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コスモス新聞

コスモス新聞 病院からのお知らせ、ちょっとしたエピソード、医療に関するお話、患者様よりお寄せ頂いたメッセージ、思い出の映画など情報満載です。

コスモス新聞第191号

頚椎症について

頚椎症とは頚椎症性変化(椎間板の変性・椎間関節の変性・ルシュカ関節の変性・靭帯の変性など)を基盤に引き起こされる症状を言います。頚椎症は頚椎症性神経根症、頚椎症性脊髄症、局所症状例とに分かれます。
頚椎は7個の椎骨からなり前方と後方とで構成されています。前方は椎体と椎間板・ルシュカ関節・横突起よりなります。後方は椎弓根と椎弓・椎間関節・棘突起より構成されています。前方部分と後方部分とで囲まれたスペースを脊柱管と言います。脊柱管の内には頚髄が存在し、頚髄からは左右8対の頚神経が枝を出しています。頚神経は椎間孔から頚部~肩~上腕~前腕~手指へと下って行きます。
頚部の靭帯は前縦靭帯や後縦靭帯・黄色靭帯・棘上靭帯・棘間靭帯とがあり、周囲の筋肉と協調して、頚部の安定性と保護の役割を担っています。血管系では椎骨動脈が脳に向かって上行し、脳底動脈へ合流します。さらに、頚部の前面では交感神経が周囲の臓器とネットワークを構築し、頚神経と複雑な連絡網を形成しています。
頚椎は4~6kgの頭蓋骨を支え、脊髄を保護し、下垂している腕を上方へ吊り上げる機能を担っています。すなわち、頚椎は重い頭を支え、腕を引き上げているため、常にストレスに曝されています。頚椎は胸椎のように肋骨でガードされておらず、又、腰椎のように強靭な筋肉(腹筋、背筋)によって保護されていないため、非常に不安定な臓器と言わざるを得ません。そのため、頚椎は加齢的な変化や首の不良姿勢、軽微な外傷、スポーツ傷害によって容易に頚椎症性変化が出現し、さまざまな頚椎疾患を発生させます。
椎間板は線維輪と髄核で構成され、衝撃吸収作用(クッションの役割)を担っております。椎間板は20歳台になると脱水化現象を生じ、変性し始めます。変性は、まず外側の線維輪に生じ、亀裂を発生させます。亀裂は次第に内側の線維輪におよび、髄核の変性をもたらします。やがて椎間板は空洞化し、狭小化し、椎体の不安定性を生じます。その結果、椎間板の機能としてのクッション効果が弱まり頚椎症や頚椎椎間板ヘルニアなどの疾患を発生させます。加齢的な変化や軽微な外傷の繰り返しによって椎間関節の滑膜は炎症を生じます。その結果、椎間関節の関節包は弛緩・肥厚し、変性を起こします。やがて関節軟骨の変性が始まり、次第に椎間関節の変形が形成されます。椎間関節の変性は頚椎症などの疾患を発生させます。頚部の靭帯は前縦靭帯や後縦靭帯・黄色靭帯・棘上靭帯・棘間靭帯などで構成されています。これらの靭帯は加齢的な変化や慢性の機械的刺激によって肥厚・変性・骨化現象を生じ、頚椎症や頚部後縦靭帯骨化症などの疾患を発生させます。

