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コスモス新聞

コスモス新聞 病院からのお知らせ、ちょっとしたエピソード、医療に関するお話、患者様よりお寄せ頂いたメッセージ、思い出の映画など情報満載です。

コスモス新聞第193号

関節リウマチについて(2)

7月号の続きです。まずは7月号から読まれるのも一考かも知れません。
関節リウマチの障害の程度も人により様々です。大きくは次のような四つのクラスに分類されます。
このクラスを進めないことが治療の目標となります。

クラス1
多少痛みはあるが日常生活は不自由なくできる。

クラス2
いくつかの関節は痛み動作は制限されるが自立で日常生活ができる。

クラス3
仕事や日常生活がかなり困難になり、自分では限られたことしかできない。

クラス4
自力で身の回りのことができなくなり、寝たきり、あるいは車イスに頼る。

関節リウマチの検査と診断

早期に病気を発見できて治療が開始できれば、進行をくいとめられる可能性があがります。しかし関節リウマチの場合、例えば「尿酸塩の結晶があるから痛風」というように決定的な診断の決め手がなく初期での診断が難しい病気なのです。

まずは患者の自覚症状の訴えを医師が正確に把握することが大切になってきます。
適切な診断、治療を受けるためにポイントをおさえて自己チェックしておき、受診の際には正しく情報を伝えられるようにしておきましょう。

朝のこわばり
・朝起きたときなんとなく動作しづらい
・左右対称にこわばる関節がある など
・ヒザなどの関節が左右対称に腫れている
・関節を動かしたとき痛む
・関節を押さえると痛む
・リンパ腺の腫れ
・疲労感、だるさ、食欲不振
・微熱
・レイノー現象(寒冷時に指先が白く変色)
・貧血(合併症)
・息切れ(合併症)
・口内炎(合併症)
・視力低下(合併症)

リウマチの検査
診断のために様々な検査を行います。一回の検査では診断がくだせず経過を見ながら何回か検査を繰り返す場合もあります。検査結果と問診の情報からほかの病気と識別し診断をします。
関節リウマチと診断されると状態にあわせ治療方針をたてますが、診断後も、経過をみて薬や治療法を変えていくことが必要であり、また薬の副作用や合併症の観察も必要なため定期的な検査が必要となります。
患者自身が自分の病状を知っておくことも大切です。検査の数値を記録・把握し、理解するようにしましょう。

X線検査
骨の萎縮、骨びらん、軟骨の消失により関節の隙間が狭くなっている、骨膜の破壊・・・などの微細な変化を捉えることが必要です。

血液検査
◆炎症反応をみる
赤沈
・・・体内に炎症があると赤血球が沈む速度(赤沈、血沈)が速くなります。
C反応たんぱく(CRP)
・・・体内に炎症が起こると血液中にCRPという特殊なたんぱくが現れます。

◆免疫学的検査
リウマチ因子
・・・自己抗体であるリウマチ因子をもっているか(健康な人が持っている場合もあります)
抗核抗体
・・・細胞の核に対してできる自己抗体のこと。自己免疫疾患があると陽性に。全身性エリテマトーデスで80%、慢性関節リウマチで20%が陽性です。
免疫複合体
・・・自己免疫疾患があると免疫複合体がみられる。慢性関節リウマチの場合は関節液にみつかることが多くみられます。
補体
・・・全身性エリテマトーデスでは血液中の補体が低下。慢性関節リウマチではあまり変化しません。

◆生化学的検査
血清たんぱく分画
・・・血清中にはアルブミンとグロブリンというたんぱく質があり、グロブリンはα1、α2、β、γの4種類があります。関節リウマチではα2とγが増加、炎症が慢性で活発な場合はγが増加します。
GOP、GPT
・・・薬の副作用での肝機能障害がないかを確認します。
血清クレアチニン
・・・薬の副作用が腎機能に出ていないかを確認します。

