香川県高松市での整形外科・内科・健康診断・予防接種は吉峰病院へ。

English

コスモス新聞

コスモス新聞 病院からのお知らせ、ちょっとしたエピソード、医療に関するお話、患者様よりお寄せ頂いたメッセージ、思い出の映画など情報満載です。

コスモス新聞第253号

起こりやすいケガと故障3
スポーツ障害を早く治すためには、どうすれば良いの?

まず原因を明らかにし、次に原因となっているものを取り除くことです。自分で原因が分からない場合には、ためらわず整形外科を受診しましょう。
スポーツ選手のケガや故障の大部分は、関節、筋肉、骨、靭帯、神経などの運動器です。この分野は整形外科の専門分野です。整形外科医は、ケガや故障の要因となっている可能性のある個人の身体的な問題、環境的な問題、トレーニング法の問題等々を総合的に理解したうえで、正しい診断をすすめていきます。
治療にあたっては、できるだけ苦痛の少ない、早期復帰が可能な治療が考慮されます。治療中のスポーツ活動に関しては、選手、医師、指導者間の充分なコミュニケーションにより決定すべきでしょう。
ケガから復帰に向けてのリハビリテーションについても、一般の患者さんとスポーツ選手には大きな違いがあります。メディカルリハビリテーションはケガや病気から主に社会的な復帰を目指して行う治療ですが、スポーツ選手にはさらに高度な回復を目指して行うアスレチックリハビリテーションを必要とします。

治療を受けている間に、やって良いこと、悪いこと

治療中のトレーニングについての原則は次の通りです。
負傷している箇所以外は、積極的にトレーニングしてください(ただし、負傷している箇所に悪影響を及ぼすものであってはなりません)。これは、心肺機能や健常部位の機能低下を防止するために大切なことです。
安静を要する期間はしっかり安静を守り、その期間が過ぎたら医師の指示のもとに段階的かつ積極的にトレーニングしてください。安静を要する期間は、個々の負傷ごとに異なるので、医師と十分相談することが重要です。

医業類似行為とは

整形外科を訪れる患者さんに「今までどこで治療を受けていましたか?」と質問しますと、はり(鍼)、きゅう(灸)、マッサージ、接骨院、整体等いわゆる医業類似行為者のもとで「施術」を受けていたという患者さんが多いようです。
そこで、医業類似行為について簡単に説明します。

1.法で認められた医業類似行為
 A.按摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師
   おもに腰痛・肩こり等の慢性疾患を扱います。
 B.柔道整復師(接骨師、ほねつぎは同意語です)
   打撲・捻挫・脱臼・骨折等の外傷を扱います。
   脱臼・骨折の場合は、応急処置の場合を除き、「医師の同意」が必要です。

2.法に基づかない医業類似行為
   カイロプラクティック、整体等いろいろな種類があり、独自の団体免許を出しているところもあります。

法で認められた按摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師、接骨院の「施術」を医療保険で受けることはできますが、医師の「治療」を受ける場合と異なり、次のような法律上の制約があります。
はり師、きゅう師の「施術」を医療保険で受ける場合には、「医師の同意」が必要です。
柔道整復師(接骨院)は医師ではありませんので、X線撮影を行ったり、お薬を処方したり、注射をしたり、手術をしたりすることはできません。
スポーツ外傷や障害を生じたら、先ずは整形外科医を受診するようにしましょう。

スポーツ外傷・障害を予防する上で大切なことって?

上手くなること、競技に強くなることは、ケガや故障にも強くなることです。ケガや故障を恐れてはいけませんが、それらの予防を日頃から心がけておかねばなりません。
スポ-ツ外傷や障害を予防する上で大切なことは次の通りです。

1.基礎トレ-ニングを十分行うこと。
2.その競技種目に熟練すること。
3.正しいフォ-ムやテクニックを身につけること。
4.トレーニングは科学的に行うこと。
5.ル-ルを守り、反則や粗暴な行為を慎むこと。
6.緊張して行うこと。
7.油断大敵です
8.自分の能力を知り、それに応じて行うこと。
9.自分の能力を過信しないこと。
10.自分のコンディションに気をつけること。
11.定期的にメディカルチェックを受けること。
12.規則正しい生活、十分な睡眠、バランスのとれた食事をとること。
13.スポ-ツを始める前には必ずウォーミングアップ、ストレッチング、を励行し、終了時には必ずクーリングダウンを行うこと。
14.無理な練習計画を立てないこと。
15.用具、設備、環境、天候などに配慮すること。

