香川県高松市での整形外科・内科・健康診断・予防接種は吉峰病院へ。

English

コスモス新聞

コスモス新聞 病院からのお知らせ、ちょっとしたエピソード、医療に関するお話、患者様よりお寄せ頂いたメッセージ、思い出の映画など情報満載です。

コスモス新聞第206号

現代人を悩ます腰痛

「魔女の一撃」、刺すような痛みも数日の安静で軽減。慢性腰痛は腰の骨の老化から。

いまや人々の健康上の関心事は「メタボリックシンドローム」に集まっている観がありますが、実際に症状を訴える人が多いのは、実は「腰痛」です。

厚生労働省による最も新しい調査では、「腰痛」は男性では1000人中82.0人が症状を訴えて第1位、女性では同107.9人が訴えて第2位(第1位は肩こり)にランクされ、「腰痛」が私たちにとって大きな健康問題になっていることがわかります。「そういえば私も腰が痛い」などと気づく人もいるのではありませんか。

何気ない動作で起こる「ぎっくり腰」!

腰痛には、急に痛み出す「急性腰痛」と、いつから起こったか定かではないけれどジワっとしたうっとうしい痛みが続く「慢性腰痛」があります。
ふとした瞬間に、突然起こるぎっくり腰。日頃から予防を心がけておきましょう。
今回はぎっくり腰についてです。
ふと立ち上がった拍子に腰に激痛が! 息が止まるような痛みに襲われて、思わずしゃがみこんでしまう。少し体を動かしただけでも痛いので、動けない......こんな体験をした人はありますか? 
これは、西洋では「魔女のひと突き」と呼ばれるぎっくり腰の症状です。

ぎっくり腰は、医学的には「急性腰痛症」と呼ばれます。
原因にはいろいろありますが、腰を支えている筋肉ののねんざと考えられています。普通、ねんざというと、大きな力が加えられて起こりますが、ぎっくり腰の場合、くしゃみをしただけで起こるケースもあります。それだけにショックは大きく、日常生活に与える影響も深刻です。

実はぎっくり腰には、腰椎の老化が関係しています。腰椎の関節は、じん帯や筋肉に支えられて滑らかに動くようにできています。しかし老化によって、じん帯や筋肉が弱まると、関節のかみ合わせが悪くなり、腰をひねったり、ちょっとした動作でぎっくり腰が起こすように。なるのです。

では、ぎっくり腰になったら、どのように対処したらいいのでしょうか。
痛みは"一撃"された日がいちばん強く、動くことができないのでただ安静にしているしかありません。やがて、ほとんどの場合は数日のうちに痛みは軽減しますが、痛みが軽くならなかったり、逆にひどくなったりするようなときはほかの原因があるかもしれないので、整形外科を受診する必要があります。
固めのベッドやふとんにひざを曲げた姿勢で横になり、安静にしていると、通常は1~2週間ほどで回復します。
腰以外にも、足の痛みがある場合は、椎間ヘルニアを発症していることもあるので、医師の診断を受けた方がいいでしょう。

ぎっくり腰はクセになる、とよく言われます。たしかに、ぎっくり腰を1度起こすと、くり返すことがまれではありません。でも、ぎっくり腰は再発しても、どんどん悪化するということはありません。心理的ショックや負担は相当のものですが、さほど気にすることはないでしょう。
(1)いちばん痛みの軽い姿勢をとって安静にしている。
(2)鎮痛剤の服用や冷湿布(発症直後)を貼ってもよい。
(3)痛みが強くならずほかに症状もなければ、3日間は様子をみてもよい。
(4)時間とともに痛みが軽くなっていくなら、受診しなくてもよい。

腰痛体操

腰痛体操の目的は、①不良姿勢の改善、②腹筋・背筋の強化、③軟部組織の柔軟性の獲得があげられます。4種類の腰痛体操があります。なお、腰痛が強い時は、腰痛体操を行わないのが基本です。

Aの体操は、腹筋、殿筋、ハムストリングス(大腿部後面の筋肉)に力を入れるようにします。腰が浮かないようにしながら十分に力を入れたあとに力を抜きます。この運動による不良姿勢の改善は、腰椎の前弯を減少させ、腰背部の筋肉に対する負荷を小さくさせます。

Bの体操は腹筋の強化を目的にしています。これにより腹腔内圧を上昇させ、自らの筋肉によるコルセットをつくる
ようなもので、脊椎の安定性を得ることができます。膝関節と股関節は屈曲して行うようにします。膝関節と股関節をまっすぐに伸ばしてこの運動を行うと、逆に腰椎の前弯が増強してしまうからです。また、腹筋力強化には必ずしも上半身を垂直位まで起こすことはなく、肩が少し浮く程度で5秒ほど姿勢を維持すればよいでしょう。

