香川県高松市での整形外科・内科・健康診断・予防接種は吉峰病院へ。

English

コスモス新聞

コスモス新聞 病院からのお知らせ、ちょっとしたエピソード、医療に関するお話、患者様よりお寄せ頂いたメッセージ、思い出の映画など情報満載です。

コスモス新聞第261号

骨粗鬆症あれこれ2

骨量のピークは18歳。それまでにしっかり骨貯金を!

一生のうち、体の成長がもっとも進む思春期は、骨も強く太くなっていく時期です。そして、18歳頃になると骨量が最大に達します(最大骨量)。40歳ぐらいからは誰でも骨量が減少していきますので、最大骨量をできるだけ増やしておくことがとても大切です。
骨の中に含まれるカルシウムなどの量を示す骨量も、ずっと一定ではありません。骨量は、骨をつくる働きが盛んな思春期頃に急速に増え、18歳頃になると最大に達します。その後は、破骨細胞と骨芽細胞がバランスよく働いて、40歳半ばぐらいまではほぼ一定に保たれますが、40代後半頃から骨量は徐々に低下していきます。特に女性は閉経を迎えると、女性ホルモンの分泌が低下するのに伴い、骨量が急激に減少し、リスクも高まります。
骨量は最大に達した後は減っていく傾向がありますので、最大骨量の地点をできるだけ高くしておくと、それだけ骨量を蓄えておくことができます。この「骨貯金」があると、多少骨量が低下しても若い頃の貯えにより骨の強度を保つことができますが、骨貯金がない状態では、骨量の減少に伴い早く骨が弱くなってしまいます。低い山は高い山に比べて下りるのが速いように、骨も最大時の骨量が低い人ほど、早く骨粗しょう症が生じやすくなるのです。
それだけに、若いときに最大骨量をできるだけ増やしておくことが、骨粗鬆症の予防には重要なのです。

若い女性に増えている「骨貯金のない人」

最近、若い女性で骨貯金のない人が増えていることが問題となっています。最大骨量が低く、同じ年代の人に比べて骨の貯金が少ない女性が増えているのです。このような人は、将来骨粗鬆症を発症するリスクが高く、予備群ともいえます。
その背景には、日頃の生活が深く関係しています。 まず、問題となるのがダイエットによる骨量不足です。骨は体重により負荷がかかると強くなりますが、過度なダイエットによる「やせ」は、十分な負荷がかかりません。また、食事の量が少なくなると、骨をつくるのに必要なカルシウムやビタミンDなどの栄養素が不足しがちで、過度なダイエットをしている人ほど、骨が弱い傾向にあります。
また、運動習慣がないことも大きな原因のひとつです。運動により骨に刺激を与えると、骨はその負荷に負けないように強くなろうとして、骨をつくる骨芽細胞の働きが活発になり、血液中のカルシウムが骨に沈着しやすくなります。特に骨量が急激に増加する思春期に運動をしていると、骨が鍛えられ、骨量増加の上乗せが見込まれます。
最近の美白ブームも、骨量に関しては問題があります。日焼けを嫌って極端に日光を避けていると、皮膚でビタミンDをつくることができません。ビタミンDは紫外線の刺激によって皮下脂肪からつくられます。ビタミンDは効率のいいカルシウム吸収を助けてくれる物質で、あまり日光に当たらない生活は、骨量減少を招きやすくします。
骨貯金を増やして強さを保つには、これらの習慣を見直し、改善する必要があります。最大骨量を迎える前に正すことが望ましいですが、ピーク時を過ぎたからといって遅いということはありません。骨を強くする生活を心がけることで、骨量減少のカーブが緩やかになり、骨粗鬆症の予防につながります。

運動と食事で最大骨量はさらに増やせる!

骨を強くする上で大切なのが運動です。運動は骨量増加に非常に効果的なのでぜひ習慣にしたいものです。運動をして筋肉がつくと、骨が太くなり骨の中の血流もよくなって骨の成長が促されます。特に思春期から20歳頃までに運動をしていると、最大骨量を上げることができます。
実際、大学生のときに運動をしていた人と、何も運動をしていなかった人の骨量の調査では、運動をしていた人の方が高い骨量を示しています。また、大学生時代の運動経験の有無に関わらず、中学生時代に運動をしていた人の骨量は高く、さらに中学生から高校生と続けて運動をしていた人では、もっとも高い骨量であることがわかっています。骨量は、生まれて間もない1歳から4歳の間と、12歳から17歳の間の2回の時期に急速に増加します。骨貯金を一気に増やせるチャンスともいえる中学生から高校生の時期の運動が、最大骨量を上げることに役立つのです。
運動は、骨に負荷が多くかかるものほど効果があります。テニスやバスケットボールなど、瞬発力を伴う運動が有効で、水の浮力がある水泳は、骨の負荷という点ではそれほど効率がいいとは言えません。ただし、運動の種類はあくまでも骨量増加の違いを示すものです。どんな運動であれ何もしない人に比べれば大きな差となって現れますし、特定の運動をしなくても日常生活で活発に動いているだけでも、骨を強くすることができます。
もうひとつ大切なのが、きちんと栄養を摂り適正な体重を保つことです。朝食抜きなどの食生活を正して、栄養バランスの整った食事を3食きちんと食べるようにしましょう。ダイエットを気にするのなら、まずインスタント食品やスナック菓子、清涼飲料水などを避けるのが基本。インスタント食品やスナック菓子などは、肥満につながりやすく、しかも保存剤としてリンが含まれていることが多いので、カルシウムの吸収が阻害されてしまいます。食事は、乳製品や魚介類、豆腐などの大豆製品、緑黄色野菜など、カルシウムやビタミンD、たんぱく質の多い食品をしっかり摂ることが大切。そうすれば、骨が強くなるばかりかヘルシーダイエットにも大いに役立ちます。

