"しゃがめない"
"腕がまっすぐ上がらない"?_
今、子どもたちの体に異変が起きています。
ロコモティブシンドローム、運動器症候群ということばを聞いたことがありますか?
手すりにつかまらないと階段を上れない、足腰が痛いなど、関節や筋肉といった運動器の疾患で、高齢者を中心にその予備軍も含めて4,700万人いるとも推定されています。
そして今そのリスクが、子どもにまで広がっていると指摘する声が上がっています。
「子どもは"ロコモ"の予備軍。
これからは小児の予防対策が非常に重要になる。」
各地の調査では、運動器の機能に懸念のある子どもが続出。
男性
「かかと浮いちゃうね。
後ろに倒れちゃう。」
男性
「(床に)つかない?
硬いね。」
生徒
「痛い。」
そのまま放置すれば、大人になってロコモティブシンドロームになる可能性があるといえます。
子どもの体の異変をどう食い止めるか。
整形外科医も驚く 子どもの体の異変
「今、痛いとこない?」
それまで見たことのない患者に出会いました。
「ちょっとびっくりしたんですけど、両手首の骨折なんですよね。」

手首の骨が左右とも同時に折れていたのです。
男子生徒が思わぬけがをしたのは、体育の授業で跳び箱を跳んだとき。
けがをした生徒
「頭から前のめりの姿勢で落ちてしまった。」
バランスを崩して手をついた際、手首が十分に反り返らずに両手首を骨折してしまいました。
「普通によけられるじゃないですか。
両手首を骨折なんて、ありえないですよね。
体の微妙な変化が、子どもたちに起こってきている。」
以前では考えられないような子どもの体の異変が増えているとして、埼玉の中学校では2年前から関節や筋肉など、運動器の状態を調べています。
検査の項目は、足首やひざなどの運動器を見るしゃがみ込み。
体幹の硬さをチェックする体前屈。
手首の動く範囲を調べるグーパー運動など。
5つの動きを見て運動器が正しく機能しているかを調べます。
「はい、お願いします。しゃがんでごらん。おー、転倒か。」
男性
「かかとが浮いちゃう。
後ろに倒れちゃう。」
下半身の硬さが表れるしゃがみ込み。
実に14%の生徒ができませんでした。
今回の検査の結果、52.8%の生徒の運動器が十分に機能していないことが分かりました。
「やっぱり予想していたより硬いですよね、全般的に。
だから非常に体のバランスがアンバランスな子が多いかなと思っています。」
しゃがめない 曲がらない 運動量の多い子も?
子どもの体は本来大人より柔軟に出来ています。
それは大人より軟骨部分が多く筋肉などが柔らかいためです。
しかし最近関節回りの筋肉などが大人と同様に硬くなる、いわゆる運動器の機能不全が増加。
放置するとロコモティブシンドロームになるリスクが高まるというのです。
一体なぜ子どもたちの間に、運動器の機能不全が広がっているのか。
日常生活の中で子どもたちの動きのバリエーション、多様性が減っていることが影響していると考えられています。
中学校男子の授業以外での1週間の運動時間をみると。
1週間に7時間以上運動する子と、1時間未満の子で2極化しているのです。
1時間未満の子どもを分析すると、ゲームやネットなどで全く運動しない子が80%近くに上ります。
これでは、運動器の機能が十分に育まれないおそれがあります。
一方で積極的に運動をする子どもにも、意外なことに運動器の機能不全や障害になるケースが少なくないのです。
実は先ほどの男の子は、1週間に10時間以上サッカーに打ち込んでいる運動量の多い子どもでした。
日々の練習で足の筋力や持久力が鍛えられ、運動能力も高いと見られます。
ところが足首や腰はサッカーで使っているものの、ふくらはぎや太ももなどの筋肉が過度についてしまい、柔軟性や運動機能のバランスが損なわれているのではと、考えています。
「そのときの自分たちの体の特徴にあった以上の負担をかけてしまう。
とにかく1か所しか使わないというのは、絶対によくないですね。
多様性といいますか、体全体をうまい具合に使えないという弊害が出てきているんです。」


国が方針転換へ 健康診断を見直し

文部科学省はこうした子どもたちの体の異変を重く見て、去年から抜本的な対策に乗り出しました。
運動器の機能不全や障害を早めに見つけ出し、適切な指導や治療につなげられるよう、学校の健康診断を見直そうというのです。
これまでほとんどの運動器は学校では検査されてきませんでしたが、4月から改正された法令で、新たに運動器の状態も注意するよう明示されました。
ちなみに長年続けられてきた座高測定やぎょう虫検査などは、時代に合わないとして廃止されます。
運動習慣、あるいは生活習慣の2極化、それに伴って子どもの体も2極化してしまった。
その2極化した状況というのは、運動の不足に伴って起こる機能障害もあれば、運動が多すぎて起きている機能障害、両面あると思うんですね。
子どもたちにとって、成長、発達には、運動は大切ですし、運動が必要であることは間違いないです。
でも少なければ運動の効果もないし、多すぎたり、与え方を誤ると、害、副作用があると思うんです。
この運動の必要性なんですけど、運動には2つのポイントがあって、運動の質と運動の量。
運動の質は、いわば多様性なんですね。
いろんなことをやるということですが、運動の量については、3つのポイントがあって、運動の時間、運動の強度、運動の頻度、何回やるかということですね。
1日、あるいは1週間に何回やるか。
その運動の不足に伴う機能障害でいえば、例えば私どもの経験でいえば、これは京都府のグループの報告なんですが、肩を上げてくださいと子どもたちに言ったら、このぐらいしか上がらない、あるいはもうこのぐらいで止まってしまうというような、例えていえば小学生の五十肩状態の、運動の機能障害がある。
私たちは子どもを軟骨人間と言っています。
子どもの骨は約350個ぐらいあって、大人になると206個ぐらいになるんですが、成長・発達の過程でしっかりした1つの大きな骨になっていくので、だんだん骨の数が減っていくんですけれども、例えば赤ちゃんは、頭が柔らかくって、べこべこ触ることができますけれども、そうした軟骨人間がだんだんしっかりした体になっていくのですが、例えば骨が急速に伸びる、女の子ですと12歳くらい、男の子ですと14歳くらいの成長期がありますね。
1年間で例えば15センチとか、1年間で20センチぐらい身長伸びる子がいますが、その時期っていうのは、何が伸びるかっていうと1番伸びるのは骨なんですね。
骨がどんどんどんどん伸びていく。
じゃあ筋肉やじん帯、骨に付いている筋肉やじん帯、けんはどうかというと骨ほど急速には伸びないですね。
そうすると当然骨に付いているので、その筋肉、じん帯、けんは突っ張った状態になってしまうので、成長が著しい時期はその時期には運動、特に筋伸ばし体操というストレッチングをしっかりやらないと、骨がぐんぐん伸びていて、ストレッチングは本当はどんどんやってもらわなきゃいけないんですが、足らないと骨を痛めたり、軟骨を痛めてしまって、出っ張ったり、機能障害を起こしてしまうという障害が生まれるんです。]


異変をどう見つけるか? 

4月から学校検診に運動器検診が加わります。
ぜひ、ご協力をお願いします。