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コスモス新聞

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コスモス新聞第232号

骨粗鬆症の再勉強

日本人では60歳代の女性の3人に1人、70歳代の女性の2人に1人が骨粗鬆症と言われています。閉経後の女性ホルモンの分泌が少なくなった女性に多い病気です。全国に1100万人以上と言われている骨粗鬆症患者さんのうち8割近くが女性です。閉経後5-7年は2-5%の骨が失われて行くと言われます。この病気の怖い点は自覚症状に乏しいため発見しにくく、ある日突然軽く転んだ程度で骨折して初めて気づきます。寝たきりの最大の原因は大腿骨頸部骨折で、骨折後認知症につながることもあります。骨粗鬆症の死亡率は実は乳がん、肺がん、胃がんなどを合わせた死亡率より高くなっています。このことから、骨粗鬆症はサイレントキラー(沈黙の殺人者)と呼ばれています。

近年では、高脂血症や糖尿病などの生活習慣病と密接に関連していることが指摘されており、高齢社会の急速な進展に伴い、骨粗鬆症治療に対する関心がますます高まっています。

骨粗鬆症による代表的骨折には、以下のようなものがあります。
1)大腿骨頸部骨折 
2)脊椎圧迫骨折 
3)橈骨下端骨折(手関節部骨折)
4)上腕骨頸部骨折

骨粗鬆症を早期に発見し、早期に治療を開始することが将来の骨折や寝たきりを防止する大切な点です。

骨粗鬆症の診断はまず、骨密度指数と脊椎X線像の骨粗鬆症所見の2つで行います。骨粗鬆症が疑われれば、さらに骨吸収マーカーの検査が重要になります。尿または血液検査で骨吸収マーカーの検査を行い、骨吸収すなわち骨の破壊の程度をみます。骨のバランスは骨形成と骨吸収により調節されていますが骨形成能より骨吸収能が多くなると骨質は低下し、骨粗鬆症に進んでいきます。骨吸収マーカーはこの骨吸収の亢進の程度を正確に診断できる検査です。
大腿骨頸部骨折では手術しないと寝たきりになったり、歩行障害を来しやすいために、内側型骨折では人工骨頭置換術や金属固定材料で固定、外側型骨折では金属固定材料で固定する必要があります。脊椎圧迫骨折ではなかなか良い方法はなく、円背をそのままに、新規の骨折を来さないように治療するしかありません。進んでしまった脊椎圧迫骨折は最新の薬を服用を開始しても決して元に戻すことはできません。従って、症状のない時期に骨粗鬆症検査を行い、少しでも骨密度が低下したり、あるいは疑われたら、骨粗鬆症の治療を開始する事が重要になります。米国では50歳台から予防的に骨粗鬆症薬の服用を開始することが行われています。

骨粗鬆薬

1.ビスフォスフォネート:破骨細胞の活動を阻害し骨の吸収を防ぐ、現在世界でもっとも使われる経口骨粗鬆症薬で、第1選択薬です。ボナロン、アクトネルなどです。5年間服用し、その後5年間休薬しても骨折のリスクは増大しなかったという報告が最近みられています。5年間ほどで一時休薬の可能性も出てきました。
経口投与型ビスホスホネート系薬剤には、起床時に服用し、その後30分間は横になることや飲食ができないなど服薬上の制約があるため、治療継続を断念する患者さんがいることが課題となっていました。
その為、ボナロンの点滴注射薬が開発されました。静脈内に点滴投与するタイプの製剤で、経口剤のような服薬上の制約がありません。
従来の経口剤は、1日に1度、もしくは1週間に1度の服用が必要でしたが、本剤は、4週間に1度、通院時に確実に投与するため、服用漏れも防ぐことができ、患者さんがより治療を継続しやすくなりました。
また、経口剤は、服用時に薬剤が消化管と接触することで消化管障害を引き起こすリスクがありましたが、点滴型にすることで、そのような接触性の消化管障害を引き起こすリスクが少なくなりました。

2.エビスタ:骨のエストロゲン受容体に結合後、骨代謝回転に関与するサイトカインを介して骨吸収抑制作用を発揮します。女性ホルモンの減少に起因した閉経後骨粗鬆症に適応。閉経期の様々な更年期症状を軽くする作用もあります。閉経後の高脂血症改善、乳がん抑制効果などのメリットもあります。
新規の脊椎圧迫骨折を半分に減らせることが証明されています。

