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コスモス新聞

コスモス新聞 病院からのお知らせ、ちょっとしたエピソード、医療に関するお話、患者様よりお寄せ頂いたメッセージ、思い出の映画など情報満載です。

コスモス新聞第265号

ロコモティブシンドローム4


「ロコモ」とは?

今回はおさらいです。
運動器の障害のために移動機能の低下をきたした状態を「ロコモティブシンドローム(略称:ロコモ、和名:運動器症候群)」といいます。進行すると介護が必要になるリスクが高くなります。
ロコモは筋肉、骨、関節、軟骨、椎間板といった運動器のいずれか、あるいは複数に障害が起こり、「立つ」「歩く」といった機能が低下している状態をいいます。進行すると日常生活にも支障が生じてきます。2007年、日本整形外科学会は人類が経験したことのない超高齢社会・日本の未来を見据え、このロコモという概念を提唱しました。いつまでも自分の足で歩き続けていくために、運動器を長持ちさせ、ロコモを予防し、健康寿命を延ばしていくことが今、必要なのです。

運動器とは?

人間の身体は機能ごとに分業をしています。酸素を取り入れ二酸化炭素を排出する"呼吸器"(気管や肺)、酸素や栄養や老廃物などを運ぶ血液を流す"循環器"(心臓や血管)、食物を消化・吸収する"消化器"(胃や腸)などは良くご存知でしょう。
同じように人が自分の身体を自由に動かすことができるのは、骨、関節、筋肉や神経で構成される"運動器"の働きによるものです。骨、関節、筋肉はそれぞれが連携して働いており、どれかひとつが悪くても身体はうまく動きません。

健康寿命って?

「健康寿命」という言葉をご存知ですか?
健康寿命とは、健康上の問題がない状態で日常生活を送れる期間のことです。平均寿命と健康寿命の間には、男性で約9年、女性で約13年の差があります。誰もが最後まで、健康でいきいきとした生活を送りたいと思っています。健康寿命を延ばしましょう!
自立度の低下や寝たきり、つまり要支援・要介護状態は健康寿命の最大の敵です。そしてその要因の第1位は「運動器の障害」だということをご存知ですか?
要介護や寝たきりは、本人だけでなく家族など周囲の人にとっても問題になります。自分のみならず、あなたの大切な家族や友人などのためにも運動器の健康を維持ましょう。

若いうちから運動習慣をつけよう

骨や筋肉の量のピークは20~30代だということをご存知でしたか?骨や筋肉は適度な運動で刺激を与え、適切な栄養を摂ることで、強く丈夫に維持されます。弱った骨や筋肉では、40代・50代で身体の衰えを感じやすくなり、60代以降、思うように動けない身体になってしまう可能性があります。筋肉、骨と同様に軟骨や椎間板にも運動や生活活動によって適正な負荷がかかることが必要です。ただし、過度なスポーツや過体重によって「負担をかけられすぎる」と、軟骨や椎間板は逆に傷んでしまうことになります。また、やせすぎると筋肉や骨は弱くなってしまいます。肥満もやせすぎもよくありません。あなたにも心あたりはありませんか?

食生活でロコモ対策

しっかり動いたら、しっかり栄養を。
ロコモ対策になる食生活とはどんなもの?
メタボもやせすぎも要注意!
正しい食生活で運動器の健康を守りましょう。

中高年の男性の2人に1人、女性の5人に1人がメタボリックシンドローム(メタボ)、またはその予備軍といわれています。メタボは動脈硬化を進行させ、心臓病など命にかかわる病気を招く危険性がありますが、怖いのはそれだけではありません。肥満になると、体重が増えた分、腰や膝に負担がかかり、ロコモの原因になるのです。
一方、ダイエットや食欲不振などによって栄養が不足すると、骨や筋肉の量が減ってしまいます。とくに若い女性の極端なやせ志向や高齢者の低栄養状態には要注意。ロコモに陥らないためには、メタボややせすぎにならないよう食事に気をつけることが重要です。

「5大栄養素」を1日3回の食事から


では、どういう食事がロコモ対策になるのでしょうか。
私たちが健康に生きていくために欠かせない栄養素は、炭水化物、脂質、たんぱく質、ビタミン、ミネラルのいわゆる「5大栄養素」。これらは運動器の機能を保つのに欠かせません。「5大栄養素」を毎日3回の食事から摂ることが大切です。
料理は大きく分けると「主食」(炭水化物を多く含むご飯やパン、麺類など)、「主菜」(メインとなるおかず:たんぱく質を多く含む肉、魚、卵、大豆製品など)、「副菜」(付け合わせのおかず:ビタミン、ミネラルを多く含む野菜、海藻など)の3つになります。1日3回の食事にこの主食、主菜、副菜を揃え、牛乳・乳製品や果物なども組み合わせると、5つの栄養素をバランスよく摂ることができます。
栄養バランスは、1週間の中でととのえても大丈夫。
無理なくそろえるのが続けるコツです。
バランスよくといっても、忙しい朝は無理という方は、たとえばパンに牛乳や果物をプラスしてみたり、おにぎりに味噌汁をプラスしてみるだけでも、栄養バランスがよくなります。
主食、主菜、副菜を1食の中で揃えることがむずかしい場合は、1日の食事の中でトータルに、それもむずかしい場合は、1週間の中で無理のない程度にそろえてみましょう。栄養はきちんと食事から摂ることが大切です。
献立に変化をつけたり、大勢で食卓を囲んだり...
楽しく食べる工夫をしましょう!
どの世代でも、不規則な生活を続けると身体に本来備わっているリズムが崩れて、健康障害を引き起こすリスクが高まります。そういう場合は、まず生活のスタイルを見直すことが大切です。近年は高齢者の栄養不足も問題になっています。高齢になると食が細くなる傾向がありますので、3回の食事以外に午前と午後のおやつを加えて不足した栄養を摂るのもいいでしょう。
きちんと栄養を摂るためには、食べたくなるような工夫が必要です。和食・洋食・中華など献立に変化をつけたり、色の濃い野菜などを取り入れて、食卓を彩り豊かにするといいでしょう。また、家族や親しい人たちといっしょに食卓を囲んだり、外食やアウトドアでの食事も効果的です。盛り付けや器など見た目にも工夫をして、楽しく食事をしましょう。