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コスモス新聞

コスモス新聞 病院からのお知らせ、ちょっとしたエピソード、医療に関するお話、患者様よりお寄せ頂いたメッセージ、思い出の映画など情報満載です。

コスモス新聞第251号

起こりやすいケガと故障
整形外科とスポーツ医学

今月はサッカーワールドカップが始まります。
我が日本代表の成績はどうでしょうか?
がんばってほしいものです。応援しましょうね。
ニッポン、チャチャチャ。ニッポン、チャチャチャ。

スポーツを目的で分けると、健全な心と身体づくりの学校スポーツ、勝つことが目的の競技スポーツ、健康づくりやレクリエーションとしてのスポーツ、あるいは疾病治療やリハビリテーションとしてのスポーツと多様ですが、いずれの場合であってもスポーツの目的を達成するためには、安全に行うこと、あるいは一歩進んでより効率的に行うこと(例えば競技スポーツにおいては競技力を高めること)が求められます。
そのためには、トレーニング方法やコンディションづくりなどを研究し、その結果を環境の整備、用具の改良、時にはルールの改正に生かすことが必要です。
一方、個々のスポーツをする人に対しては、メディカルチェックを行って予防策を講じる必要があるほか、治療においても特に競技スポーツにおいては最終到達目標、復帰までの期間の短縮、再発予防などレベルの高い治療が要求されます。
整形外科は、スポーツ外傷・障害の予防・治療にとどまらず、それぞれのスポーツの目的が達成できるように、医・科学的な研究とサポートを行う専門科なのです。
スポーツが好きで、スポーツをする方々の気持ちを理解し、そのサポートをすることに喜びを持って、スポーツ外傷・障害の治療、予防、競技力向上などに医学的な面から取り組んでいる医師です。
整形外科が運動器官の外傷を含む諸疾患を主要な診療対象としているところから、スポーツ障害の予防や診療を担当しています。

スポーツ外傷・スポーツ障害って何?

スポーツ外傷(ケガ)とは、スポ-ツ中に他のプレーヤーとぶつかったり、転んだり、捻ったり、ボールが強く当たったりすることなど、原因がはっきりしている偶発的な事故のために身体がダメージを受けることです。
これに対して、スポーツ障害(故障)とは、身体が少しずつダメージを受けていく状態です。疲労から過労になり、さらに病気(病的疲労)になった状態です。
症状は、ほとんど痛みです。
スポーツ活動の後だけに痛みがある場合(1度)は、初期です。
放置しているとスポーツ活動中にも痛みがでるようになり(2度)、
さらに悪化すると日常生活でも痛くなります(3度)。

スポーツ障害の主な原因

用具  靴などの用具が悪いとき。
環境  コートや路面などの環境が悪いとき。
コンディショニング  身体の手入れが悪いとき。
テクニック  身体の使い方が悪いとき。
アライメント異常  もともとの骨の並び方が悪いとき。
練習内容  練習量が多いときや、練習内容が悪いとき。

膝関節・腰部・肩関節・肘関節・下腿部などは外傷・障害ともに多く、手部や足部には外傷が多いことが分かります。
起こりやすスポーツ外傷には、どんなものがあるの?

□ 捻挫
□ 打撲(挫傷)
□ 骨折
□ 脱臼
□ 靱帯損傷
□ 筋・腱損傷(肉ばなれ、腱断裂など)
□ 創傷(擦過創、挫創、切創など)

突き指(つき指)

「突き指」は、多くのスポーツに見られる外傷です。軽く捻挫しただけで放っておいてよいものもある一方、骨折や軟骨の損傷あるいは腱の断裂、さらには脱臼や脱臼骨折を伴う「突き指」もあります。靭帯が切れて関節が不安定となり固定や手術が必要となる場合もあります。
早期に、整形外科医を受診することが大切です。勝手な素人判断で、引っ張ったり、捻ったり、押し込んだりしてはいけません。
残念ながら、治療の時期が遅れたり、適切でない治療が行われたために、スポーツへの復帰が遅れたり、重大な後遺障害を残したりする例が少なくありません。適切な治療の重要性についてはいうまでもないことですが、そのためには正しい診断が行われなくてはなりません。
 正しい診断のためにX線検査が必要なことがあります。場合によっては、MRI検査や、内視鏡検査(関節鏡など)、その他種々の精密検査が必要になります。整形外科医は、これらの検査を必要に応じて行って、正しい 診断を行います。
外見から判断することは危険です。
正しい診断のためにX線検査が必要なことがあります。場合によっては、MRI検査や、内視鏡検査(関節鏡など)、その他種々の精密検査が必要になります。整形外科医は、これらの検査を必要に応じて行って、正しい診断を行います。

