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コスモス新聞

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コスモス新聞第262号

ロコモティブシンドローム1

ロコモティブシンドロームとは、筋肉や関節、骨などの運動機能が衰え、歩行困難になり、いずれ寝たきりになるリスクの高い状態になることを言います。運動器症候群と呼ばれることも。
ロコモティブシンドロームは実は、日本全国で40歳以上の、4700万人が推定対象者の病気なのです。
約3人に1人が発症する可能性があるということです。
メタボリックシンドロームはもう聞き飽きたという人も多いでしょうが、ロコモティブシンドロームは日本整形外科学会が2007年に提唱した、比較的新しい症状です。
今後はロコモティブシンドローム、略してロコモにも注意することが重要です。
ちなみに、SL(蒸気機関車)は、正確には「Steam Locomotive」といいます。Locomotiveとは機関車という意味もあります。ロコモティブシンドロームのロコモティブとは「運動の」という意味で、運動器の障害による要介護の状態や、要介護リスクの高い状態を示しています。

いま世界に先駆けて日本で問題となっています。
超高齢化社会に突入する日本で、人々の暮らし全体を揺るがすのがロコモティブシンドロームなのです。
運動をすると膝や腰が痛む、階段を上り下りするのに苦労する、掃除機をかけたり、布団を上げ下ろししたりするのが辛くなった、スーパーで買い物をして荷物が増えただけで歩くのが辛い、など、日常生活の中で膝や腰を使った動作を行う時、異変を感じる人が増えています。
不安を感じて外出を控え、体を使わないうちにますます体が動かなくなって、病気を併発したり、骨折を起こしたりして、ついには寝たきりになってしまったという人もいます。
今回は、ロコモティブシンドロームとはどういうものか、ロコモに関係する重要な疾患や、トレーニング方法などについて3回にわたり説明します。
介護の介護度を考えるときに重要となるのが、日常生活動作(ADL)が一人でできるかどうkが重要となります。
1人で歩けないと日常生活のなかでトイレや入浴の動作が困難になってしまいます。要介護にならないためには、しっかり歩けることが大切なのです。
では、どのような運動器が働かないと歩けなくなるのでしょうか。
運動器は体を支える骨、これらのつなぎ目である関節や椎間板、骨組みを動かす筋肉や神経から構成されていて、これらが一つのネットワークとして働いています。どれが働かなくてもうまく歩くことができませんし、それぞれの不調はお互いに影響することも考えられます。
ロコモティブシンドロームの症状としては、まず関節軟骨の変性が起こると、関節の痛みが起こったり、関節の動きが悪くなったりします。そして関節が変形してくるといったことも起こります。
これが変形性関節症です。
こうなると、どうしてもその関節を十分使わないことになり、その関節の周りの筋肉の力が低下してくることになります。
筋力が低下すると、筋肉による関節を安定化させる作用、衝撃を和らげる作用が減ることになり、関節軟骨の変性が進むといった悪循環に陥ります。
椎間板の変性は、腰の痛みや、背骨の動きの制限や、背骨の変形の原因となります。
これが変形性脊椎症です。

ロコモティブシンドロームでは、このようにして椎間板や軟骨の変性、筋力や神経活動の低下、骨の骨粗鬆症に関係する兆候や症状が、単独あるいは複合してみられるのです。
したがって、ロコモティブシンドロームの主な症状は、

① 痛み
② 変形
③ 関節運動の制限
④ 筋力低下
⑤ バランスの低下

などがあげられます。
それがいずれも歩行困難に結びついてくるのです。

ロコモティブシンドロームチェックで1つの項目でも当てはまる人は、日常生活での身体への要求に、運動器が十分に応えられていない状態と考えられます。
高齢になると、命に直接かかわる疾患だけに注意していれば良いというものでもありません。
足腰が弱まることによる「寝たきり」状態や転倒も高齢化社会の日本では気をつけなければならないことです。
ただ、ロコモティブシンドロームチェックの該当項目数がたとえば2つよりも3つあるほうが、ロコモティブシンドロームがより重症という意味ではありません。
ロコモティブシンドロームには、予備軍の方から、軽症、中等症、重症の方まで、いろいろなレベルがあります。
ロコモティブシンドロームは日常生活のなかでどれぐらい歩けるのか、ということが問題になります。
したがって、その重症度は、「歩行がどのくらいできるか」という、機能障害の程度で判断することになります。
自分で歩くことが可能で日常生活への影響がない、あるいはあっても軽度であるというレベルは軽症ということになります。