ルシュカ関節は椎間孔(頚神経の出口)の一部を形成しています。ルシュカ関節は加齢的な変化によって滑膜が肥厚し(厚くなり)、次第に関節軟骨が変性し、椎間板の変性と相まって骨棘(骨のとげ)を形成します。ルシュッカ関節の変性は頚椎症などの疾患を発生させます。
頚椎症性神経根症とは頚髄から枝分かれした頚神経根(神経の根元)が頚椎症性変化により圧迫され首~肩~腕~指への痛み、シビレ感、筋力低下などをもたらす疾患です。尚、症状は障害をうけた頚神経の領域に現れます。診断は診察所見とレントゲン検査、MRIにて確定されます。
頚椎症性脊髄症とは頚椎症性変化により脊髄が圧迫され神経麻痺を来たす状態を言います。症状として上肢の痛み、シビレ感、筋力低下、運動障害、歩行障害、直腸膀胱障害(尿や便の排出が異常を来たし失禁状態になる状態)などを認めます。診断は診察所見とレントゲン検査、MRIにて確定されます。局所症状例とはレントゲン検査で頚椎症性変化を認めても、頚神経根や脊髄に異常所見がなく、神経が壊れていない状態を言います。
局所症状例とはレントゲン検査で頚椎症性変化を認めても、頚神経根や脊髄に異常所見がなく、神経が壊れていない状態を言います。
頚椎症性神経根症や頚椎症性脊髄症の診断と治療は、原因の違いこそあれ、頚椎椎間板ヘルニアとほぼ同様です。
症状は首の痛み、運動障害、肩の凝りなどの軽度な症状に始まり、次第に特徴的な症状として首を後ろに反ると肩甲骨や腕に走る痛み、腕から指にかけてのシビレ感を訴えます。さらに、症状が進行しますと、字が書きづらい、物が摘みにくい、ボタンの付け外しが困難になる、腕や指に力が入らないなどと訴え、足が突っ張って歩きにくい(痙性歩行)、おしっこや便の出具合が悪い(直腸膀胱障害)などの症状も出現します。
治療は、まず日常生活動作での注意が必要です。症例によっては装具療法として頚椎カラー固定をおこないます。痛みに対しては非ステロイド系抗炎症剤、筋弛緩剤、ビタミンB製剤を投与します。リハビリテーションとしては温熱療法、頚椎牽引療法、頚部のストレッチング、筋力強化訓練を行います。経過の長い症例や難治例では神経ブロック療法(トリガーポイントブロック、肩甲上神経ブロック、星状神経節ブロック、頚部硬膜外ブロック、神経根ブロックなど)を検討します。

基本的な痛みの治療法

織が傷つくと炎症が起こり、痛みが発生します。
炎症を取り除くために安静を行い、非ステロイド系抗炎症剤を投与します。炎症が強い症例では必要に応じて注射療法を検討します。痛みが発生することによって交感神経が緊張します。その結果、血管が収縮し、血行障害が引き起こされます。血行を改善する目的でリハビリテーションとして温熱療法を行います。難治例には交感神経の緊張を取り除くために神経ブロック療法を検討します。血行障害によって筋肉が異常に緊張し、筋線維が微細断裂し、発痛物質などが患部に停滞し、さらに痛みが増悪します。
筋肉の緊張をとるために筋弛緩剤を投与し、電気刺激療法や温熱療法を中心としたリハビリテーションを行います。疼痛が慢性化すると、筋力低下や関節拘縮が出現し、病状に対して不安を感じられます。適切な処置を行わないと痛みが悪循環してしまいます。筋力低下や関節拘縮に対して外用剤などを用いてストレッチ、筋力強化訓練、関節可動域改善訓練を指導し、頑固な関節拘縮に対しては注射療法を検討します。このような保存的治療法(手術しない方法)にて、痛みの悪循環が改善されない症例に対してはやむなく、最後の手段として手術的療法を検討します。

術式は、症例に応じて前方固定術と骨形成的椎弓切除術などが検討されます。どんな手術もそうですが、手術というものは得る物と失う物があるので、よく主治医の先生とご相談されることが賢明かと思います。
地域医療を担う我々整形外科開業医の多くは、長年蓄積された外科的技術があっても、現行の医療状況下では手術室、スタッフの確保および高額な高度医療機器の入手が困難なため的確な診断がされても、すべての症例を極め細やかに自院のみで取り扱う事は出来ません。従って、限られた環境の中で、診断がされると極力保存的治療に努めます。しかし、難治例や急を要する症例や悪性所見を疑わせる症例に対しては、出来るだけ速やかに高度医療機器を有し、各種の手術機具を設備し、優秀なスタッフを有している病院へ紹介する事を第一と考えます。

