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コスモス新聞

コスモス新聞 病院からのお知らせ、ちょっとしたエピソード、医療に関するお話、患者様よりお寄せ頂いたメッセージ、思い出の映画など情報満載です。

コスモス新聞第252号

起こりやすいケガと故障2

前回の続きです。
応急処置の基本は"RICE"

Rest(安静):固定するものとしては、そえ木、固いダンボールなどで結構です。上肢では顔を洗うような肢位、下肢では股関節、膝関節をやや屈曲した肢位で固定します。受傷部位を中心にその上下の関節を越したところまで固定するのが原則です

Icing(冷却):外傷により組織の中が腫れてくるので、氷またはアイスパックによる冷却が必要です。はじめの48時間は持続的に冷やす必要があります。ただし、凍傷には十分注意してください。

Compression(圧迫):腫脹を抑えるため、伸縮包帯などを用いて圧迫しましょう。強すぎて、神経麻痺や循環障害を生じないように注意しましょう。

Elevation(高挙):静脈血の流れをよくし、腫脹を少なくするのが目的です。患部を心臓より高くするのが原則です。

擦過傷など皮膚をケガした場合の応急処置

切創、挫創、擦過傷など皮膚の損傷(創傷といいます)は、決して少なくないスポーツ外傷です。顔面、上下肢の露出部位に多いようです。他の外傷に比べ、症状も軽度でプレーに支障をきたさないことが多いため、治療が不十分な傾向にあります。しかし、化膿したり、瘢痕による「ひきつれ」が起こったりして、スポーツの継続に支障をきたす事があります。応急処置と初期治療が大切なのです。創傷を負った場合の応急処置をまとめました。

□出血対策:頭部、顔面、手は血管が多く、小さな創でも多量に出血する事がありますが、ガーゼを数枚重ね、数分間圧迫してください。手足を挙げておく事も重要です。出血している部位より付け根に近い箇所をひもなどで縛る事が行われますが、30分~1時間を超えると、循環障害や神経麻痺を生じる危険性があるので、原則として行うべきではありません。

□汚染対策:グラウンドでは創に土砂などの異物が混入することがあります。この場合、水道水などの流水を用いて創部とその周囲を数分間洗浄し、土砂を洗い流してください。

□その後、医療機関を受診しましょう。医療機関では創を十分にきれいにしてから、創の閉鎖(縫合、時には植皮)が行われます

膝関節の靭帯断裂・半月板損傷

膝も外傷を受けることが多いのですが、単なる捻挫の他に靭帯や半月板が損傷されることが少なくありません。素人判断は危険です。例えば、前十字靭帯損傷は痛みが少ないので放置されやすいのですが、切れたままにしていると半月板や関節軟骨に取り返しのつかない損傷を続発します。膝の関節に血液が貯っている場合、3人に2人は前十字靭帯が切れていると言われています。
よく見られるスポーツ障害には、には、次のようなものがあります。

よく起こるスポーツの名前を冠した障害名(通称名)
 ジャンパー膝、ランナー膝、野球肩、水泳肩、野球肘、テニス肘、
 サッカー足、など

・障害を生じた組織の名称による障害名(医学的傷病名)
 腱(鞘)炎、靭帯炎、関節炎、疲労骨折、離断性骨軟骨炎、骨端炎、
 骨端症、筋(膜)炎、など

・人名を冠した障害名(医学的傷病名)
 オスグッド病、など

シンスプリント

すね(下腿)の内側に痛みを生じます。過労性骨膜炎とも呼ばれます。痛みを我慢できれば、完全に休む必要はありません。しかし、走る量を減らしたり、スポーツサーフェイス(走る路面の硬さや靴など)を見直したり、ウォーミングアップを入念に行いストレッチングを励行するなど、コンディショニングに配慮することが大切です。次項の疲労骨折が下腿に起こった場合には、起こる場所が近いため区別し難いことがあります。疲労骨折は、一般的には原因と考えられる動作を制限しなければ治りませんので、必ず診察を受けてスポーツ活動に対するアドバイスを受けてください。

疲労骨折

骨の同一部位に力が繰り返し加わることによって生じる骨折を疲労骨折と言います。これは、金属を繰り返し折り曲げすると、ついには折れてしまう現象とよく似ています。
 脛骨をはじめ、中足骨、腓骨など下肢に起こる疲労骨折が9割以上を占めています。原因となるスポーツとしては、ランニングが約7割を占めて際だって多く、そのほか、走ることが主体の競技、跳躍動作が多く含まれる競技に多いようです。
治療は、原因と考えられるトレーニングを休止して局所の安静を図るだけでよいのです。しかし、跳躍型脛骨疲労骨折など一部の疲労骨折では、手術が必要になることがありますので注意が必要です。下肢の疲労骨折では、ランニングは原則として禁止します。