お母さんが骨粗鬆症の人は要注意

骨が弱くなるのには、遺伝的な要素も関係しています。例えば、ビタミンDを受け入れにくい体質の人は、カルシウムが十分に吸収されずに骨が弱くなりがちです。他にも女性ホルモンに関係した体質や、細胞の成長に関する体質など、遺伝的な要素により骨が弱くなりやすい人がいることがわかっています。このような体質は親から子へと受け継がれるため、母親が骨粗鬆症の人は子どもも骨粗鬆症になりやすいといえます。特に、近親者に大腿骨のつけ根を骨折した人がいる場合は、より一層骨の健康に気を配りたいものです。
ただし、体質だからといって必ずしも骨粗鬆症になるわけではありません。強い骨をつくる食事と運動の習慣で、遺伝の影響を消し去ることができます。また、そのような体質ではなくても、骨を弱くする食生活や活動習慣が、親から子どもへと受け継がれてしまうことがあります。生活環境は骨粗鬆症を招く大きな要因になります。強い骨は日常生活の中でつくられますので、骨量の低下を指摘されたら、家族全員で生活習慣を見直すようにしましょう。

骨粗鬆症と牛乳の関係性

骨粗鬆症予防に欠かせないミネラルであるカルシウムを多量に含む牛乳は、今や学校の給食には必須となっており、骨を丈夫する働きがあることや体に良いという概念が私たちの中にはインプットされてありますよね。
そして勿論、骨粗鬆症になった場合や予防に対し、医師も牛乳や乳製品の摂取を促します。
まさか牛乳が体に悪影響を与えているなんて考えもしませんよね。
牛乳の悪影響が囁かれている内容として、牛乳に含まれるカルシウムは他の食品に含まれているカルシウムよりも体内への吸収率が良いとされているのですが、この説はどうやら少し違うようなのです。
私たち人の体に流れる血液のカルシウム濃度は一定になるように調節されています。
しかし、牛乳を摂取すると血中カルシウム濃度は著しく高まります。
そこで体は高まったカルシウム濃度を正常に保とうとし、余分なカルシウムを腎臓から尿と一緒に体外へ排出する働きを見せます。
結果、骨のためにカルシウムを摂ろうと摂取した牛乳は、反対に体の外にカルシウムを排出し、体内のカルシウムを減少させてしまうというのです。
このため、牛乳を多量に摂取している海外の諸国では骨粗鬆症が多いとも言われています。
日本人の場合は牛乳を飲む習慣がなく、カルシウムとして摂取してきた小魚などには急激にカルシウムを高める効果がないため、骨粗鬆症が少なかったとされています。
また、牛乳の摂取は健康障害を引き起こすとも考えられています 牛乳貧血という病気があるのをご存知ですか?
牛乳の中に鉄分が欠乏しているために小児が貧血を起こすことがあります。
牛乳を摂取することでカルシウムを摂り込みますが、骨や歯をつくるマグネシウムが欠乏することで鉄などミネラルの吸収が障害される場合があります。
貧血は、集中力の低下やめまい等の症状を引き起こします。
他にも、牛乳や乳製品に含まれるガラクトースは分解することが出来ず、眼球内の水晶体に蓄積されることで白内障を起こすという話もあるようです。

これがカルシウム・パラドックス

カルシウム摂取が不足すると骨粗鬆症の原因となるだけでなく、血管等の軟部組織にカルシウムが逆に増え、動脈硬化、糖尿病、高血圧など様々な疾病が起こる現象がわかってきました。カルシウム摂取不足により血中カルシウム濃度が低下すると、副甲状腺ホルモンの働きにより骨からカルシウムが溶出し血液中に流出します。このカルシウムが血管へ沈着(動脈石灰化)し動脈硬化を引き起こすと考えられています。骨粗鬆症患者では動脈の石灰化による冠状動脈疾患・心臓病が多くみられることはよく知られています。