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コスモス新聞

コスモス新聞 病院からのお知らせ、ちょっとしたエピソード、医療に関するお話、患者様よりお寄せ頂いたメッセージ、思い出の映画など情報満載です。

コスモス新聞第271号

スポーツ外傷について3

今年はオリンピックイヤーですので、皆さんも少しづつ運動をしましょう。今回は前号の続きです。

ウォーミングアップ

スポーツを行う前にはウォーミングアップ(準備運動)を行います。スポーツ競技の種類などにより多少異なりますが、一般的には軽度~中等度の運動を行います。安静の状態からいきなり高強度の運動を行うと、急激な血圧の上昇を招き不慮の事故へとつながる危険性があります。また、ウォーミングアップの目的の一つに体温の上昇があります。ウォーミングアップをおこない体温を上昇させることにより以下のメリットがあります。

○ 呼吸器・循環器系の活動が高まり、酸欠状態を起こし難い。
○ 筋の柔軟性が保たれ、肉離れなどの外傷が起こり難くなる。
○ 動作を円滑にすることができ、パフォーマンスを発揮しやすくなる

一般的には軽い運動から徐々にスポーツ競技レベルまで運動強度を高めていきます。一般的に行われている方法を紹介すると、まず、筋肉の柔軟性を高めるために、また、これから行うスポーツで使用する筋肉に対して刺激を与えるために、ストレッチを行います。もちろんこの時は、静的な状態で行います。その後、徐々に動的な運動であるラジオ体操的な柔軟体操へと移行していきます。この時注意することはストレッチングと柔軟体操を同一のものと考えないで、両者は全く別の運動であり目的としたものが違うと考えたほうが良いでしょう。その後、軽いランニングに移行していき、最終的には、ダッシュのような瞬発運動を行います。以上一般的なウォーミングアップの方法を挙げましたが、全体的な時間としては20~30分が目安として考えられているようです。もちろんスポーツの種類または、外気温により方法や時間などは変わりますが、ウォーミングアップの基本的な考え方は変わりません。

クーリングダウン

強度で行っていた運動を急に止めると、吐き気・めまい・立ちくらみなどの症状がでる場合があります。また、健康のために行った運動がかえって翌日にも疲労感が残り苦い思いをした人も多いはずです。このような症状を軽減することがクーリングダウンの目的の一つです。運動によって興奮状態にある身体の諸器官を鎮静化させ、身体(特に筋肉中)の疲労物質(二酸化炭素や乳酸)を体外に排出し、疲労回復を促進して心肺機能への負担を軽減させます。また、身体的緊張だけでなく心理的緊張を取り除き、運動後の心地良い状態へと導く作用があります
クーリングダウンの方法には、スポーツの種類または強度などによっていくつかの方法がありますが基本的には、徐々に運動の強度を少なくしていくことです。そこで一般的に行われるクーリングダウンの方法は、ウォーミングアップの順序を逆に行っていく方法です。

ストレッチング

ストレッチングという言葉は、引き伸ばす・伸びる・伸展する・伸縮性という意味をもち、健康づくりやスポーツの場面で多く活用されています。ケガの防止やコンディションづくりのためにも柔軟性に富んだ身体づくりを目指すことが大切と思われます。
筋力トレーニングやスポーツの前後に、準備運動や整理運動として行われているのが一般的です。
具体的には、自分の能力の範囲内で、無理なく、はずみをつけないように持続的にストレッチングする方法が効果的です。筋肉をストレッチしたままの姿勢を何秒間くらい保つべきか専門家によってまちまちで、統一した見解はありません。初心者であれば5秒程度から始め、運動に慣れるにつれて少しずつ時間を延長し、30秒程度くらいまで数回行うとよいでしょう。また、息を吐きながら静かに伸ばし、自分の限界に近いところまで持続的に伸ばすほうが、筋肉への負担やエネルギーの消費も少ないといわれています。

