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コスモス新聞

コスモス新聞 病院からのお知らせ、ちょっとしたエピソード、医療に関するお話、患者様よりお寄せ頂いたメッセージ、思い出の映画など情報満載です。

コスモス新聞第236号

フットケアについて3 234号からの続きです。

踵と第1中足骨で支える縦アーチ、踵と第5中足骨で支える外アーチ、第1中足骨、第5中足骨で支える前足部アーチにて体重をささえているのです。
第3趾の付け根は本来、大きな荷重が加わらない構造になっています。そこにたこや硬結があるということは、その部分に強い荷重が加わっていることを意味します。つまり、前足部アーチが壊れていると言えます。

では、なぜ前足部アーチが壊れてしまうのでしょうか? 

その理由は、
①成長の過程から前足部アーチが構成されなかった
②前足部アーチが支えきれないくらいの荷重が繰り返し加わり、それを放っておいた結果壊れてしまった
の2つが考えられます。

前足部アーチが支えきれないくらいの荷重が加わることが多いのは"踵の高い靴を履く"が挙げられます。
当然ですが、踵が高い靴を履くと、立位中や歩行中の重心が前に置かれ、ちょうど前足部アーチの中点(足第3趾の付け根)に荷重が加わります。その荷重に打ち勝てるくらいの筋力や骨格を持っていればよいのですが、特に女性や足が細長い人は荷重に負けてしまいます。これを繰り返すことで、前足部や踵に痛みが生じ、前足部アーチが壊れていくことになります。
考えてみれば当たり前の結果なのです。長机の真ん中に重いものを置いたり、座ったり、飛び跳ねたりすれば机自体がしなってきます。机のアーチ構造を保てないくらいの荷重を長期間定期的に加えれば、何も置かなくてもしなったままとなり、それを補修しなければ当然壊れてしまいます。足のアーチ構造も同じです。踵の高い靴や圧分散ができないような硬い靴を日常的に長い時間履いて歩くことは、長机で飛び跳ねるのと同じような衝撃を加えることを意味します。
「ハイヒールを履くな!」とは言いません。そのリスクを考え、必要ない状況のときには履き替え、履いた後に適切なケアをすれば、リスクは最小限に抑えられます。靴文化が進んでいる欧米ではこのような考え方が一般的なようです。

外反拇趾や内反小指の予防のためのケアについて考えましょう。

簡単にいうと

①前足部と中足部に加えられた荷重を緩和する
②繰り返し加えられる荷重に負けないアーチ構造を維持できる筋力をつけることです

①の対応として、足裏や足の甲のマッサージ、特に土踏まずや前足部アーチ周辺、足の甲の5本ある中足骨の骨と骨の間のマッサージが効果的です。足趾を起こすなどの足裏とアキレス腱の柔軟運動がよいでしょう。
②の対応として、簡単にできる運動の代表が足趾じゃんけんです。足趾でじゃんけんのグーを作った状態を観察してみると、足裏のアーチが高くなっているのがわかります。
つまりグーを作る筋肉は足裏のアーチを高めるよう機能します。したがってこの筋機能が柔軟性と強さをしっかり保てば、繰り返し加えられる荷重に対抗してくれます。このようなケアはお風呂で実施すると効果的ですし、ちょっとした休憩時間にも行えます。
グーだけではなく、足指でチョキやパーを作り、広げる方向の筋力も同時に鍛えるとよいと思います。
足の3つのアーチは、人間が2足歩行を始めたことで発達しました。つまり、体重を支えるクッションの役割と、地面のでこぼこの衝撃を吸収し、安定した歩行ができるように機能しているわけです。このアーチが壊れてしまうということは、外反拇趾などの骨格の変化、足・膝・腰へ過度の衝撃が加わることによる痛みの発生、踵骨の変化などを引き起こし、さまざまな障害の原因となります。ちょっとしたことで予防ができることを知って、日々のフットケアを心がけましょう。

