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コスモス新聞

コスモス新聞 病院からのお知らせ、ちょっとしたエピソード、医療に関するお話、患者様よりお寄せ頂いたメッセージ、思い出の映画など情報満載です。

コスモス新聞第269号

スポーツ外傷について1

来年はうるう年です。ということはオリンピックの年なのです。
ですから、スポーツ外傷を取り上げてみました。スポーツ選手だけではなく、一般の方の運動にもいえることです。
スポーツ外傷(ケガ)とは、スポ-ツ中に他のプレーヤーとぶつかったり、転んだり、捻ったり、ボールが強く当たったりすることなど、原因がはっきりしている偶発的な事故のために身体がダメージを受けることです。
これに対して、スポーツ障害(故障)とは、身体が少しずつダメージを受けていく状態です。疲労から過労になり、さらに病気(病的疲労)になった状態です。
症状は、ほとんど痛みです。
スポーツ活動の後だけに痛みがある場合(1度)は、初期です。
放置しているとスポーツ活動中にも痛みがでるようになり(2度)、
さらに悪化すると日常生活でも痛くなります(3度)。

起こりやすスポーツ外傷には、どんなものがあるの?

 □ 捻挫
 □ 打撲(挫傷)
 □ 骨折
 □ 脱臼
 □ 靱帯損傷
 □ 筋・腱損傷(肉ばなれ、腱断裂など)
 □ 創傷(擦過創、挫創、切創など

代表的なスポーツ外傷の中から一部を紹介します。

突き指(つき指)

突き指は、多くのスポーツに見られる外傷です。軽く捻挫しただけで放っておいてよいものもある一方、骨折や軟骨の損傷あるいは腱の断裂、さらには脱臼や脱臼骨折を伴う「突き指」もあります。靭帯が切れて関節が不安定となり固定や手術が必要となる場合もあります。
早期に、整形外科医を受診することが大切です。勝手な素人判断で、引っ張ったり、捻ったり、押し込んだりしてはいけません。
残念ながら、治療の時期が遅れたり、適切でない治療が行われたために、スポーツへの復帰が遅れたり、重大な後遺障害を残したりする例が少なくありません。適切な治療の重要性についてはいうまでもないことですが、そのためには正しい診断が行われなくてはなりません。
正しい診断のためにX線検査が必要なことがあります。場合によっては、MRI検査や、関節鏡検査、その他種々の精密検査が必要になります。整形外科医は、これらの検査を必要に応じて行って、正しい診断を行います。
 
突き指は、引っ張って治せは間違いです

指先に物(ボールなど)が急激に当たって起こる外傷のことを"突き指"と総称していうことが多いようです。単なる打撲や捻挫のこともあれば、骨折や脱臼あるいは腱や靭帯が切れていることもあります。確かに整形外科医は診断をつけた後で骨折や脱臼を整復するために指を引っ張ることがあります。しかし、X線撮影も行わずに正確な診断を行わないまま、一般の方が整復操作を行うことは、さらに新たな損傷を加えることになり、極めて危険なことなのです。
例えば、外傷によって一番先端の関節が腫れて指が伸びないことがあります。この場合、必ずX線撮影が必要です。指をのばす腱が断裂している場合と、先端の骨が折れている場合があるからです。手術を必要とする場合もあります。
たかが「突き指」だと勝手に判断しないで、整形外科医の診断を受けてください。そして、診断がつく前に無理に引っ張ることは危険ということを是非覚えておいてください。

足関節の捻挫と靭帯断裂

足関節の捻挫はスポーツ外傷の中で最も起こりやすいものの一つです。軽いものでもスポーツ復帰にはかなりの時間がかかります。程度が重症かどうかは、X線撮影やストレスX線撮影や、時にはMRIや関節造影をしなければよくわかりません。
検査の結果、靭帯が断裂していることも少なくありません。靭帯断裂が見逃されると、その後に捻挫を繰り返したり、スポーツをすると痛くなったり、数年後に関節の変形を来したりします。「捻挫が癖になっている」というのは間違いで「靭帯が切れたままになっているために関節が不安定になっている」のです。
「たかが足首の捻挫」と考えず、正確な診断と治療を受けることが重要です。
    

膝関節の靭帯損傷・半月板損傷

膝も外傷を受けることが多いのですが、単なる捻挫の他に靭帯や半月板が損傷されることが少なくありません。素人判断は危険です。例えば、前十字靭帯損傷は痛みが少ないので放置されやすいのですが、切れたままにしていると半月板や関節軟骨に取り返しのつかない損傷を続発します。膝の関節に血液が貯っている場合、3人に2人は前十字靭帯が切れていると言われています。

よく見られるスポーツ障害には、には、次のようなものがあります。


よく起こるスポーツの名前を冠した障害名(通称名)

 ジャンパー膝、ランナー膝、野球肩、水泳肩、野球肘、テニス肘、 サッカー足、など

・障害を生じた組織の名称による障害名(医学的傷病名)
 腱(鞘)炎、靭帯炎、関節炎、疲労骨折、離断性骨軟骨炎、骨端炎、 骨端症、筋(膜)炎、など

・人名を冠した障害名(医学的傷病名)
 オスグッド病、など

次に、代表的なスポーツ障害の中から一部を紹介します。

シンスプリント

すね(下腿)の内側に痛みを生じます。過労性骨膜炎とも呼ばれます。痛みを我慢できれば、完全に休む必要はありません。しかし、走る量を減らしたり、スポーツサーフェイス(走る路面の硬さや靴など)を見直したり、ウォーミングアップを入念に行いストレッチングを励行するなど、コンディショニングに配慮することが大切です。次項の疲労骨折が下腿に起こった場合には、起こる場所が近いため区別し難いことがあります。疲労骨折は、一般的には原因と考えられる動作を制限しなければ治りませんので、必ず診察を受けてスポーツ活動に対するアドバイスを受けてください。

疲労骨折


骨の同一部位に力が繰り返し加わることによって生じる骨折を疲労骨折と言います。これは、金属を繰り返し折り曲げすると、ついには折れてしまう現象とよく似ています。
脛骨をはじめ、中足骨、腓骨など下肢に起こる疲労骨折が9割以上を占めています。原因となるスポーツとしては、ランニングが約7割を占めて際だって多く、そのほか、走ることが主体の競技、跳躍動作が多く含まれる競技に多いようです。
治療は、原因と考えられるトレーニングを休止して局所の安静を図るだけでよいのです。しかし、跳躍型脛骨疲労骨折など一部の疲労骨折では、手術が必要になることがありますので注意が必要です。下肢の疲労骨折では、ランニングは原則として禁止します

腰痛

腰痛は多くのスポーツ種目において見られます。単なる捻挫や打撲のこともありますが、腰椎分離症・すべり症、腰椎椎間板ヘルニアあるいは椎体終板障害など重要な障害を生じていることがあります。
腰椎分離症は、小学生、中学生に好発します。屈伸や捻り動作の繰り返しによって、脊椎の骨の一部分に疲労骨折を生じたものです。同時に椎体のすべり(上方の骨が前方にずれる)を生じたものを腰椎すべり症といいます。他の疲労骨折と違って骨癒合が起こり難いので、早期に治療を開始することが大切です。
椎体終板障害も、成長期において脊椎の伸長に重要な役割を果す終板(椎体と椎間板の境界部分)が傷つく障害です。種々の脊椎変形、疼痛、時に神経障害の合併を生じます。その発生頻度は練習時間が長いほど高く、椎体成長が未熟なほど障害を被る傾向があります。
腰痛を訴えるものの中には、このような重大な障害を生じていることが少なくないので注意が必要です。

次号に続きます。