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コスモス新聞

コスモス新聞 病院からのお知らせ、ちょっとしたエピソード、医療に関するお話、患者様よりお寄せ頂いたメッセージ、思い出の映画など情報満載です。

コスモス新聞第263号

ロコモティブシンドローム2

ロコトレ(ロコモトレーニング)には、家の中でもできるスクワットや片足立ちが推奨されています。
男女共に太ももの筋肉がしっかりしている人が一番長生きすると言われています。
細くなればなるほどなるリスクは高まります。
太もものふとさを決めるのは筋肉です。
ということは、筋肉がほどよくしっかりついた人は、血管系等が強いということになり、太ももが細い人は、リスクが高まるということです。

太ももの筋肉が減ることによるリスクは、血管系の疾患だけではありません。
たとえば、筋肉が細くなって弱ると、膝や腰に痛みが出てきて十分に動くことができず、運動不足でメタボになる可能性が高まりますし、さらには転倒などによる骨折のリスクも高まります。

太ももにある骨、大腿骨の付け根に近い部分の骨折は、高齢者によくみられます。
大腿骨頸部骨折を発症すると、寿命そのものが短くなるというデータもあります。
80歳の人の1年後の死亡率は6%です。
これが、大腿骨頸部骨折すると、死亡率は20%になり、5人に一人が1年以内に亡くなってしまうということです。

ただ太ければいいとも言えないのです。
ボディービルダーは長生きですか?
何事も過ぎたるは及ばざるがごとしと言うように、やりすぎはいけません。
ボディービルダーは筋肉がある割りに、長生きするのが難しいと言われています。
それは、長年の激しい運動習慣による心臓、血管系へのダメージがあるからです。
筋肉は脂肪に比べて比重が重いので、巨大な筋肉をつけることで、常に身体に重りをつけて生活していることになり、普通に生活をしているだけで、心臓や血管は普通の人の何倍も働かなければなりません。

さらに、激しい運動によって身体がさびてくる酸化が、一般人よりも進行していることもあります。
スポーツマンというと、健康の代名詞のように思われますが、やりすぎは身体へのダメージを蓄積させるものなのです。

90歳を超えても元気で健康長寿を謳歌している人には、いくつかの共通点があります。

・一人暮らし
・近所に子供がいるが、一緒には住まない
・料理は自分でする
・週に数回、肉を食べる
・早寝早起き
・30分以上の散歩が日課
・社交的で買い物がすき
・友達が多い
・趣味がある
・やや痩せ型
・階段の上り下りができる

これらの条件を満たすために必要なものが筋肉です。

料理をする、買い物をする、掃除をするなど、毎日の家事をこなすにも、しっかりと筋肉がついていなければできませんし、逆に家事をすることそのものが筋トレにも繋がります。
他にも子供と遊ぶだけでも水中運動と同じぐらいの効果があることもわかっています。
筋肉が弱って家事ができなくなると、座りっぱなしの状態になり、ますます日常生活の中で運動する機会がなくなって、さらに筋肉が弱るという悪循環になります。
また、高齢者の場合、人と会ったり買い物をするといった、社会的な刺激を受けることが認知症の予防にも大きな意味を持ちます。
多くの健康長寿者は、遠くに友達がいて、お互いに尋ね合うことを頻繁にしています。
筋肉が弱ってくると、まず遠出ができなくなり、次に近所へのちょっとした散歩なども躊躇するようになって、家の中だけでの生活になります。これがさらに進むと、その先にあるのは寝たきりの状態です。
行動範囲の広さと筋肉の強さは比例するのです。

メタボリックシンドローム

40歳以上の男女のうち、男性の2人に1人、女性の5人に1人がメタボリックシンドロームに該当します。
今や国民病ともいえるメタボリックシンドロームですが、巷で聞かれる、「最近、太ってきたな~」という言葉は、単純に太ってきた、体重が増えてきたという意味で使われています。
定期的に体重を測って自分の体重や体調、生活をチェックすることは健康管理の一環として重要ですが、急激に体重を落とすことには実は落とし穴があります。
急激に体重を落とすということは、筋肉を落とすということになりかねないのです。
脂肪に比べて筋肉の方が比重が重いので、その重たい筋肉を落とせば、必然的に体重はどんどん減ります。
また、筋肉を落とす方が脂肪を落とすよりもずっと簡単です。
いかに少ないエネルギーで効率よく、なるべく動かずにのんべんだらりと暮らしていれば、自然に筋肉は落ちていってしまいます。
ですから、体重だけを落としたいのならば、十分な栄養を取らずに、一日中ゴロゴロと寝転がっていれば、すぐに目標体重を達成できるかもしれません。
しかし、これは健康といえるでしょうか?

