香川県高松市での整形外科・内科・健康診断・予防接種は吉峰病院へ。

English

コスモス新聞

コスモス新聞 病院からのお知らせ、ちょっとしたエピソード、医療に関するお話、患者様よりお寄せ頂いたメッセージ、思い出の映画など情報満載です。

コスモス新聞第217号

骨量って何?

今回は前号の続きです。まずは前号からお読みください。
そのほうがより分かりやすいとおもいます。

骨粗鬆症を知るためにとても大事な言葉に、骨量という言葉があります。あまり聞き慣れない言葉かも知れませんが、簡単に説明してみましょう。
骨量とは、読んで字のごとく骨の量の事を表しています。また、骨密度ともいわれます。
骨量=骨密度なんです。

骨は無機質(ミネラル)といわれるものが材料の一部です。この無機質の量を、骨量といっているんです。まとめますと骨量=骨密度=骨の無機質の量となります。

この骨量も骨の一部ですから当然、日々変化しています。
年齢・体の成長の度合いなどで変化していきますが、大事なことは、この変化が男性と女性とでは違うということなんです。

では、男性と女性と一体どう違うのでしょうか。
女性の骨量は思春期と呼ばれる期間から20ないし25歳ぐらいまでが最大となります。
その後、40歳後半~50歳前半までの閉経の頃まで大体同じ値となります。
しかし、その後が大事で閉経後10年ぐらいで女性ホルモン(エストロゲン)が減るに伴い骨量が急速に減ってしまうんです。
でも、この閉経後10年ぐらいが過ぎ、女性ホルモンの量が一定になる時期(60歳~65歳以後)になると、骨量の減少は安定します。
しかし骨量はその間も少しずつ、しかも確実に減り続けます。

男性の骨量は女性ほど急激に骨量が減る時期はありません。しかし40歳頃を過ぎると、少しずつ骨量が減ってきます。加齢と共にゆるやかに骨量が減るのです。

骨量のはかりかた

では、この骨の量、骨量はどうやってはかればよいのでしょうか?
まさか、ロボットみたいに人の体から骨だけを抜き出すわけにはいきませんから、測定機器を使って骨の量をはかります。
方法は大きく分けて2つあります。

1.X線を使う方法。
2.超音波を使う方法

では、それぞれの方法を説明します。

まず、X線を使う方法ですが、色々な方法があります。その中でも一番正確にはかることができるのが、2重エネルギーX線吸収測定法(Dual-energy Xray Absorption)です。英語の頭文字をとってDXA(デクサ)法といわれている方法です。

この方法の利点は
1)全身の骨をはかることができます。特に骨粗鬆症になると骨折し  やすくなる脊椎・大腿骨頸部をはかる事もできます。
1)「骨はなんでできているのでしょうか?」のところをもう一度み   てもらうといいのですが、スポンジ状の骨(海綿骨)が多くあるところの骨を非常に正確にはかることができます。
また、はかる時間が比較的短い(全身で7~8分、一部分で3分ほど)です。

では、逆にこの方法の弱点は
1)機器が大型なので、手軽に測定できない。
その為に測定できる医療機関が少ないという点があげられます。
2)足の付け根の骨(大腿骨頸部)をはかるためには、患者さんに負担がかかることがある。
という点も弱点といえるでしょう。

同じようなX線を使ってはかる方法にMD(microdensitometry)法という方法があります。
この方法の利点は
通常のX線撮影装置での測定ができるので大がかりな機械が必要ありません。
次に弱点としてDXA法と同じようにX線を使うので少量だけれども放射線の被曝をしてしまう。
という点があげられます。

次に、超音波を使う方法ですが、小さな機器に足のかかとを乗せてはかるのが一般的な方法です。
この方法の利点は
1)X線をいっさい使わず超音波のみを使うので、体にいっさい被爆がない。
2)かかとの骨をはかるため患者さんの苦痛もほとんどない。
3)さらに短時間ではかることができる。
4)機器がDXAのように大がかりでないため取り扱いがしやすい。
という点です。

逆にこの方法の弱点は
1)骨の量のみを正確にはかることができない、という点です。
超音波の性質上、骨のみをはかるということはできず、骨以外の部分である皮下組織もはかってしまうからです。
2)骨のみをはかることができないため、皮膚のすぐ下に骨がある踵などと違い、骨折しやすい脊椎や足の付け根の骨(大腿骨頸部)を正確にはかれない。という点です。
それでは、それぞれのを表にしてみます。

(注)DXA法、MD法ともにX線の被爆をともないますが、DXA法では、健康診断で行う、普通の胸のX線撮影の1/20~1/30といわれていますのでX線被爆量は非常に少ないといえます。また、DXA法は医師の指導のもとで臨床放射線技師が機器を取り扱うので安全性が高いといえます。
MD法はDXA法よりさらに被爆量が少ないためこちらも安全性が高いといえます
いいところが悪いところもある。これからはもっともっと正確で、安全な方法が考えられるはずです。
例えば、病院での骨量測定の結果、お医者さんから「骨量が少ないですね」と言われても、決して動揺してはいけません。

そこで、おすすめの骨量測定の方法は
まず手軽にできる超音波法で、足の踵の骨量をはかってみる。
そこで、骨量が低い状態でしたら、違う方の踵で再度測定してみてください。
ですので、最初に書いたように、超音波法で「骨量が少ない」と言われても、そこで落ち込まず、再度測定する方法がいいでしょう。

また、1回の検査をすべてうのみにせず、定期的にはかることが大事です。はかる間隔ですが、閉経前の健康な女性で3年に1度くらいで大丈夫です。また、更年期より後10年ぐらいは年に1度ほどはかるのをおすすめします。
知らず知らずのうちに骨量は減ってきますので、定期的に骨量をはかることは、骨折・骨粗鬆症を予防することにとても大事なことです。
厚生労働省研究班の発表よりますと、カルシウム摂取量が少ないと女性は、約2倍もの腰椎骨折のリスクが高まるそうです。
いわゆる骨折のリスクとカルシウムの摂取量との関係は、はっきりしてませんでしたが、今回の厚労省の発表で、かなりはっきり、骨折のリスクとの関係がわかったことになります。
データの内訳は、10年間の間、49歳~69歳の76000人(男女)に食習慣などのアンケートを行い、カルシウムの摂取量を計算したそうです。
その結果、カルシウム摂取量が最も少ないグループの腰椎骨折の発生率は、最も多いグループの約2倍だったそうです。
また、興味深いことに男性では相関関係はなんら見られなかったそうです。やはり、女性はカルシウム摂取を頻繁に行った方が骨折のリスクは少ないようですね。
骨粗鬆症の発病原因になる、新しい要因(SNP)を、独立行政法人理化学研究所(野依良治理事長)が発見したそうです。
研究グループでは、全ゲノムレベルでのケース・コントロール相関解析という研究方法を使用して、発見したそうです。
新しいことが日ごとに増えています。乞うご期待ですね。