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コスモス新聞

コスモス新聞 病院からのお知らせ、ちょっとしたエピソード、医療に関するお話、患者様よりお寄せ頂いたメッセージ、思い出の映画など情報満載です。

コスモス新聞第187号

肩こりとは

「肩こり」という表現は、実は日本特有のものなのです。
 もちろん欧米人に「『肩こり」と同じような症状は起こりますが、彼らは「肩こり」という表現はあまりしません。「首が痛い」とか「背中から肩にかけてしびれる」などというように、具体的な場所や状態を説明することが多いそうです。一般的に日本人は欧米人に比べ体が小さく筋肉も細いため、筋肉が疲労しやすく、肩こりになりやすいと言われています。
また、仰向け寝が一般的な日本人に比べて、うつぶせ、横向き寝をする習慣の人が多い欧米人とでは、背中が自然に丸まり、肩や背中の筋肉への負担も少ないことから肩こりになりにくいのでは?という意見もあります。肩こりと同時に訴えられることが多い症状、それは「頭痛」です。 
ひとくちに頭痛といってもその種類はいろいろですが、肩こりと同時に起こりやすい頭痛は「筋緊張性頭痛」と呼ばれます。痛みの場所は、緊張している筋肉の種類によって様々ですが、側頭部や後頭部が痛むことが比較的多いようです。締め付けられるように頭が重かったりします。
しかし痛むと言っても、血管の拍動と同じリズムで痛むことはあまりありません。そこが片頭痛との違いです。筋肉が緊張すると起こる頭痛なので、逆に緊張が緩むと症状は楽になります。例えば、お風呂にゆっくり入って肩と首を十分に温めると、頭痛が軽くなったりします。

肩こりで一番気になる症状が、カチカチに肩が固まってしまう「こり」。
そもそも「こり」とは、どういう状態なのでしょう?。肩こりの「こり」の正体は、ズバリ「筋肉の緊張」です。では、なぜ筋肉が緊張してしまうのでしょう?
筋肉は、立っているとき・座っているときは当然ながら、私たちがぐ~ぐ~寝ている時さえも、絶えず働いています。もちろん寝ている時の方が重力の影響が少なくなるので、その仕事量は少なくなりますが、筋肉って24時間休みナシの働き者なのです。筋肉の役割は体を動かすことだけでなく、伸びたり縮んだりすることを繰り返すことによって、血液の流れを促進させるポンプとしての働きもあります。
筋肉を長時間使い続けると、そのポンプ作用が追いつかなくなり、血液の流れは悪くなります。
血流が低下すると筋肉は酸欠状態になり、疲労物質を排泄することができにくくなります。それでも筋肉は働き続けるので、疲労物質はどんどん蓄積されます。この繰り返しによって、筋肉は柔軟性を徐々に失っていき、硬い筋肉に変わっていきます。これが、いやな肩こりのコリコリ筋肉の正体です。

姿勢
人間の体には様々な筋肉がありますが、ほとんどの筋肉には相反作用を持つ筋肉があります。それらの筋肉は互いにバランスを取っているのですが、姿勢が乱れるとそれら筋肉のバランスが崩れ、筋肉に余計な負担がかかることとなり、ひいては肩こりというツライ症状を招くことになります。 猫背の人、いつもうなだれている人、片側ばかりで荷物を持つ癖のある人などは、ちょっと姿勢を見直してみたほうがいいかもしれません。人は4足歩行から2足歩行に進化した結果、4足動物よりも重力の影響を大きく受けるようになりました。この重力などの外力を最小限に抑え、なおかつ重たい頭を支えるためにも、「姿勢」というのはとても大切な概念となります。
良い姿勢とは、つまり「筋肉や骨の働きが最小ですむ、最も効率の良い姿勢」ということになります。