【誤った知識】突き指は、引っ張って治せ

指先に物(ボールなど)が急激に当たって起こる外傷のことを"突き指"と総称していうことが多いようです。単なる打撲や捻挫のこともあれば、骨折や脱臼あるいは腱や靭帯が切れていることもあります。確かに整形外科医は診断をつけた後で骨折や脱臼を整復するために指を引っ張ることがあります。しかし、X線撮影も行わずに正確な診断を行わないまま、一般の方が整復操作を行うことは、さらに新たな損傷を加えることになり、極めて危険なことなのです。
例えば、外傷によって一番先端の関節が腫れて指が伸びないことがあります。この場合、必ずX線撮影が必要です。指をのばす腱が断裂している場合と、先端の骨が折れている場合があるからです。手術を必要とする場合もあります。
このように、たかが「突き指」だと勝手に判断しないで、整形外科医の診断を受けてください。そして、診断がつく前に無理に引っ張ることは危険ということを是非覚えておいてください。

足関節の捻挫と靭帯断裂

足関節の捻挫はスポーツ外傷の中で最も起こりやすいものの一つです。軽いものでもスポーツ復帰にはかなりの時間がかかります。程度が重症かどうかは、X線撮影やストレスX線撮影や、時には関節造影をしなければよくわかりません。
検査の結果、靭帯が断裂していることも少なくありません。靭帯断裂が見逃されると、その後に捻挫を繰り返したり、スポーツをすると痛くなったり、数年後に関節の変形を来したりします。「捻挫が癖になっている」というのは間違いで「靭帯が切れたままになっているために関節が不安定になっている」のです。
「たかが足首の捻挫」と考えず、正確な診断と治療を受けることが重要です。

【誤った知識】捻挫くらいは、たいしたことではない

足関節捻挫の後に、何度も捻挫を繰り返して癖になったと悩む選手をよく見かけます。しかし、「捻挫が癖になっている」というのは間違いで、「靭帯が切れたままになっている。悩む選手をよく見かけます。しかし、「捻挫が癖になっている」というのは間違いで、「靭帯が切れたままになっているために関節がグラグラと不安定になっているから捻りやすい」のです。
捻挫を、1度・2度・3度と3段階に分類することがあります。

1度(軽症)は、狭義の「捻挫」です。靱帯のごく一部の線維が切れた場合で、疼痛は軽く、関節の異常な動揺性はありません。

2度(中等症)は、「靭帯の不全断裂」です。靱帯のかなりの部分が切れ、疼痛、腫脹、内出血なども強く、関節に動揺性を生じます。

3度(重症)は、「靭帯の完全断裂」です。腫脹、疼痛、関節動揺性が強く見られます。

足関節捻挫の後に、何度も捻挫を繰り返して癖になったと悩む選手をよく見かけます。しかし、「捻挫が癖になっている」というのは間違いで、「靭帯が切れたままになっているために関節がグラグラと不安定になっているから捻りやすい」のです。
損傷の程度によって、その後の治療法が異なりますので、正しく診断することが大切です。通常のX線撮影の他にストレスX線撮影が必要です。
治療の一般的な原則は次の通りです。
1度の軽症でもRICE法を行います。その後、テーピングなどの簡単な固定材料を使用して、2週間以内で復帰は可能です。
2度の場合は、ギプス固定が必要でしょう。
3度となると、損傷部位によっては、確実な安定性を確保するために靱帯縫合手術や靱帯再建手術が考慮されます。

応急処置の基本は"RICE"

受傷の直後は、局所を安静にして(Rest)、冷やし(Icing)、圧迫を加え(Compression)、高く挙げておく(Elevation)、ことが大切です。そうすることによって、二次的な損傷、内出血、腫れを最小限に抑えることができるのです。この四つの項目は、その頭文字を並べて"RICE"と呼ばれますが、打撲や捻挫をはじめ全ての「外傷」を受けた直後の処置として基本的に大切なことです。是非覚えておいてください。この時期に温めたりマッサ-ジをしたりすることは絶対にいけません。