◆貧血や薬の副作用を調べます。
末梢血
・・・白血球数が少ない場合は全身性エリテマトーデスか薬の副作用が考えられます。赤血球とヘモグロビンが少ない場合は貧血、薬の副作用による胃潰瘍などが考えられます。
血小板はリウマチの活動性が高いと増加、減っていると薬の副作用が考えられます。

◆関節液の検査
関節リウマチの場合、
 関節液が増量し白血球の数値が著しく増えます。
 関節液の粘り気は低下、不透明になります。
 尿酸塩結晶があれば痛風です。

◆尿検査
全身性エリテマトーデスで腎障害を伴う場合たんぱくが検出されます。
痛風の場合、たんぱくと尿酸結晶が検出されます。
慢性関節リウマチの治療薬による腎障害では糖やたんぱくが検出されます。

◆合併症の検査
シェーグレン症候群
アミロイドーシス
間質性肺炎・肺繊維症などの検査を行います。

関節リウマチの診断基準
関節リウマチの診断は問診や検査結果などから行われます。診断基準としてはアメリカ・リウマチ学会により提唱された診断基準が参考にされることが多いのですが、早期の関節リウマチの診断が難しいことから、日本の厚労省は「早期リウマチ診断基準」を作成しています。

早期リウマチ診断基準
①朝起きたときに関節のこわばりが15分以上あり、その状態が1週間以上続いている。
②全身の3つ以上の関節の腫れが1週間以上続いている。
③手首や手指の第2、第3関節、または足首や足首の付け根の関節の腫れが1週間以上続いている。
④左右の同じ関節の腫れが1週間以上続いている。
⑤血液検査でリウマチ因子が陽性とでる。
⑥X線検査で、手または足の関節に変化がみられる。

関節リウマチの治療

リウマチの治療は治療方法の進歩により、旧来の痛みを抑えるだけの治療から進行を食い止める治療へと変わってきています。寛解に持ち込むために、よりよい日常生活の質を保つために、患者さまと医師が協力して治療に臨むことが大切です。そのための治療は主に4つの柱から構成されます。

者さま自身が行う「基礎療法」
患者さま本人の病気に向き合う姿勢は治療に大きく影響します。長くつきあう病気なので本人の姿勢、生活態度が治療の根本になるのです。患者さま自身が日常的に注意を払い努力すべき暮らしの中の療法が「基礎療法」です。

1) 患者自身が自分の病気を学習し冷静な心構えを持つこと。
正しい知識を持つと不必要な不安は解消されるものです。病気についての正しい知識を持ち治療内容や自分の病状を理解しておくことで、様々な事態や情報について賢い判断ができるようになります。
また家族や友人、職場の人など周囲の人に病気のことを理解してもらい協力してもらうことも大切です。

2) 適切な保温と冷却を行うこと。
全身あるいは局所の関節が冷えるようなことは避けましょう。冬だけでなく夏も冷房などでの冷やしすぎに注意が必要です。水仕事もお湯を使うなど冷えで痛みを増幅しないよう工夫しましょう。

3) 適度な運動と安静に心がけること
動かさずにいると関節が固まり機能障害を起しますので運動は大切です。しかし無理や過度の運動にならないよう注意することと、炎症がひどいときなど必要なときには安静を守りましょう。
安静と運動のバランスをとっていくことは個人差もありなかなか難しいことですが医師などと相談して行ってください。

不安やストレスから自ら病気や悪化を招くことがないように、正しく知り、守るべきことを守り、規則正しい生活を明るい前向きな気持ちで送ることが肝要です。バランスのよい食生活も基本です。肥満は関節に負担をかけるので過食にならないよう注意しましょう。

治療の中心は「薬物療法」
薬物療法は関節の炎症を抑える、いわば関節リウマチと正面から闘う治療です。
最近では免疫異常について少しずつ研究が進み、起きた症状に対処する治療だけでなく炎症や免疫異常を直接抑え込もうとする積極的な薬物療法が行われるようになってきています。

次回、9月号は関節リウマチの治療について、主に薬物療法を取り上げます。