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コスモス新聞

コスモス新聞 病院からのお知らせ、ちょっとしたエピソード、医療に関するお話、患者様よりお寄せ頂いたメッセージ、思い出の映画など情報満載です。

コスモス新聞第270号

スポーツ外傷について2

今年はオリンピックイヤーですので、皆さんも少しづつ運動をしましょう。
今回は前号の続きです。

オスグッド病

概ね10~14歳です。膝蓋骨の少し下方の盛り上がったところ(脛骨結節)に痛みと腫れを生じます。膝を伸ばす動作は、大腿の前面にある大腿四頭筋が収縮して、脛骨結節が引っ張られて起こります。しかし、この部分は成長期ではまだ軟骨の部分が多くて弱いため、繰り返し引っ張られることで骨や軟骨の一部が剥がれます。これが、オスグッド病です。初期なら短期間スポーツ活動を一部制限するだけで治りますが、進むと一定期間局所の安静が必要となります。さらに進むと装具療法や、時には手術が必要となります。放置すると疼痛が成長終了後にも残ることがあります。

その他の膝痛

膝蓋骨と大腿骨の間の障害(膝蓋大腿関節障害、ランナー膝などと呼ばれる)をはじめ、膝痛をきたす疾患は数多くあります。腸脛靭帯炎、膝蓋靭帯炎(ジャンパー膝)、鵞足炎などの慢性の炎症もよく見られるスポーツ障害です。半月板に傷がついていることもあります。さらには、次の項で述べる離断性骨軟骨炎などは重大な障害です。なかなか痛みがとれない時は、整形外科医にご相談下さい。

離断性骨軟骨炎(野球肘など)

関節の面に強い圧迫力と擦れの力が繰り返し加わると、一部の関節軟骨とその下層の骨が周囲の骨から分離されます。進むと関節内に遊離してしまいます。野球肘(外側の障害)がその代表です
初期であれば治療により癒合して全く元通りになりますが、進行期や終末期になると永続的な変形や機能障害を残し、関節の可動域制限や痛みのため野球への望みを絶たれるだけでなく、変形性関節症に進展して日常生活にも支障をきたすようになります。定期的な検診が望ましいが、それが出来ないならば、僅かの異常であっても早期に整形外科医を受診することが重要です。離断性骨軟骨炎は、肘関節のほか、膝関節や足関節など他の関節にも生じます。
     
その他の野球肘

野球肘と呼ばれるものの中には、外側の障害のほかに、内側、後側、前側の障害があります。最も多く見られる内側骨端部(筋起始部)の障害は、投球動作によって同部に繰り返し加わる牽引力によって、炎症、骨端の閉鎖遅延、離開(リトルリーグ肘)を生じるものです。また前述のオスグッド病と同様に、骨端の一部が剥がれる(裂離する)場合があります。裂離した骨片は早期であれば癒合するが、進行すると癒合は期待できなくなります(この場合、手術が必要となることもあります)。
肩や肘の痛みは、野球選手に多く見られるスポーツ障害です。野球の投球動作の繰り返しにより起こる障害ですが、フォームの異常で起きることもあり、単に投げ過ぎとは限りません。野球にかかわらず投球肩、投球肘の治療で大切なことは、フォームの点検です。コーチと整形外科医の協力が大切です。

スポーツでケガをしたら、どうすれば良いの?

応急処置の基本は"RICE"

受傷の直後は、局所を安静にして( Rest )、冷やし( Icing )、圧迫を加え( Compression ) 、高く挙げておく( Elevation ) 、ことが大切です。そうすることによって、二次的な損傷、内出血、腫れを最小限に抑えることができるのです。 この四つの項目は、その頭文字を並べて"RICE"と呼ばれますが、打撲や捻挫をはじめ全ての「外傷」を受けた直後の処置として基本的に大切なことです。是非覚えておいてください。この時期に温めたりマッサ-ジをしたりすることは絶対にいけません。
"RICE"の後は、整形外科を受診して専門的判断をしてもらいましょう。

「RICE」の方法と注意点

Rest(安静):固定するものとしては、そえ木、固いダンボールなどで結構です。上肢では顔を洗うような肢位、下肢では股関節、膝関節をやや屈曲した肢位で固定します。受傷部位を中心にその上下の関節を越したところまで固定するのが原則です。

Icing(冷却):外傷により組織の中が腫れてくるので、氷またはアイスパックによる冷却が必要です。はじめの48時間は持続的に冷やす必要があります。ただし、凍傷には十分注意してください。

Compression(圧迫):腫脹を抑えるため、伸縮包帯などを用いて圧迫しましょう。強すぎて、神経麻痺や循環障害を生じないように注意しましょう。

Elevation(高挙):静脈血の流れをよくし、腫脹を少なくするのが目的です。患部を心臓より高くするのが原則です。

アイシング

スポーツの現場では、アイシングは、スポーツ外傷に対する応急処置や投球の後などに用いられています。では、なぜ冷やしたらよいのでしょうか。
アイシングは、血管を収縮させ腫れを抑えるとともに、寒冷による麻痺作用から痛みを軽減させてくれます。また細胞の代謝を抑制し、細胞を一時冬眠状態のようにすることで損傷部の拡大を防いでくれるのです。
したがってアイシングは、痛みや腫れを抑え、また炎症の拡大を防止することで治癒を早めることになります。
捻挫や打撲など急性外傷の場合を例にとると、アイシングを一刻も早く実施することが基本ですが、遅くとも30分以内が効果的であると考えられています。方法はビニール袋に氷をいれ、ビニール袋の空気を抜き取り患部にフィットさせるようにします。アイスパックでもよいのですがアイスパックは0℃以下に冷やされていることがありますから凍傷を防ぐ目的で患部との間に薄いタオルなどを挟むことをお勧めします。次にどれくらいの時間冷やすのかということですが、アイシングを行うと感覚的に次第に⇒痛い⇒暖かい⇒ピリピリする⇒感覚がなくなるという過程をたどります。この感覚がなくなった時点で氷袋を患部からはずし、いったんアイシングを終了します。時間的には20分以内です。
その後約40分で感覚が回復し痛みが戻ってきますから、これを60分周期で繰り返して48時間程度続けて行います。凍傷を生じないように注意が必要です。睡眠中は凍傷を避けるために湿布などに変えておいたほうがよいでしょう。

擦過傷など皮膚をケガした場合の応急処置

切創、挫創、擦過傷など皮膚の損傷(創傷といいます)は、決して少なくないスポーツ外傷です。顔面、上下肢の露出部位に多いようです。他の外傷に比べ、症状も軽度でプレーに支障をきたさないことが多いため、治療が不十分な傾向にあります。しかし、化膿したり、瘢痕による「ひきつれ」が起こったりして、スポーツの継続に支障をきたす事があります。応急処置と初期治療が大切なのです。

次号に続きます。