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コスモス新聞

コスモス新聞 病院からのお知らせ、ちょっとしたエピソード、医療に関するお話、患者様よりお寄せ頂いたメッセージ、思い出の映画など情報満載です。

コスモス新聞第26号

音楽と人間との出会い

私たちの生活は科学技術の進歩と共に快適で便利になりました。
しかし、その反面物質面を優先して発展してきたために心の問題をあまり重要視しなかったように思います。
私たちは物質の豊かな中に身を置き、あえて問題意識を持たずにいることが平穏な生活であると思い込んでいました。効率とか生産性を重要視し、社会全体が精密機械のように機能していました。
人間が機械の部品のように扱われ、教育もその社会構造のなかに組み込まれるようになってきました。
福祉、医療制度にも同様な事が起こってきました。
しかし、現在は少しずつ変わりつつあります。
では何が変わってきているのでしょうか。
それは社会の老人化です。そして老いていく自分自身の姿なのです。
平均寿命が伸び、老齢化が進むと、確実に介護、介助、看護しなければ生きていけない人々が増えているのです。
そのために福祉、医療の重要性が増してきています。
人は誰でも年をとれば死に直面していきます。
臓器移植、安楽死、終末医療などが度々紙面をにぎわせて、人々の関心をかっていますが、何より大切なことがなおざりにされています。
何の目的で、何のための医療なのかを考えることが大切な事なのではないでしょうか。人の心と心が結び合った信頼のもとに治療を進めることができるなら、現代医学では考えられない奇跡をみることもありうるのです。
心に働きかける作用が身体に大きく影響し、病いに対して抵抗力、免疫力を高める効果があることは、すでに実証されています。  
心に向かって働きかけることの重要さは、生きるために必要なエネルギーなのです。音楽や絵画などは人の心をなごませ、時には生きる希望さえ与えてくれます。
痴呆症が進んだ老人に音楽を聞かせ体を動かすようにすると、驚くほど良い結果がでることがあります。
それは直接心に働きかける作用があるからです。
時にはなごませ、時には怒り、時には泣かせるようにその情動を刺激し、忘れられた感覚をよみがえらせることによって、治療に大きな進歩をうながすことが出来ます。「心を揺さぶるような」という表現があります。
いい音楽が体中をかけめぐり爽快感が広がる心地よさがつたわってきます。
音楽によって心を開かせ外界との接触をうながす事は自閉症や重度の障害者にとっても良い結果がでています。

