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コスモス新聞

コスモス新聞 病院からのお知らせ、ちょっとしたエピソード、医療に関するお話、患者様よりお寄せ頂いたメッセージ、思い出の映画など情報満載です。

コスモス新聞第23号

心と体の健康

人生50年といわれた昔は、肺炎、結核等の感染症が健康の最大の敵でした。
ショパン、滝 廉太郎などの多くの才人が若くして結核の犠牲になりました。
又、戦争による犠牲者も多かったものです。
しかし終戦と抗生物質の発見、発達によって日本人の平均寿命は飛躍的に伸び、今では世界一の長寿国といわれるようになりました。
交通事故や天災などに会わない限り、私達は高齢まで生きていかなければなりません。
その為か、中年以後の成人病対策に関心が寄せられ始めました。
では、どうすれば健やかな老いを迎えられるのでしょうか。
三大成人病にならない事
身体に苦痛がない事
ボケない事
生きがいがある事 
などが大切な事です。
それでは成人病について話を進めましょう。
日本人の生命を脅かす癌、脳卒中、心筋梗塞が三大成人病といわれています。
癌は現代の医学では完全に予防することは困難ですが、早期発見をすれば非常に直りやすいので、定期検診をかかさずにすることが大切です。
脳卒中、心筋梗塞は元気な人を突然、襲い一回目の発作で死亡することも多く、定期検診では発見することが出来ません。
しかし食事、運動、生活習慣の改善によって高血圧、動脈硬化、肥満を防止すれば脳卒中、心筋梗塞もかなり予防できる事がわかってきました。
特にストレスによって身体が障害され、胃潰瘍、十二指腸潰瘍などが出現しないようにする事です。生活を変える事によってかなり改善されます。
癌以外の成人病はいがいと生活習慣に基づくものが多いようです。
ここで私からのアドバイス。
定期検診にて早期癌の有無を確かめる。
食事、バランスのとれた食事をする事。(カロリー、脂肪等に注意し、牛乳をとる事で骨粗鬆症、高血圧、動脈硬化を予防する。)
ラジオ体操などをして五十肩、腰痛を予防する。
適度運動(直後の脈拍が180-年齢)の有酸素運動をする事。
20分間持続しましょう。心肺機能が高まります。
仕事、家事、育児一辺倒はだめ。趣味、おしゃべり等をうまく生活に取り入れ、ストレス解消に努める。寝不足、孤独は絶対禁物。
皆さんも覚えましょう。
『成人病、なるもならぬも、あなたの努力』
病苦・花より 病苦は人の心を耕す"すき"である。
平坦に踏み固められた心の土壌を病苦は深く、深く掘り起こし、 豊かな水分と肥料を加えてみずみずしく肥沃な土壌にかえる。
「深く」「肥沃に」をモットーとして病苦に耕された人の心は、弱々しく、軟らかい。
そしていろいろな物を生み出す豊かさと、
謙虚に物を見"美しき物"を賛嘆し、素直な喜びと悲しみに感動する
深い、深い苦痛の中にある一種の清浄なさわやかさ。
自然が病苦に与えるせめてもの代償なのであろうか。