ロコモティブシンドロームと、メタボリックシンドロームは似ている部分があります。
それは、あまり自覚症状がないまま、身体の中で時間をかけてじわじわと進行してしまうということ。
その結果、ある日突然、ささいな転倒などをきっかけに、車椅子や寝たきり生活になることも珍しくはないのです。
例えば、筋力が下がると、バランスをとることが難しくなり、身体に無理がかかるために膝や腰が痛くなります。
痛みがあるとどうしても運動量が減り、骨に与える刺激もどんどんよわくなるため、骨密度が下がって骨粗鬆症になります。
そうなると、また一段と動かなくなり、ますます筋力が下がっていきます。寝たきりへの道一直線の負のスパイラルといえます。
しかし、逆に、筋肉を鍛えることで負のスパイラルを良いスパイラルに変えていくこともできます。
筋肉がつくと身体をしっかりと支えることができるようになり、バランスもよくなります。
すると、膝や腰への負担が減り、痛みが軽くなります。
そうなればまた動けるようになるので、骨に刺激が加えられて骨粗鬆症の予防や改善にも繋がります。

それだけでなく、ロコモとメタボもまた、一緒にやってくるのです。
例えば、メタボの人は、重い体重を支えるために、変形性膝関節症の発症率がそうでない人に比べて2~3倍近くになります。
十分に動くことができなければダイエットもできませんし、運動ができないために身体の中の筋肉が減り、基礎代謝が落ちて、より太りやすい体質になってしまうのです。

認知症

メタボ、ロコモは健康長寿の大敵ですが、もう一つの大敵がいます。
それが認知症です。
ロコモ、メタボ、認知症の厄介者トリオは、お互いに深く関わっていて、切り離して考えることはできません。
いわゆるボケと言われるものの原因は、認知症とうつ病に分けられます。
例えば、長年連れ添った妻に先立たれた夫が、いつの間にか肉体的、精神的に引きこもるようになり、気が付いたら認知症になっていたというように、うつ状態が引き金になって認知症を引き起こす場合があります。
また、寝たきりになることで頭まで休んでしまい、幻覚や幻聴が起き、今いる場所がわからなくなる、季節や日付の概念が曖昧になるなど、認知症になることも多いのです。

高齢になってのうつを予防するためには、積極的に外に出るような趣味を持ったり、友人や社会との交流を楽しむことが大切です。
認知症の原因になる寝たきりを防ぐために、転ばない、骨粗鬆症にならない、膝や腰の痛みに負けない筋肉をつけることが大きなポイントです。
身体の若さを測る目安の一つとして、柔軟性があります。
身体が柔らかいというのは、若く動きやすい肉体を維持しているという意味です。
身体が硬いというのは、関節周辺の柔軟性をイメージする人が多いと思います。
人間は動きやショックを関節で吸収していますが、関節が硬くなると、これができなくなります。
例えば、関節の周囲筋が硬いと、日常生活の中で起き上がったり立ち上がったりといった普通の動作をしているだけで腰に負担がかかり、腰を痛める可能性が高くなります。関節が硬くなると、曲がらなくなるだけではなく、伸びなくなるということもあります。
なぜ歳を取ると膝が伸びなくなってしまうのでしょうか。
人間の身体には、最大限に筋力を発揮できるポジションがあります。
例えば、サッカーボールを蹴ろうとした時、膝をまっすぐにしたままでも、極端に曲げた状態でも、ボールに十分なパワーは伝わりません。
人間が一番効率よくパワーを出せるのは、関節を少し曲げた状態、つまり筋肉が少し収縮した状態です。

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