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コスモス新聞

コスモス新聞 病院からのお知らせ、ちょっとしたエピソード、医療に関するお話、患者様よりお寄せ頂いたメッセージ、思い出の映画など情報満載です。

コスモス新聞第237号

変形性膝関節症ってどんな病気?
変形性膝関節症になりやすい人
変形性膝関節症の頻度

変形性膝関節症は年齢とともに増加します。一般の人を対象にした疫学調査では、60歳以上で女性の約40%、男性の約20%がレントゲン上、変形性膝関節症と診断されます。さらに、この割合は80歳代では女性で60%以上、男性でも50%近くに達します。そして、レントゲン上で変形性膝関節症の所見がある人のうち約20%に膝の痛みや腫れなどの自覚症状が見られます。また、どの年代でも女性の割合が男性に比べて1.5~2倍多くなっています。
変形性膝関節症の発症・悪化要因について多くの研究が行われています。これまでのところ女性、肥満、O脚については変形性膝関節症との関係があると言われています。特に日本人ではもともとO脚の傾向があり、膝の内側により負担がかかりやすくなるため、日本人の変形性膝関節症はその90%ちかくが膝の内側により強い変形が見られます。

変形性膝関節症にはどんな症状が見られるの?

膝を動かしたときに痛みが起こる(動作時痛)
日常生活で膝を動かしているときに痛みを感じます。とくに立ち上がりや歩行時、階段昇降時など膝に体重がかかるときに多く見られます。
膝の曲げ伸ばしがつらくなる(可動域制限)
膝の曲げ伸ばしの制限が生じます。日常生活では膝をピンと伸ばして立つことや正座、しゃがみといった動作がしづらくなります。
膝に水が溜まる (関節水腫)
膝関節の軟骨がすり減り、関節炎や変形を生じて、痛みなどが起こる病気です。

正常の膝関節では関節の表面は軟骨で覆われています。弾力性に富んだ組織からなる軟骨は、衝撃を和らげたり、関節の動きを滑らかにしたりしています。 また、滑膜から分泌される関節液は軟骨の成分の1つであるヒアルロン酸を含んだ粘りのある液体で、膝関節がスムースに動く潤滑油と軟骨の栄養の役割を果たしています。

初期の変形性膝関節症では、軽度の関節軟骨の磨耗が生じますが自覚的な症状はほとんどありません。
軟骨の磨耗がある程度すすむと(中期)、膝の曲げ伸ばしや立ち上がり、歩行時の膝にかかる負担の増加および軟骨、半月板の変性による刺激により関節炎が生じます。

関節炎では、膝を曲げ伸ばししたときの痛み(動作時痛)や曲げ伸ばしの制限(可動域制限:かどういきせいげん)が生じます。また、関節液が多量に分泌されて関節に「みず」がたまること(関節水腫:かんせつすいしゅ)もありますが、関節内のヒアルロン酸は逆に減少します。
進行期の変形性膝関節症では、軟骨の磨耗がさらに進み関節の土台の骨(軟骨下骨:なんこつかこつ)が露出したり骨棘(こつきょく)といった骨そのものの変形が生じたりします。
この状態では、膝を動かしたり立って歩いたりするたびに硬い骨同士が直接ぶつかり合うため強い痛みを生じ、曲げ伸ばしの制限も高度となり日常生活において大きな障害となります。