1961年12月6日 「病苦・花」より 細川 宏 遺稿集

細川 宏はこの詩を書いた翌年、胃癌の為、44才の若さでこの世を去りました。
体の病いである病気は健康な人達の多くが失っている心の健全さを取り戻すきっかけになるということなのでしょう。
病気だからといって悲しんでばかりしてはいけません。
健康は水のようなものです。皆さんも思い出して下さい。昨年の"高松砂漠"の事を。
私達の生活には水は欠かせないものです。 昨年のような渇水状態にならないと、水のありがたさに気づかず、湯水のごとく、当たり前のように使ってしまいます。
健康も失って初めて、その大きさ、尊さを知るのです。
これは極端かもしれませんが、病気なくして本当の命の尊さをしることができないのかもしれません。
あなたの生き方を通して、より良く生きるということがどういうことか、真剣に考えてみようではありませんか。
芸の道とは 幻の名作復刻版などという広告をみると興味をもってしまいます。
"道八芸談"もその一つです。文楽、三味線の名人芸談で、私はとっても感動しました。学ぶ事が多かったのです。
鶴沢 道八は弟子たちに「舞台で死ね」と教え続け、自らも舞台で果てた名人、二代目豊沢団平の弟子でした。
この師匠について道八はこう書いています。
「明けても暮れても芸のことよりほか考えられなかったというのが師匠の生活です。私は十数年間、師匠に仕えさせていただきましたが、その間"今日は一つ、遊びにでも行こうか"などは一度もありませんでした。
道八は昭和19年に没しました。
その稽古の心構えの逸話があります。
弟子に「明日も稽古に来るつもりか。」と尋ねるのです。「伺います。」という答えが返ってきますと「それがいかんのや。今日で終わりの決意で命懸けで覚えなければいかん。人の運命のことや、今晩死んでしまうかもしれん。そしたらなにもかも終わりや。明日、目が覚めて、幸い生きていたら又、出ておいで。」というのでした。
「芸というのはこうでなければいけません。」と語っています。
道八は三味線を常に命懸けで引いていたのです。常に今日が最高の出来でなければ、芸で身を立てて行くことなどおこがましかったのでしょう。
背筋に一本、線が入ったような気がしました。 彼の熱意は観客に最高の芸を披露する事にのみ向けられていたのです。
私も一人の医者として、命懸けで切磋琢磨しなければ、彼に追いつく事など出来ないと思いました。
「実際に芸が出来ていなければ、芸談に何の魅力もありません。本物だから胸を打つのです。又、良き師に出会う事が人生最大の幸せです。」
道八の師匠を思う熱い思いと芸に捧げた人生があればこそ、今も私達を感動へと導き、胸を打つのでしょう。

エボラ出血熱

最近の映画「アウト・ブレイク」がアメリカで爆発的なヒットとなった直後、現実にアフリカのザイール近郊の町にエボラ出血熱が発生しました。は瞬く間にひろがり首都キンシャサに感染者が入らないように、町は閉鎖され軍が周りを固めました。
当地の病院では腸閉塞でかつぎ込まれた患者が最初の感染者だったと発表しています。
その後、手術に立ち会った医師、看護婦など医療関係者に感染し、現在、死者は100人を越しました。確たる治療法がなく、空気感染はしないといわれているが不明な為、隔離された町は不気味に静まり返っています。
エボラ出血熱が確認されたのは1976年、79年で、アフリカで約1千人の死者が出たと報告されています。
このウイルスは潜在期が3日~10日、致死率は厚生省によると50%~80%とされていますが、実際はもっと多いようです。(90%という報告もあります。)
初期症状は頭痛、全身倦怠感、咳、下痢などで重症になると内臓などから出血症状がおきてきます。
小説「ホット・ゾーン」にはこう書かれています。
胃、肝臓、腎臓など、内臓は文字通り融解しはじめ、無数のウイルス粒子の泳ぐ血の海と化す。血はほどなく体外に漏れ始める。体中の穴という穴から、それは流れ出す。
瞼の表面にまで血が滲み出てくる。苦痛に泣く時、流れ出る涙も血だ・・・
国際化時代といわれ年間1400万人の日本人が海外に旅行します。
遠い他国の出来事と無関心に過ごすには、地球は狭くなりすぎているのです。
もう人事ではすまされない時が来ているのです。
ジャンボジェット機は大量に人を運び、同時に病気、病原体も一緒にやってきます。
皆さんの中にはマラリア、コレラ、アメーバー赤痢、結核などは、もう日本には存在しないと思われている方もいらっしゃると思います。
しかし現在もマラリアは年間300人、結核に関しては年間3万人もの患者に発症し、3千人位の人が死亡しています。(92年度)
「忘れられた感染症」も実際には存在し、新聞、雑誌、テレビ等のマスコミが取り上げない為に忘れ去られています。
一般の人も・・・私達、医療者も病気に対する認識が非常に片寄っています。
癌とかエイズ等のように騒がれる病気に対して過剰反応し、忘れられた感染症に対しては無防備なのです。アメリカにはCDC(疫病対策センター)、フランスにはパスツール研究所などの感染症対策センターがどんな感染症にも対応できるように備えています。
しかし日本にはそういったセンターはまだ設立されていません。
一抹の不安を抱きながら・・・・狭くなった地球・・・・・