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コスモス新聞

コスモス新聞 病院からのお知らせ、ちょっとしたエピソード、医療に関するお話、患者様よりお寄せ頂いたメッセージ、思い出の映画など情報満載です。

コスモス新聞第20号

はや 一カ月!!

阪神大震災で5400余名の人が亡くなりました。そのほとんどの人が家の倒壊による圧死であると報告され、やりきれない気持ちで胸が痛みます。
震災後、はや一カ月が過ぎました。その間、私は数回神戸を訪れました。 今まで神戸に行っていた道路は通行止めのため、姫路より播但自動車道を経て中国自動車道に乗ります。神戸・三田のインターで降り六甲の山の中を走りトンネルを抜けると眼下に神戸の町並みが見えます。夜は家々の明かりがまたたき、いつもとかわらぬたたずまいをみせていますが、一歩町に入ると倒壊した家屋や傾いたマンション、落ちた鉄橋や瓦礫の山が一度にわっと押し寄せるように目につきます。倒れた家にはあちらにもこちらにも花がそえられています。自然の脅威と気軽に使っていた言葉がこんなにも理不尽で残酷なものである事に気づかされ、今打ちのめされたような気がしてなりません。 この一カ月間にテレビでは倒れた阪神高速が撤去され、傾いたビルの取り壊しなどが順調に進んでいるように報道されていますが、大通りから一歩、中に入ればまだまだ家の残骸が道路をふさぎ、住めなくなった家から主のいない空虚さが漂っています。
政府、自治体が再建案を作成しているようですが、なぜか、そこに住んでいる住民の意見がとりいれられていないようです。
また、私たちも"新しい神戸"を再建して下さいと抽象的な掛け声をかけても今の神戸の人達にはむなしいことのような気がします。
今回のような大震災は神戸だけの問題でなく日本全体の問題として私たち国民一人一人が考えていかなくてはなりません。
そのためにも自然と人間との関係、それにともなう政治等のしくみを個人レベルでも考え、共に行動を起こしていかなくてはなりません。
現代文明のあり方を問いかけ、何よりも私たち一人一人が人間としての行き方を今回の震災を機会に考えてみたいと思います。
憲法の序文の一節に
『そもそも国政は国家の厳粛な信託によるものであって、その権威は国民に由来し、その権力は国民の代表者がこれを行使し、その福利は国民がこれを享受する。 これは人類不変の原理であり、この憲法はかかる原理に基づくものである。』
と書かれています。

骨の話第四回(骨の成長)

今回は骨の成長についてお話しします。
子供から大人になる時には身長は著しく伸びます。これは体幹及び四肢の骨が成長することによるもので、頭蓋骨、その他の骨もそれに伴い成長していきます。
骨の形成には二つの方式があります。
骨膜性骨化
骨膜内層から骨芽細胞が出来、骨を形成します。
軟骨性骨化
まず軟骨が出来、その次に骨芽細胞が出現し軟骨が骨に変わります。
動物の進化の過程でえびなどの甲殻類(骨膜性骨化)が海から陸に上がり、活動が活発になるにつれ身体の内部にそれに耐える丈夫な骨組みが必要になり、軟骨性骨化に進化したらしいと想像できます。
人間の成長の場合は長骨の両骨端の近くに軟骨部(骨端線)があり、それが成長することにより骨が伸びていきます。
骨端線は一生存在するものではなく、成長が止まる頃には消えます。当然のことですが両骨端には軟骨が存在し、そこでも骨作りが行われています。
骨端線のない短骨はその成長だけで行われています。これが軟骨性骨化です。骨が太くなる場合は骨内膜から破骨細胞が出現し骨の一部を吸収し、結果的に骨が太くなり、より丈夫になります。これが骨膜性骨化です。
年を取ってくると骨膜性骨化の能力が低下し、骨の製造量が吸収量に追いつかなくなり、骨が薄くなってきます。これが骨粗鬆症です。
骨のようにカタイ組織は、いったんできたら"一生不変"という気がします。
骨に似た組織である歯は一度はえ変わると二度と変わる事はありません。ところが骨は簡単に生まれ変わる事ができます。毎日少しずつ分解、吸収されていますから、その分だけ新しい骨が作られます。これを骨のリモデリングといいます。分かりやすくいうと家の改築、改造の場合につかわれるリフォームと同じ意味です。私たちの骨は破骨細胞により毎日少しずつ破壊され、骨芽細胞によりその分作られており、壊される骨質と作られる骨質とが過不足にならないようにカルシトニン、副甲状腺ホルモン、活性型ビタミンDというホルモン3点セットにより調整されています。
このバランスが狂うと骨粗鬆症、大理石病、骨軟化症が起こります。骨粗鬆症の実態は老化現象の一つだから、むやみにこわがることはありません。でもこの病気が原因で"寝たきり"になる人も多いのであなどる訳にはいきません。骨粗鬆症とは骨質が減少し、骨がスカスカになって強度が低下する病態のことをいいます。ダイコンに"す"が入ったような状態を想像していただければよいでしょう。
当院では骨量を計る機械を導入いたしましたので、自分の骨の量はどれくらいかと思っていらっしゃる方、カルシウムは十分取っているけれどこれでいいのかと思っていらっしゃる方なども一度計ってみてはいかがでしょうか。