保存療法:リハビリテーション

変形性膝関節症の治療方法には、大きく分けて保存療法と手術療法の2つがあります。保存療法にはリハビリテーション、装具療法、物理療法、薬物療法があり、これらを組み合わせて行われます。手術療法は、保存療法で効果が得られない場合に選択されますが、この数は決して多くはありません。変形性膝関節症は、加齢による関節の変化が主因なので、関節の機能を維持しようとする患者さん自身の気持ちとがんばりがとても大切です。
変形性膝関節症に対するリハビリテーションの目的はひざの曲げ伸ばしの回復(可動域訓練)とひざを支える筋力の回復(筋力訓練)です。関節の2大機能である可動性と支持性を回復させるリハビリテーションは変形性膝関節症の治療のみならず予防法としても大変重要であり、多くの人に積極的に行っていただきたい内容です。
可動域訓練は、変形性膝関節症によって関節の動きが悪くなったり、動く範囲が狭くなったりした場合に、その動きの改善や動きの範囲を広くするために行われます。
ひざの曲げ伸ばしの訓練は、まずひざを温めてから行うと痛みも少なく関節や筋肉も柔軟になっているのでより効果的です。蒸しタオルを10分程度ひざに当てたり、入浴時に浴槽のなかで訓練したりするのが良いでしょう。
変形性膝関節症では、太ももやひざの周りの筋肉を鍛えてひざ関節を支える力を強くすることが大切です。仰向けに寝た状態や椅子にすわった状態で片方の脚を伸ばし(寝た状態では30~45度位に挙上)、そのまま10秒ほど支える方法はひざ関節を支える筋肉として1番重要な大腿四頭筋の力を鍛える簡単な方法としてお勧めです。また、水中歩行などプールでの運動は浮力のためにひざへの負担が少なく筋力をつけるのに大変有利です。

膝はどんな働きをしているの?

私たちの下肢には、股関節、膝関節、足関節の3つの大きな関節があり、それぞれ下肢を動かす機能と体重を支える機能の2つの大切な機能を果たしています。
その中でもひざ関節は下肢の関節の中心的な役割を担っています。ひざ関節の可動性は広く、たとえばひざの曲げ伸ばしでは、歩行で約60度、しゃがむ動作で約100度、正座では約140度と言うように、広い範囲の屈伸運動を担っています。
可動性とともに関節の重要な機能である支持性に関してもひざ関節には大きな負担がかかっています。平地歩行時には体重の約1.5~2倍、階段昇降時では約2~3倍、走ったりする時には5倍以上もの力がかかる場合もあります。

予防はどうするの?

適度な運動(歩くことより膝への負担が少ない水中運動や自転車こぎなどもお勧め)で膝周辺の筋肉を鍛えること。立ったり座ったり、しゃがんだりの多い和風の生活様式は足腰を丈夫にする。
食生活に気をつけて肥満や骨粗鬆症を防ぐ。
膝周辺には筋肉が少ないため冷えやすいのでよく温めること。手のひらで温めるだけでも十分。また外から温めるばかりでなく、自ら温まるよう運動などで血行をよくする。
体重や血圧などと同じように骨や関節にも関心を持って、常に自分のからだの状態を把握しておくこと。

余談
「ヒアルロン酸注射」ヒアルロン酸を膝関節内に直接注射をすることにより「関節軟骨の表面を保護して炎症を抑える」「膝関節の動きを滑らかにする」「関節軟骨に栄養を与える」といった効果があり、痛みの軽減が期待できます。ヒアルロン酸注射は痛みの強さに関わらず使用できますが、初期の軽い痛みのうちに使うとより効果的です。

第62回映画楽会
題目
無法松の一生
4月24日(水曜日)
午後1時00分上映
3階食堂
冒頭、まだ若かった人力車夫・松五郎の無法ぶりを演じる時の三船の野獣のような荒々しい存在感は、『七人の侍』の菊千代を彷彿とさせます。
まず、大正初期のうつくしい日本の風景を再現した映像美と團伊玖磨の音楽の素晴らしさに惹きつけられます。脚本は伊丹十三の父で若くして病死した伊丹万作の手になるものですが、このストーリー展開の巧みさと稲垣監督のユーモアも交えた語り口からも目が離せなくなります。
主演の二人だけでなく、脇役陣にもうならされます。稲垣組は同じ東宝の黒澤組とメンバーが被っていたらしく、黒澤映画でもおなじみの名脇役たちが「これだけのために!?」という感じで次から次へと登場します、ある意味超豪華。
特に、笠智衆と飯田蝶子が、物語の最初と最後を見事に締めます。ラストシーンはほんとうに泣けます。荒くれ者の松五郎の秘めた恋と無私の献身、日本人ならではの人情の世界...と言いたくなるのですが、これが国境を超えた普遍的なヒューマニズムになった事は、ヴェネツィア映画祭で金獅子賞を取ったことで明らかです。