筋力トレーニング

筋力トレーニングというのは、筋力の増強を図ることの意味です。詳しくいうと、人が重力に逆らいながら、スポーツなどをより円滑に行うのに必要な力の源を筋肉の中に確保して、かつその力源を効率よく発揮できるよう運動能力を高めることです。筋力トレーニングには、スポーツ選手の基礎体力を高めることを目的とした積極的な筋力トレーニングと外傷のあとにおこる筋力低下に対して筋力増強を図るトレーニングがあります。これらは、瞬発的な強さの筋力を追求する筋力トレーニングと運動を長く繰り返しできるような筋持久力を高めるものとに分けられます。
痛みが強い場合や局所の安静を保つためには、関節を動かさないで行う「等尺性運動」(トレーニングの例としては、実際に膝は伸ばさないが伸ばそうと力を入れるトレーニングや腕を柱に押し付けるようなトレーニング)を行います。
物を持ち上げたり歩行をしたりする日々の生活動作の運動は「等張性運動」(トレーニングの例としては、バーベルを持ち上げるようなトレーニング)といいます。これは、関節の動きが伴うため関節運動の再学習が期待できます。
また、スポーツ領域では機器を利用した運動がよく行われています。トレーニング効果が特に期待される「等速性運動」を行うには特別の器械が必要です。

テーピング

テーピングとは、関節、筋肉、腱、靭帯を補強するためにテープを身体の一部に貼ることをいい、古くから臨床面で使われています。外傷・障害の予防、外傷の応急処置、治療(リハビリテーション)、再発予防に役立ちます。

○ 予防:スポーツにおいては、外傷、障害を受けやすい部位を補強することが第一であり、例えば足関節では内側にねじる内反捻挫が多く、外側が損傷を受けやすく、その部位を補強するためテーピングを行います。
○ 応急処置:外傷(肉離れ、捻挫)を受けた直後はその部位を固定するためテーピングを行います。
○ リハビリテーション:早期復帰に向けアスレチックリハビリテーションを行う上で関節、障害部位に過剰なストレスが加わらないようテーピングを行います。
○ 再発予防:一度損傷された事があり、不安感がある場合や関節の不安定性が残り再損傷が予測される場合にテーピングを行います。
個々の部位や障害に対するテーピングの方法については紙面の関係で省略しますが、ここでは特に注意しなければならないことを列挙します。
○ テーピングの目的や部位にあったテープを選ぶ
○ 目的にあった関節角度を設定する
○ 一定の張力で巻く
○ 予防のために行う場合、種目特性、個人の身体特性、スポーツ環境等に配慮する
○ 循環障害や神経圧迫に注意する(痛みに注意する)
○ テーピングを過信しない

コンディショニング

コンディショニングとは何?と聞かれ、わかり易く簡単にいうならばスポーツ選手が、「その競技において最高の能力を発揮するために、心身の状態を調整すること」です。
 プロ野球が開幕するまでに、選手たちがキャンプやオープン戦などを通して「身体づくり」をしていることはご存知の通りです。これこそがまさにコンディショニングなのです。
例えば、筋肉に関しては筋トレをして筋力を強くしなければなりませんし、一方ではストレッチングをして柔軟性も確保しなければなりません。関節を伸ばす筋肉と曲げる筋肉のバランスもとる必要があります。これらを段階的に行って、激しい運動に耐えられるように身体をつくっていきます。シーズン中も良い状態を維持していく必要があります。効率的にコンディショニングを行うためには、科学的トレーニングが重要であり、医学的なサポートに加えて、スポーツ栄養学、メンタルトレーニングの知識も必要でしょう。
もし、競技スポーツをするのなら、プロ選手のコンディショニングを見習わなければなりません。
レクリエーションとしてスポーツを楽しむのであれば、大がかりなコンディショニングは必ずしも必要ではないでしょう。活動的な生活を心がけ、定期的にスポーツ活動を行うようにすればよいでしょう。
しかし、スポーツ前のウオーミングアップやストレッチ、スポーツ後のクールダウンは最低限守らなければなりませんし、出来れば日頃から、筋力強化やストレッチなどの基本的なトレーニングを行うのがよいでしょう。最高のパフォーマンスを得るために、自己管理をしっかりし、生活スタイルを整えていくことが重要です。

整形外科医との連係を密にしよう

最近はスポーツ人口が増え、競技レベルも向上するにつれて、スポーツ外傷・障害の数も増加しています。
スポーツを生涯楽しむためにも、整形外科医をもっと活用していただきたいと思います。