動脈硬化の食事療法

今回は少し専門的になり、むずかしくなりますが、これが今一番最先端の動脈硬化の食事療法です。
慶応大学病院の山田先生より教えていただきました。
「動脈硬化の予防には背の青い魚がいいんですか?」
「鯖、鯵、鰯などがいいですね。野菜にも動脈硬化を予防する作用がありますよ。」ある日の心筋梗塞患者との会話です。
食品の持つ抗血栓・抗動脈硬化作用に今、関心が寄せられています。
1991年、日本人の平均寿命は男女共に世界最長となりました。
そして死因の第一位は悪性腫瘍、第二位は心疾患、第三位は脳血管疾患です。
このうち、血栓性、動脈硬化疾患である虚血性心疾患と脳梗塞が死因の約14%を占めます。
今後食生活の西洋化が進むと共に、血栓性・動脈硬化疾患が増加すると予測されています。
では血栓性・動脈硬化疾患を予防する食品はあるのでしょうか。
それは魚脂と野菜です。魚脂と野菜の持つ抗血栓、抗動脈硬化作用の簡単な説明と食事療法の応用についてお話ししましょう。  
魚脂についてはDyerbergらの研究が端緒となりました。
グリーンランドエスキモーの心筋梗塞発生率が欧米白人に比較して低い事に着目し、両者の食事内容と血清脂質を比較して、グリーンランドエスキモーの血清総コレステロール、中性脂肪、低比重リポ蛋白、超低比重リポ蛋白が欧米白人のそれらより低値で、高比重リポ蛋白は高値である事に注目しました。グリーンランドエスキモーは魚やアザラシに豊富に含まれる多価不飽和脂肪酸のイコサペント酸(EPA)を多量に摂取するため、このEPAの持つ脂質低下作用、抗血栓・抗動脈硬化作用がグリーンランドエスキモーの心筋梗塞発生率を低くしていると予測しました。
EPAはアラキドン酸(AA)に比べ二重結合が一つ多く、血小板のAAから強力な血小板凝集作用と血管収縮作用のあるトロンボキサンA2(TXA2)が産生されます。血管壁のAAから血小板凝集抑制作用と血管拡張作用のあるプロスタグランジンI2(PGI2)が産生され、EPAから血小板でTXA3、血管壁でPGI3が産生されます。TXA3にはTXA2の生理活性はありません。PGI3にはPGI2と同様の血小板凝集抑制作用と血管拡張作用があります。EPAを多く摂取すれば、PGI3と生理活性のないTXA3の産生が増加され、血小板凝集抑制と血管拡張が起こり抗血栓・抗動脈硬化作用が生じます。血小板および血管内皮由来の増殖因子や単球の産生するロイコトリエンB4は動脈硬化を促進させます。
EPAはこれらの物質の産生も抑制します。
臨床研究ではEPAの投与により狭心症患者のニトログリセリン使用量が減少し、経皮的冠動脈拡張術後の再狭窄率が減少し、慢性動脈閉塞症の臨床症状が改善したとの報告があります。
心筋梗塞、脳梗塞、閉塞性動脈硬化症の予防、術後の深部静脈血栓や人工弁、人工血管の血栓予防にも有用であろう。
野菜についてはピーマン、ニンニク、タマネギ、パセリなどの香味野菜やホウレン草、トマトに含まれるピラジンやアリルメチルトリスルフィドに血小板凝集作用があります。
食品には三つの機能があります。
第一に蛋白質、糖質、脂肪など生体にとっての栄養としての機能。
第二に味、香り、色などの嗜好としての機能。
第三にコレステロール低下、血小板凝集抑制、抗癌作用などの生体調節機能です。
最近これらの食品機能のうち、第三の生体調節機能に着目して、魚脂や香味野菜を豊富に盛り込み血小板凝集抑制作用を強化した「抗血栓食メニュー」が考案されています。
今後は食品機能を重視した食事療法が行われていくことと思われます。

日本とアメリカの違い

1、アメリカの小学校では体育の時間がありません。
日本ではすべての学年に体育の時間があります。
2、子供達がスイミングスクールに通ったり、少年野球チームに入ったりすると日本では準備運動をしっかりしてから練習に入りますが、アメリカではあまりそういう事がなく、そのままプールに飛び込んだり、練習に入ります。
3、人を呼ぶときの手招きが、アメリカは手のひらを上に向け指を屈伸させます。
日本流に手のひらを下に向け指を屈伸させ「おいで、おいで」をする動作は、アメリカでは「あっちへ行け」という意味になります。
4、日本のプールは芋の子を洗うようで、誰もが水に入りたがります。
アメリカでは日光浴をするのが主なので、むしろプールサイドの方が混んでいます。
5、医師は病棟でも外来でも、必ずしも白衣を着て仕事をしていません。外来の日は男性の医師は必ずネクタイを着用し、女性の医師は通常の服装よりもおしゃれをし、アクセサリーも十分につけ診察します。もちろんハイヒールをはいています。それに比べて日本の女医さんはいかがでしょう。
6、小学校への送り迎えは両親かスクールバスが行う。友達の家に行く場合もどちらかの親が送り迎えをする。日本のように一人で小学生がバスに乗ったり、電車に乗ったりはしない。
7、自立心や独立心を早くから身につけるように、社会や学校が教える。そのためボランティアが多い。
8、日本は夜、お風呂に入りますが、アメリカでは朝、シャワーを浴びます。

このようにアメリカと日本では数多くの生活習慣の違いがあります。
欧米人の中にはいまだに黄金の国ジパングとして、東洋の神秘がまかり通っているようです。
これは単なる国の違いによる生活習慣の差によるものでしょうか。
世界には国の違い、職業の違いなどから生まれる様々なことが時として疑心暗鬼となり、お互いが無駄なエネルギーを消耗させる場合もあります。
でもこのような中でお互いの価値観の違いを確かめながら、相手を理解する関係に国と国、人と人、又、医師と患者の間が保たれるならば、よりよい社会の実現ができると思います。
習慣というものが、先進国だから正しいとか後進国だから遅れているのだと、短絡的に考えてしまうのでは、その先がありません。
その土地の風土にあった習慣があるということを受け入れる土壌を心の中で育んでいきたいものです。