Cの体操は、腰背部のストレッチで腰椎周囲の軟部組織の柔軟性を得るために行います。腰痛症では腰背部の筋肉が拘縮を起こしていることが多く、急に体を前かがみさせると腰痛を生じやすいので、このストレッチは大切です。

Dの体操では、背筋の強化を行います。下腹部に枕を置いて、これを支点に腰背筋の反り返り運動をします。強く反り返る必要はありませんし、枕が大きすぎると腰椎の過度の屈曲が起こり、痛みを誘発させることがあるので注意します。

A~Dの体操のうち2~3種類を選んで、朝・晩の1日2回それぞれ5~10回程度から開始して、状況に応じて種類と回数を増やしていくことが大切です。
腰痛症であれば、ちょっとした日常生活の注意で痛みが軽くなる可能性があります。また、単なる腰痛でも重い病気の初期症状であることもあります。整形外科を受診してください。

気をつけること

日頃の動作で気をつけたいのは、腰に負担がかからない姿勢を心がけること。体を前に曲げた状態でひねった姿勢が、最も腰に負担がかかります。ものを持ち上げるときや洗面時には、ひざを曲げて行ったり、ものを自分のからだに近づけてから持ち上げるなどして、ガードしましょう。

また、重いものを持ったときだけでなく、「立つ」「座る」という日常の基本姿勢のなかでも、ぎっくり腰を予防するために気をつけたい点があります。

例えば、立っているときは、長く同じ姿勢をとらないようにしましょう。また、中腰や前かがみの姿勢はなるべく避けましょう。どうしても長時間立つ場合は、片足を交互に10cmくらいの台などにのせて、姿勢を変えるようにしましょう。

また、いすに座るときは、体を机に近づけ、ひざはほぼ直角に曲げ、足の裏全体を床につけるようにしましょう。背もたれの角度は110~120度くらいが良いでしょう。

突然やって来るぎっくり腰には、恐ろしいイメージがありますが、日頃から動作に気をつけて、腰の負担を軽減するだけで、予防効果がぐっとアップします。腰はからだのカナメといわれます。日常生活でフル活動している部分で、長くお世話になるところですから、意識していたわってあげましょう。

いわゆる腰痛症

あまり強くない腰痛があり、時にそれが強くなったり楽になったりを繰り返すもので、腰痛だけが主な症状です。激しい腰痛は少ないようです。
原因が特定できない腰痛で、非特異的腰痛ともいわれます。日常生活での不良姿勢による腰の筋肉の疲労が原因です。腰椎(ようつい)周囲の筋力が弱く、適切な姿勢が保持できなかったり、腰椎周囲の筋肉に過度の負担がかかることが、腰痛の原因になります。
問診と診察所見を中心に、X線検査などの画像診断による除外診断になります。ほかに特定すべき疾患がないことを確認し、他の重大な病気を見逃さないようにして腰痛症という診断がなされます。
急性腰痛も慢性腰痛も治療法にあまり大きな変化はありません。

まとめ

主に、日常生活動作の改善、腰痛体操などの治療が行われます。非ステロイド性消炎鎮痛薬や筋弛緩薬が適宜使用されることもありますが、多くの場合、日常生活動作に注意するだけで腰痛はかなり改善します。腰痛の再発防止のためにも腰痛体操は大切です。
日常生活の注意点

重いものを持ち上げる際は、できるだけ体に引きつけて持ち上げます。おなかから対象までの距離を短くすることで、腰背部の筋肉にかかる負担は小さくなります。椅子に座る場合は、腰椎の前弯(ぜんわん)を減少させるために、膝の高さが臀部(でんぶ)の高さよりやや高くなるようにするか、膝を組んで座るようにします。

立ち仕事の場合は、腰椎の前弯防止と筋肉の疲労を軽減させるために、足台を使うようにします。骨盤を水平に保つことで腰椎の前弯を減少させ、腰部の筋肉の疲労を減らすことができます。

いずれにせよ、同じ姿勢を長時間とり続けないようにすることが大切です。
なんといっても、短時間で治まるようであれば、気にしなくても構いません。
しかし、腰痛が頻回に起こったり、痺れが出現したり、足の動きが鈍くなったり、排尿に異変がみられた時には整形外科を受診し、レントゲン撮影、必要であればMRI検査を行い、原因を調べましょう。
どんなことでも、外来看護師にご相談ください。