骨粗鬆症の病因
1.老化
骨を作る細胞(骨芽細胞)が老化で造骨機能が低下してくる。65歳以上の女性では三人に一人の割で本症がみられる。
2.内分泌性
a)クッシング症候群
b)糖尿病
c)閉経後のホルモン異常
d)活性型ビタミンD不足(腎不全等による)
3.栄養性
a)カルシウム、リン不足
b)ビタミンD欠乏(食餌性または消化障害)
4.薬物性
a)ステロイド・ホルモンなどの摂取
b)メトトレキサート、ヘパリン等
5.血液疾患白血病、骨髄腫
6.不動状態、無重力状態

骨粗鬆症の治療法
1.食療法カルシウムと良質タンパクを多く含む食品を与える
a)カルシウムの多い食品→乳製品(とくに脱脂粉乳、ナチュラルチーズ)、海草類、魚類の丸干し(イワシ等)、または小魚の佃煮、糖蜜b)良質タンパク→鶏卵、肝(トリ、ブタ、ウシ)、豚肉、鶏肉、マグロ(脂身など)
2.薬物療法
a)カルシウム製剤
b)カルシトニン(鎮痛作用もある)
c)カルシトリオール(活性型ビタミンD)
d)アルファカルシドール(体内で活性型ビタミンDに変化)
e)女性ホルモン(エストロゲン)
f)フラボン誘導体(イプリフラボン)
3.運動療法
a)まず歩くこと。痛みがでない程度に
b)体操(ラジオ体操などの簡単なもの)
c)決してコロばないこと。服装(着物はよくない)と履物(サンダルやゾウリは転びやすい)に気をつける。

子供とスポーツ

健康な子供達が集まり、スポーツを通して更に健康と体力の増進を目指し、生き生きと運動している場面をみていると子供達の幸せを改めてみる思いです。
コーチに指導されながら小学校低学年の生徒が真剣に一生懸命プールの水をかきわけて泳いでいる姿に、子供の健康はこれでなくてはと思います。しかし子供達にとっては健康の入口に入ったに過ぎません。
次の世代を担う子供達の健康開発は我が国のみならず全世界共通の願いであり、またそのためにスポーツが広く取り入れられています。しかし、子供達の年齢による身体的、精神的な発達を充分理解しまいまま不適当な運動、または過度の運動により種々の障害が生じている。
水泳は全身運動のひとつとして各年齢層に巾広く行われ、最近は乳児の水泳教室が将来の健康のためのごとく伝えられています。乳児の顔を水につけると成人と同様にただちに呼吸運動を止めるが、嚥下運動は止まらず繰り返しているうちに水を飲むことがあります。飲み込まれた水は吸収され血液中に入り、低ナトリウム血症をきたす可能性があります。水泳教室から帰宅した乳児が数時間後に痙攣を起こすことがあるのは、このような低ナトリウム血症による水中毒のためでこのような乳児には水泳を進めるべきではありません。又、運動機能が発達してくる乳児期後半以降でもプールなどの際は必ず親が付き添い十分注意しなければなりません。
乳児体操、その他の乳児期の運動が将来の運動能力向上にあるということは決してありません。また、幼児期からホール投げを教えた子と教えなかった子とを比べ、学童期になってからのボール投げの能力に差がなかったという学会報告が最近多くみられます。
乳幼児期には大人が考えるような特別な運動は必要でなく、自由な遊びの中から行われる運動こそ最適な運動であります。
子供達の喜ぶトランポリンはちょっとした油断で重症の脊髄損傷をきたす危険があり、あまり行わせるべきではありません。
年少児は呼吸循環器系の発達が年長児、成人に比べ不十分である。そのために大人が適切と考えている運動でも呼吸数、心拍数が予想以上に多くなることがあります。
筋骨格系は身長の最も伸びる時期が最も障害を受けやすいので、長時間に及ぶ激しいトレーニングはオーバーユースシンドロームの原因になります。したがって発育程度をチェックし適切なアドバイスを受ける事は大切です。
小学校時代にはスポーツを楽しんでいた子供達が中学、高校へと進むに従いスポーツから遠ざかっていくものが少なくありません。受験勉強のための塾通いもさることながら、従来あまりにも記録にこだわり、勝つことばかりを目標にしてきた点にも問題があります。健康そのものの子供達がスポーツにこうじている姿をみていると、スポーツの楽しみ方を教えることこそ将来のクォリティ・オブ・ライフにつながるものと思います。