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コスモス新聞

コスモス新聞 病院からのお知らせ、ちょっとしたエピソード、医療に関するお話、患者様よりお寄せ頂いたメッセージ、思い出の映画など情報満載です。

コスモス新聞第257号

映画あれこれ2 永遠なる若大将

私の青春映画と云えば、若大将シリーズにつきます。
若大将シリーズは東宝から怪獣、クレイジーキャッツに続く看板映画として屋台骨を支えた作品で、1961年~1971年までに大学編、社会人編を含めて全17作が作られました。
当初は3作で終わるのはずでしたが、人気に火が付き、シリーズ化となりました。4作目~7作品目までは絶頂期でしたね。話の展開について触れますと、加山雄三扮する京南大学の学生・田沼雄一が、何かのきっかけで星由里子扮するマドンナ役の澄子と出会い、恋に落ちます。すると大学の同窓・田中邦衛扮する青大将こと、石山新次郎が恋の邪魔をしたり、澄子が嫉妬したりして二人の関係にヒビが入りますが、やがて仲たがい・思い違いがとけてハッピーエンドとなります。
作品ごとに雄一役の所属運動部が変わり、水泳や拳闘、サッカー、マラソン、陸上にラリー、フェンシング、柔道、スキー、アメラグまで幅広い。
その点では、マドンナ役の社会人・澄子も作品ごとに職が違っています。
キャンディショップ店員であったり、スポーツ店や宝石店、化粧品店、ガソリンスタンド、バンドショップの店員、洋服店の針子、パンナムのスチュワーデスや地上勤務の職員等々。
田沼家は老舗のすき焼き屋・田能久で、コチラは浅草の今半本店がモデルらしい。その他の配役陣もそれぞれに味がありました。
田沼雄一の父役・久太郎には有島一郎、おばあちゃん役・りきには飯田蝶子でとてもチャーミング。妹役の照子には中真千子、大学のマネージャー役・江口敏には江原達治、赤マムシ役には、主に堺左千夫などがつとめました。
マドンナ役は大学編で初代を演じた・星由里子、2代目が酒井和歌子、3代目が坂口良子でした。澄子役の星由里子は嫉妬深いマドンナの性格が嫌いだったらしく、またファッションはオードリー・ヘップパーンを参考にしていたとか?。
シリーズ化されることになる「若大将シリーズ」の記念すべき第一作目が「大学の若大将」である。他の人気シリーズの映画と同様、この最初の作品には、その後のシリーズ全ての要素が含まれてることを感じさせてくれる名作映画です。
この作品と後の「銀座の若大将」「日本一の若大将」の3部作までが当初製作予定であったようで、なるほどこの3作品は出来の良さでは一級品、わたしの好きな3本です。ただし若大将映画を未だ観た事が無い人からもし「お勧めの1本は?」と聞かれたとしたら、6作目「エレキの若大将」か、7作目の「アルプスの若大将」あたりをお薦めするでしょう。それはなぜかというと、シリーズ物の特徴で後の作品程娯楽性が高くなり、陽性で気楽な映画作りの内容なので、はじめての人でも取っ付きやすく、なにより、誰もが知ってる加山雄三のヒット曲が出て来るのはだいたい4作目以降からなのです・・・。
若大将ファンの間でも「エレキの若大将」をシリーズ最高傑作だと押す人が多いと聞きます。しかし、わたしの個人的好みでは、丹誠込めて作られていた古き良き東宝映画の伝統的香りと、登場人物達の生活感がよく出ている初期の3部作にこそ強い愛着を感じるのです。

第1作目「大学の若大将」

製作・藤本真澄、脚本・笠原良三と田波靖男の3人が、若き加山雄三本人から聞いた話を元にイメージを固めたという。若大将こと田沼雄三のキャラクター、「大学の若大将」。それは加山雄三本人の個性を最大限に引き出すために企画された映画であったようです。
京南大学の若大将、田沼雄一が所属する運動部は水泳部。2作目以降レギュラー出演者の一人となるマネージャー役の江口も、この作品では多湖という名前です。水泳部のマネージャーだが実はカナヅチという役で、実際にも泳げないようで、映画中盤、若大将にからかわれてプールに落とされるおいしいシーンも、よく見ると代役がこなしています。
星由里子演じる中里澄子は、青大将の父親が重役を務める会社のキャンディガール。また、青大将の田中邦衛は、まだポスターに名前も無いほどの扱いでしたが、すでに澄ちゃんにいいように利用される憎めない敵役、青大将を好演しています。
まさにダイヤの原石のような魅力を放つ作品です。

第2作目「銀座の若大将」

前作と本作の間に、若大将(加山雄三)、青大将(田中邦衛)、江口(江原達怡)は、黒澤明の「椿三十郎」に揃って出演しています。(劇中、若大将の椿三十郎ギャグも見られますよ)。
今回は軽音楽部に所属する若大将だが、レストランの大乱闘での活躍に目をつけた拳闘部のマネージャー江口に勧誘され、拳闘部にも入部。さらに父親、久太郎に銀座のレストランに修行にだされ大忙し。そして、銀座の店から出張コックとして派遣された万座のホテルでは得意のスキーも披露。
修行先の住込み部屋の窓辺で、若大将が澄ちゃんにギターを爪弾き聴かせる「星空」は、古き良き青春映画のお手本のようなロマンチックなシーンです。

第3作目「日本一の若大将」

東宝映画創立三十周年の、まさに東宝黄金時代の1962年に公開された「日本一の若大将」。その15日後には、若大将と並ぶ、もう一人の伝説の男、平均(たいらひとし)が登場する「ニッポン無責任時代」。さらに、翌月には「キングコング対ゴジラ」が公開されています。
ちなみに、64年公開の「モスラ対ゴジラ」で、小泉博扮する三浦博士は、若大将が在籍する京南大学の教授という設定。また、64年公開の「日本一のホラ吹き男」の初等は、京南大学のライバル校、西北大学に在籍しています。

第4作目「ハワイの若大将」

前3本が好評だったため「おまけ」的に、シリーズ初の海外ロケーションの第4作目が追加で作られたのでは?と推察してしまうような感じの作品です。
ちなみに、この時のハワイロケはパンナムとのタイアップで、飛行機は全てパンナム。本作の他に「社長外遊記」「ホノルル・東京・香港」の2作品が同時にハワイロケにて製作されています。
この後、若大将作品は加山雄三が黒澤明監督作品「赤ひげ」の出演に専念する為、2年間お休みとなります。加山雄三は「椿三十郎」に続いての黒澤明作品への出演だが、「赤ひげ」は準主役。黒澤は加山雄三の自然体の演技を、かなり気に入っていたようで映画の完成度の高さと共に、加山雄三の俳優としてのキャリアを高める事ともなりました。
そして2年後、満を持してシリーズ新作「海の若大将」への復帰を果たします。この2年間の加山雄三の役者としての成長と、ドル箱シリーズとしての若大将作品の製作側の期待がピタリとはまり、若大将シリーズは真の黄金期へと突入する事となるのです。
次号へ続く

第87.88回 吉峰病院映画楽会
12月の映画といえば「忠臣蔵 櫻花の巻 菊花の巻」
12月3.10日(水曜日)
午後1時00分上映 3階食堂