3.活性型ビタミンD:上皮小体から分泌されるパラソルモンと一緒に働き、腸でのカルシウムとリンの吸収を高める作用を持ちます。血中濃度を上げるには戸外で紫外線を浴びる必要があります。64.テリパララチド:ヒト副甲状腺ホルモンの遺伝子組み換え(フォルテオ)または化学合成(テリボン)の皮下注射薬剤。骨芽細胞を活性化し高い骨量増加作用を示します。フォルテオ(1日1回)とテリボン(週1回)です。
かつては骨粗鬆症を防ぐために牛乳を多く飲みなさいと言われていました。しかし、最近これが間違いであることが分かってきました。牛乳の消費量が多い米国、カナダ、北欧で特に大腿骨頸部骨折の発生率が高いのです。2002年のWHOの調査で判明し、カルシウムパラドックスと名付けられました。牛乳は牛の赤ちゃんが飲むもので、人が飲み過ぎると害になることがわかっていました。今はその害になるものを取り去っていますが。
カルシウムは実は緑黄色野菜や豆や穀類から補うのがいいことで、海苔、海藻、キクラゲなどもいいです。牛、馬、巨大なゾウでさえ草食性であることを思い出して下さい。野菜は温野菜か野菜スープが勧められます。

カルシウムは大量に飲べばいいものではありません。
大量のカルシウムの吸収は腎臓・心臓・膵臓・筋肉を含め、広範な組織に石灰化を来たし危険であるのです。人間の小腸はどのくらいカルシウムを吸収すべきか計算しています。これに直接関与しているのが、パラソルモンと呼ばれるホルモンです。副甲状腺ホルモンのことで、このパラソルモンはビタミンDとともに働き、甲状腺から分泌されるカルシトニンというホルモンと拮抗しながらカルシウム代謝を調節しています。大量のカルシウムをとっても小腸では吸収されません。カルシウムは燐酸の濃度にも影響されます。骨形成には亜鉛、銅、Mn、Mg、VitKなど多くの因子が働いています。余分なカルシウムはビタミンDの産生を阻害します。過剰なカルシウム摂取は亜鉛、銅、鉄、Mgといった大切なミネラルの吸収を阻害します。ですから、サプリメントのカルシウム、牛乳の大量摂取はあまりいいものではありません。

その他の骨粗鬆症を防ぐ注意点やお薦め

1.コーヒーを控える
2.アルコールも控えて下さい。
3.缶入りのソーダ類は控えて下さい。燐酸塩がMgと結合してその働きを弱めます。
4.戸外で日光に当たり散歩・運動をして下さい。
5.人工甘味料は避けて下さい。ただしキシリトールは骨密度を増す作用があります。
6.ボロン摂取。ボロンという聞き慣れないミネラルがあります。これはホウ素といわれ、細胞壁の合成、維持、核酸合成などに関係しています。体内ではテストステロンとエストロゲンの生成を促し、骨形成には必要な物質です。
大きなリンゴに0.5mg含まれています。緑黄色野菜、特にキャベツにボロンが多く含まれています。
7.腸溶性ラクトフェリン:骨芽細胞の増殖促進+そのアポトーシス阻害の2つの面から新しい骨形成を促進します。
8.人体のMgの50%は骨にあります。Mgが十分に存在しなければカルシウム骨に吸収されません。ビタミンDも活性化します。      
もう一度、私たちの食生活を見直しましょう。


第57回映画楽会
題目
忠臣蔵
11月15日(木曜日)
午後1時00分上映
3階食堂

「忠臣蔵」は時代劇を代表する映画で、日本映画全盛期であった昭和30年代には、本作の東映オールスターキャストによる3時間物の他に、大映、松竹、東宝など各社で撮られています。そのなかでも本作は、2部構成になっていて、主演ではありませんが、美空ひばりさんの役どころが重要な役割をなしています。
お馴染みの名場面が本筋どおりに丁寧に綴られた娯楽作品になっています。もちろん見所は大石内蔵助演じる片岡千恵蔵さん以下東映オールスターの面々です。
今回の「忠臣蔵」では片岡千恵蔵の大石内蔵助に対し市川右太衛門は赤穂城開城に来る脇坂淡路守という役回りになっており、また同じ松田定次監督で昭和36年に作った「赤穂浪士」では内蔵助=片岡千恵蔵、千坂兵部=市川右太衛門で知恵を競う構図となっていました。
勧善懲悪のワンパターンと言ってもよい忠臣蔵。このストーリーの知れ渡っている題材,しかも時代劇という極端に動きの少ない題材を,よくぞ演出と演技でここまですばらしい娯楽時代劇に仕上げたものだと感心します。東映の娯楽時代劇は,見せ場できちんと「これぞ東映時代劇」となります。