野球少年へのアドバイス

少年たちに、野球を楽しく永く続けてもらうために、日本臨床スポーツ医学会は、1994年に、「青少年の野球障害に対する提言」を発表していますので、ご紹介します。
野球肘の発生は、11・12歳がピークです。
したがって、野球指導者は特にこの年代の選手の肘の「痛み」と「動きの制限」に注意しなければなりません。
野球肩の発生は、15・16歳がピークです。
肩の痛みと投球フォームの変化に注意を払う必要があります。
野球肘・野球肩の発生頻度は、投手と捕手に高い。
したがって、各チームには投手と捕手は2名以上育成しておく必要があります。

練習日数と時間について

小学生では、週3日以内、1日2時間以内が望ましい。
中学生・高校生では、週1日以上の休養日が必要で、
個々の選手の体力と技術に応じた練習量と内容が望ましい。
投球数は、試合を含めて
小学生では、1日 50球以内、週200球以内、
中学生では、1日 70球以内、週350球以内、
高校生では、1日100球以内、週500球以内、が望ましい。
なお、1日2試合の登板は禁止すべきです。
小・中学生にはシーズンオフを設け、その間は野球以外のスポーツも楽しむ機会を与えるのが望ましい。
野球における肘・肩の障害は、将来重度の後遺症を引き起こす可能性があるので、その予防のためには、指導者との密な連携のもとで専門医による定期的検診が必要です。

ランナーへのアドバイス

ランニング障害を防止し、より安全なランニングを推奨するために、日本臨床スポーツ医学会は、「骨・関節のランニング障害に対しての提言」を発表しました(2002年)ので、ご紹介します。
ランニング障害(骨・関節・筋の障害)は走行距離が長くなるほど高率になります。
一般的に障害を予防するためには平均の一日走行距離を中学生では5~10km(月間200km)、高校生では15km(月間400km)、大学・実業団で30km(月間700km)に止めることが望ましい。なお中高年ランナーでは加齢による運動器の退行性変性が存在し腰痛・膝痛が出現しやすいので、メディカルチェックを受けるとともに月間走行距離を200km以内に止めることが望ましい。
道路は路肩に向かい傾いているので長距離によるランニング障害を予防するためには同じ側だけ走ることを避けましょう。
短距離の曲走路の走行も同様で、高速走行(7m/秒以上)の練習はなるべく暖やかな曲走路(外側のレーンなど)で行うことが望ましい。
足の機能を補えるシューズを選ぶ事も障害予防のポイントです。

疲労骨折に対して

下肢疲労骨折は男女とも高校生に多く、特に運動環境が変化する高校1年時に多発します。脛や足の痛みが続く場合は早期に整形外科を受診することが望ましい。

オスグッド病に対して

オスグッド病の発症は身長の伸びと関連があります。成長のピーク(男子11~12歳、女子10~11歳)の前後には発症の危険が高いので、患部の疼痛に留意し、大腿四頭筋の緊張をゆるめ、時によってはジャンプや切り返し動作を伴うスポーツ活動を制限する必要があります。

健康づくりとスポーツ

現代の子供は「普通の生活」をしていると、知らないうちに運動不足とエネルギー摂取過剰の状態に陥っているといわれています。そのため肥満などの生活習慣病予備軍の発生など健康に問題を起こしている子供が増えてきています。
「健全な精神は健全なる身体に宿る」といいます。
子供の適度なスポーツ活動は、子供達が「心身ともにたくましく・明るく・思いやりのある人間」に成長していく上で、大変重要な役割を果たしています。
高齢になっても、心身ともに自立した生活を送るためには、子供の頃からできるだけ身体を動かすことが大切です。
多くの子供達が仲間と共に楽しみながら、自分に適したスポーツを日常生活の中に取り入れてくれることを願っています。
自分の健康は自分で守り、高齢化社会を健やかに・明るく・楽しく・豊かに生き抜いていきたいものです。