非ステロイド系抗炎症剤は、プロスタグランジンの合成酵素であるシクロオキシゲナーゼ(COX)の働きを阻害し、発痛物質を抑制して抗炎症作用や鎮痛作用、解熱作用、抗血栓作用をもたらします。整形外科では主に消炎・鎮痛作用(炎症を取り除くことによって痛みが緩和する効果)を期待して投与します。
古くは、ヒポクラテスが痛み止めとして抗炎症作用を有する「ヤナギの木の樹皮」を用いたのが始めてと言われています(ヤナギの樹皮にはサルチリ酸が含まれているため痛みに効きます)。非ステロイド系抗炎症剤の開発はアスピリンに始まり、現在では約70種類ほどあります。
最近ではCOX2選択的阻害剤の開発によって副作用の少ない非ステロイド系抗炎症剤が出現しております。COXにはCOX-1とCOX-2の2種類があり、COX-1は全ての細胞に存在し、生体の保護に働く善玉のCOXです。COX-2は炎症部位にのみ出現して働く悪玉のCOXです。従来の非ステロイド系抗炎症剤は善玉のCOX-1も抑制するため、胃腸障害や腎障害などの副作用が出現しやすい薬でした。COX2選択的阻害剤は選択的に悪玉のCOX-2のみを抑制するため、副作用が少なく、効果も優れていると考えられています。
さらに、坐薬を使うのもよい方法ではないでしょうか。坐薬は直腸の粘膜で吸収されるため消化管への負担が少なく、肝臓で代謝を受けず静脈より全身へ作用するため速やかに血中濃度が上昇しますので鎮痛作用に優れています。

ご不明な点がありましたら、何なりと医師、看護師、リハビリ士にお聞きください。

第31回吉峰病院映画楽会

月日:6月18日
時間:午後1時より
場所:3階食堂にて
題目:一心太助・天下の一大事

今回は中村錦之介の出演映画です。この映画は、こども時代に見ています。錦之介が主役の太助を演じる「一心太助・天下の一大事」は、映画の出だしから、錦ちゃんの生きの良さ、威勢の良さが際立っています。もうとびきりのピチピチさで、あれほど江戸弁をかっこよく言えて、あれほどキレのある演技・動作ができる役者が錦之介以外にいるだろうかと改めて思いました。
この映画は全編を通して、月形龍之介の頑固だが、品があって、情の厚い彦左衛門役が素晴らしく、見事に作品を締めています。親分と慕う彦左衛門を思うばかり、庭の空き地を取り壊しにきた悪者の旗本側の木場の連中を迎え撃とうと待機している太助と、その行為をいさめる彦左衛門。太助の気持ちを痛いほど感じながらも、太助に出入り禁止を告げてしまう彦左衛門の苦渋と太助の悔しさと哀しさの入り混じった表情が迫ってきて観るものの胸を打ちます。そして、映画の後半、彦左衛門が馬を走らせて太助を救いに向かい、顔を見合わせて太助!親分!と呼び合う場面ではとうとう泣かずにはおれません。映画は、彦左衛門と太助の主従関係とでもいいますか、お互いを尊重し、慕い合う間柄が見事に描けています。多分にそれは、錦ちゃんと月形龍之介の二人の篤い演技に負うところが大きいと思えてなりません。役者が違えばこれほど見事に描くことはできなかったのではないだろうか。また、錦之介は魚屋の太助と将軍家光役の二役で、殿様役もうなるほど上品で美しく、錦ちゃんファンの私にとっては、殿様姿もたまらなく嬉しかった。「一心太助・天下の一大事」は心あったまる珠玉の痛快娯楽時代劇です。映画を観終わって、妙に「絶望」「一心如鏡」「天下の一大事」というキーワードが頭の中を順番にかけめぐっていて、違う意味でも印象深い映画となりました。なかでも錦ちゃんの口から発せられた「一心如鏡」は特に気に入っています。「一心太助・天下の一大事」は、キラキラ眩しすぎる錦ちゃん、私の大好きな錦之介ワールド全開映画です。
ぜひ、ご覧ください。