映画四方山話

当院の映画楽会も60回を迎えていますので、少し映画の話をさせていただきます。
唯一、国産で映画用フィルムの製造をしていた「富士フィルム」が昨年9月に映画用のフィルムの製造を中止する事を発表しました。
現在はデジタルシネカメラによる撮影が主流となり、制作でもCGとかVFXなどを使いデジタルで編集することが多くなってきたことも原因なのかも知れません。
国内の映画館は、ほぼ「シネコン」といわれる業態が主流となっており、デジタル配信された映像をセットして時間になったら流す。昔みたいに映写技師が何本ものフィルムを2台の映写機にセットして、フィルムの上映をする事は殆どなくなりました。
ずっとフィルムで映画を取り続けて来た山田洋次監督は「本当に残念」と落胆の様子を隠しきれません。
最近俳優を引退された、菅原文太さんも真っ先に引退理由としてあげたのが「デジタルの映画撮影システムの現場が俺には合わない」と言うことでした。
そもそも、フィルム撮影では現像処理が済むまで実際の映像は確認することできません。その現像されたフィルムは「ラッシュ」と呼ばれ、監督がOKしたシーンを編集担当がフィルムをつなぎ合わせて原版フィルムを作成するのです。この段階ではまだ音は入ってはいません。
その後に音声と同期させます。必要ならアフレコでの入れ直しもします。音楽は作曲家がそのラッシュを見ながら、カット事の時間を測りながら作曲し、その出来あがったフィルムをスクリーンに映し、演奏者が音入れをするという、それはそれは手間のかかる作業が必要になるのです。
全盛期の日本映画は各社(五社が主流。東宝、東映、松竹、日活、大映)が週2本封切りしていました。週替わりの興業ですので、人気スターは年間10本以上の映画に出演していました。私の大好きな小百合ちゃんも昭和36年は16本、昭和37年は11本、翌38年は12本。現在では考えられないスケジュールです。その後、映画は斜陽産業といわれテレビが主役になり、スクリーンのヒーローに拍手喝采を送る事もなくなりましたが、それでも映画はフィルム撮影され、それをそれぞれの職人が魂を込めて映画作りに命を吹き込んできました。
生前、山城新吾さんがこのようにおっしゃていました。「今、ドラマでNG場面を流してNG大賞なんて言ってるのは馬鹿げてるね。我々の若い頃、NGなんか出したら監督や進行主任から新吾、お前どれだけフィルム無駄にしたら気が済むんや!。また俺が始末書書かされるんぞ、と怒られたもんですけどね」と。
デジタルの場合は、撮影後、その場で映像と音が確認でき、監督と俳優が「ここはもっとこうして、ああして」とディスカッションをして、気に入らない場合は即座に取り直しできるので、時間以外は何も無駄にはならないのです。
しかし、フィルムの場合はNGとなればフィルムは廃棄処分となるため監督やスタッフは、決められた予算内で完成させる事に神経を尖らせました。またその雰囲気が良い映画作りの一因にもなっていたに違いありません。
山下耕作監督、高倉健主演の映画、昭和残侠伝シリーズでこんなエピソードが残っています。
最後のクライマックス、山下監督が溜息が出るような見事な演技をした高倉健に、「OK。健さん。今のは最高、最高。ホントに良かった」健さんもにっこり微笑んで満足していました。ところが、カメラマンが言ったのです。「監督! すいません。フィルム切れてました。」その言葉を聴いて、流石の健さんも、深く落胆したそうです。
それまでのシーンでフィルムを使い過ぎたらしく、私たちもその渾身の演技を観ることは永遠に失われました。
それほど当時の撮影現場は過酷で真剣で、活気があり、時には戦場にもなる所でした。
フィルム時代の大女優の最後とも言えるのが「夏目雅子」でしょう。
当初、主役に「大竹しのぶ」がキャスティングされていましたが、監督の意向とあわず中止となり、代わりの女優探しに奔走、やっと見つけたのが「文学座」の女優夏目雅子でした。既に女優として成功していた夏目雅子でしたが、体当たりのシーンが多いため、事務所側は清純なイメージの夏目の印象が悪くなると強固に反対しましたが、夏目の熱意に圧倒され、結果「なめたらあかんぜよ」の名セリフとともに映画「鬼龍院花子の生涯」は大ヒットとなりました。しかし、この映画の3年後、夏目雅子は急性骨髄性白血病で27歳という若さでこの世を去りました。
デジタル撮影の映画は食品で言えば、インスタント食品のようなものだと思います。誰でも機材さえあれば、大きなミスもなく、予算内に完成させることができます。
でも、フィルムにはフィルムにしか出せない味、独特の雰囲気があります。
画質はフィルム撮影の映画では色合いがやさしく、まるでモネの絵画を観てるようです。逆にデジタル撮影の映画はカラーインクで描かれたようにくっきり、はっきり観えます。綺麗過ぎて不自然ささえ感じるのは僕の古さ故でしょうか。
寅さんの映画もデジタルより、絶対フィルムで味わいたいものです。
ただし音質は絶対デジタル。モノラルでモソモソ言ってるのでは聞き取れません。
画面から伝わってくるスタッフの熱意、映画館の熱気の全てが懐かしく思い出されます。時代の流れで仕方ないのですが、このような映画作りが終わりを告げる事に邦画ファンとしてとても悲しく思っています。


第61回映画楽会はSwingGirlsスウィングガールズをお送りします。3月27日午後1時より3階食堂にて上映いたします。
楽しい映画ですので、大いに笑いましょう。