腰痛

腰痛は多くのスポーツ種目において見られます。単なる捻挫や打撲のこともありますが、腰椎分離症・すべり症、腰椎椎間板ヘルニアあるいは椎体終板障害など重要な障害を生じていることがあります。
腰椎分離症は、小学生、中学生に好発します。屈伸や捻り動作の繰り返しによって、脊椎の骨の一部分に疲労骨折を生じたものです。同時に椎体のすべり(上方の骨が前方にずれる)を生じたものを腰椎すべり症といいます。他の疲労骨折と違って骨癒合が起こり難いので、早期に治療を開始することが大切です。
椎体終板障害も、成長期において脊椎の伸長に重要な役割を果す終板(椎体と椎間板の境界部分)が傷つく障害です。種々の脊椎変形、疼痛、時に神経障害の合併を生じます。その発生頻度は練習時間が長いほど高く、椎体成長が未熟なほど障害を被る傾向があります。
腰痛を訴えるものの中には、このような重大な障害を生じていることが少なくないので注意が必要です。

オスグッド病

発症は概ね10~14歳です。膝蓋骨の少し下方の盛り上がったところ(脛骨結節)に痛みと腫れを生じます。膝を伸ばす動作は、大腿の前面にある大腿四頭筋が収縮して、脛骨結節が引っ張られて起こります。しかし、この部分は成長期ではまだ軟骨の部分が多くて弱いため、繰り返し引っ張られることで骨や軟骨の一部が剥がれます。これが、オスグッド病です。初期なら短期間スポーツ活動を一部制限するだけで治りますが、進むと一定期間局所の安静が必要となります。さらに進むと装具療法や、時には手術が必要となります。放置すると疼痛が成長終了後にも残ることがあります。

その他の膝痛

膝蓋骨と大腿骨の間の障害(膝蓋大腿関節障害、ランナー膝などと呼ばれる)をはじめ、膝痛をきたす疾患は数多くあります。腸脛靭帯炎、膝蓋靭帯炎(ジャンパー膝)、鵞足炎などの慢性の炎症もよく見られるスポーツ障害です。半月板に傷がついていることもあります。さらには、次の項で述べる離断性骨軟骨炎などは重大な障害です。なかなか痛みがとれない時は、整形外科医にご相談下さい。

離断性骨軟骨炎(野球肘など)

関節の面に強い圧迫力と擦れの力が繰り返し加わると、一部の関節軟骨とその下層の骨が周囲の骨から分離されます。進むと関節内に遊離してしまいます。野球肘(外側の障害)がその代表です。
初期であれば治療により癒合して全く元通りになりますが、進行期や終末期になると永続的な変形や機能障害を残し、関節の可動域制限や痛みのため野球への望みを絶たれるだけでなく、変形性関節症に進展して日常生活にも支障をきたすようになります。定期的な検診が望ましいが、それが出来ないならば、僅かの異常であっても早期に整形外科医を受診することが重要です。離断性骨軟骨炎は、肘関節のほか、膝関節や足関節など他の関節にも生じます。

その他の野球肘

野球肘と呼ばれるものの中には、外側の障害のほかに、内側、後側、前側の障害があります。最も多く見られる内側骨端部(筋起始部)の障害は、投球動作によって同部に繰り返し加わる牽引力によって、炎症、骨端の閉鎖遅延、離開(リトルリーグ肘)を生じるものです。また前述のオスグッド病と同様に、骨端の一部が剥がれる場合があります。裂離した骨片は早期であれば癒合するが、進行すると癒合は期待できなくなります(この場合、手術が必要となることもあります)。
肩や肘の痛みは、野球選手に多く見られるスポーツ障害です。野球の投球動作の繰り返しにより起こる障害ですが、フォームの異常で起きることもあり、単に投げ過ぎとは限りません。
野球にかかわらず投球肩、投球肘の治療で大切なことは、フォームの点検です。コーチと整形外科医の協力が大切です。

「スポーツ障害」に気づいた時、どうすれば悪化させずにすむのでしょうか?

スポーツ障害の主な原因を参考にして、原因を考えましょう。
自分で原因が分からない場合は、整形外科医を受診しましょう。原因を明らかにするためには、X線撮影やMRI検査、超音波検査などが必要になることもあります。
次にするべきことは、原因となっているものを取り除くことです。身体の使い方に問題があれば、使い方をなおしていかなければなりません。身体の手入れの方法が悪ければ、これを治しましょう。用具が悪ければ、修正するなどして自分に合ったものにしましょう。練習のプランに問題があれば練習量の調節をしましょう。
痛いからといって、すぐ休むのはよくありません。正確な診断と評価、そして適切な治療により、早期復帰ばかりでなく、練習を続けながら治していくことが出来るのです。