一方、歩行に手助けが必要になれば重症ということです。
その中間が中等症で、歩行に杖などの補助具が必要である人です。
ちなみに、要支援者で一番多い病気は、関節疾患で二番目は転倒などによる骨折です。
要介護者になると、一番目は脳卒中で、二番目に多いのは、意外かもしれませんが、認知症です。
一度、ロコモティブシンドロームになってしまうと、長い介護が必要になり、自立した健康的な生活を送ることができなくなってしまいます。
ロコモティブシンドロームの診断基準には「ロコモーションチェック」というチェックリストがあり、これに答えることで自己チェックができるようになっています。
ロコモティブシンドロームをチェックする項目には、ただ立ったり歩いたりするだけでなく、日常生活で起こる、少し負担のかかる歩き方や動作が入っています。
スーパーなどで買い物をして荷物を持って帰るのが辛いだとか、布団の上げ下ろしがきついといった項目です。
これらの項目にチェックすることで、日常生活のなかで軽度のロコモティブシンドロームにも気付くことができるようになっています。

ロコモの原因はなんでしょうか?

なぜロコモティブシンドロームになってしまうのでしょうか。
加齢、運動不足、不摂生な生活などから、骨量、筋量、関節軟骨、椎間板、神経活動、というものが減少していきます。
骨量が減ると、骨粗鬆症になり、関節軟骨や椎間板が減少すると、膝関節痛や腰痛が発症します。
また筋肉量、血管量、神経活動が減ると、加齢性筋肉減少症や神経障害を引き起こします。
これらの障害により、歩行機能の低下や運動器不安定症などになります。その結果、歩けない、立ち上がれないということになり、要支援・要介護が必要になります。
つまり、全てがロコモティブシンドロームへと繋がっているのです。
このロコモティブシンドロームは、カルシウムが不足しているとなりやすいと言われており、関節疾患などに関しても、カルシウム不足が原因の可能性もあるとされています。
老化と共に骨が脆くなり、関節が動かなくなってしまってから運動不足になると同時に筋力や体力が衰えてロコモティブシンドロームになってしまう状態となる日本人が増えている傾向にありますが、この老化と共に骨が脆くなる状態を防ぐことができるものは何かというと、カルシウムなのです。カルシウムを効率よく摂取しながら生活をしていく事が大事です。
そうすると、老化と共に骨が弱る心配もなくなってくるので、質の良いカルシウムを体内に摂取し、骨の状態が悪くなる前にカルシウム不足になる事を防いでおくと、ロコモティブシンドロームにかかってしまう可能性も低くする事ができ、健康的に過ごす事ができるようになります。
ちなみにカルシウムを積極的により良く摂取していく方法としては、豊富に含まれている食物をとり、そして食生活を改善をしていくという事になります。
年齢やその人の状況などにもよりますが、個人の健康レベルによって摂取した方が良い量なども変化しますので、適量を持続的に摂取するのがよいのです。
足腰の生活習慣病であるロコモティブシンドロームを予防するには、骨や関節だけでなく、筋肉のケアも大切になります。
個人差はありますが、一般的に50歳を過ぎると、筋肉の量が減り、骨や関節の衰えが始まるといわれています。
ですが、筋肉は何歳になっても、適度なトレーニングによって鍛えることができます。

7つのロコモティブシンドロームチェック

1)片脚立ちで靴下がはけない
2)家の中でつまずいたり滑ったりする
3)階段を上るのに手すりが必要である
4)横断歩道を青信号で渡りきれない
5)15分くらい続けて歩けない
6)2kg程度の買い物をして持ち帰るのが困難である
7)家の中のやや重い仕事(掃除機の使用、布団の上げ下ろしなど)が困難である

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