では、姿勢が崩れるとどのようなことが起こるのでしょうか?
具体的な例として、パソコンに向かっている時の姿勢を思い浮かべてみましょう。姿勢は両手を前に出し画面を覗き込むように顎を突き出した姿勢になっていることが多いと思いませんか?
このように前方に傾いた姿勢で数時間作業を続けると、首の後ろの筋肉は大きな負担を強いられます。
通常、人間の頭の大きさは4~5㎏程度ありますが、これを首の前後の筋肉で支えています(重心がしっかりと中心にある状態です)。しかし、頭を前に突き出し重心が前に移動すると、首の後ろの筋肉に大きく負担がかかることになります。重心が約5㎝前にずれれば頭の重さの2倍! 約8㎝ずれれば頭の重さの3倍!
こんなに大きな負担が、首の後ろの筋肉にかかることになってしまうのです。
頭部が前方にあり、背中が丸まった姿勢では、首から肩にかけての筋肉は少し伸びた状態で力を使うことになります。この状態を『遠心性収縮』と言います。
この状態で、通常の2~3倍の頭の重さを支えなければなりません。また、胸の筋肉は少し縮んだ状態で力を使うことになります。
筋肉の伸張性は日常の環境によって大きく変化します。いつも同じ姿勢をしていると、その姿勢にあった筋肉の長さに変化してしまいます。
上肢の交叉性症候群は、肩甲骨に付く筋肉のうち、あるものは緊張して短くなり、あるものは弱くなって長くなってしまうもので、肩の位置が前へ移動してしまうことからコリを感じます。位置が前方に移動することで、頭の位置も前へ突き出るようになり、頭の重さを支えるために首から肩へかけての筋肉が慢性的に緊張し血行不良となる結果、肩こりとして感じるようになるのです。
さあ、こうなると大変です!
立った状態でもパソコンをしている時と同じ様な姿勢になってしまいます。
つまり、立っていても座っていても、常に首~肩に大きな負担がかかっていることになるのです。
この状態が長く続くことで、慢性的な肩こりになってしまうのです。

次はエクササイズについて

●ストレッチされている筋肉を意識しましょう。
●全身の力を抜き、痛みがない程度に行いましょう。
●呼吸は止めずに、吐きながらゆっくりと伸ばしましょう。
●反動をつけずにゆっくり行いましょう。
●その日の調子に合わせ、適度に毎日行いましょう。

胸筋のストレッチ
壁から少し離れて立って腕と肩とを水平にし、前腕(肘から手の部分)を壁に固定する。腕と同じ側の足を一歩前に出し胸を突き出すと、胸の筋肉が伸びる感じが得られる。そのままの状態を10~15秒保ち、終わったたらゆっくり元に戻す。反対側も同じように行い、それぞれ2~3回繰り返す。
続けて前腕を上げ、同じように胸を突き出す。すると、胸の筋肉の斜め下でストレッチ感が得られる。そのままの状態を10~15秒保ち、終わったたらゆっくり元に戻す。反対側も同じように行い、それぞれ2~3回繰り返す。

広背筋・肩甲下筋のストレッチ
下半身を安定させるために椅子に座る。背筋を伸ばし片腕を耳の横に上げ、肘を曲げる。するとストレッチ感が得られる。より伸ばすように上体を傾けるとさらに良い。その状態で呼吸を止めず、10~15秒保ち、終わったたらゆっくり元に戻す。反対側も同じように行い、それぞれ2~3回繰り返す。

胸鎖乳突筋のストレッチ
椅子に姿勢よく座り、首を後ろに反ることで首の前面をストレッチし、20秒ほど静止する。次にそこから首を右後方に反り、左首の前面がストレッチされるのを感じたら10秒ほど静止する。同様に左後方に反り、ストレッチ感を得る。

僧帽筋のトレーニング
下半身を安定させるために椅子に座る。脇を軽く開き、肘を後ろに引いていく。
左右の肩甲骨を引き寄せながら下げるようにし、背中の筋肉が収縮し硬くなるのを感じながら5秒ほど静止する。これを10~15回もしくは少し疲れる程度に繰り返す。

入浴のすすめ

肩こりの原因の一つとして、血行が悪く、筋肉の老廃物が溜まってしまい、筋肉が硬直してしまうことが挙げられます。こんな原因で肩こりが起こっている場合は、ゆっくりとお風呂に入ることで、老廃物を外に出し、血行を良くして新陳代謝を高めることが肩こり解消に効果的です。肩までつかる入浴法は短時間なら良いですが、ゆっくり入ろうとすると心臓に負担がかかることがあります。そこでおすすめするのが「半身浴」です。
「半身浴」には、血行が悪くなりがちな下半身を温めることにより、心臓に負担をかけず、なおかつ全身の血液循環を良くする働きがあるのです。

リハビリ療法

牽引療法:
首を固定し器械などで引っ張り、頚椎を伸ばすことによって椎間板の負担を軽くする方法。神経への圧迫や筋肉の緊張を取り、患部の血行を良くすることで症状を改善します。

電気刺激療法:
弱い電流を皮膚についた電極に流し、それによって筋肉を収縮させたり、神経を興奮させたりし、運動機能を回復させる方法です。血流や疲労物質の排泄がスムーズになり、肩こりが軽減されます。

ホットパック療法:
保温性の高い素材が中に入ったパックで患部を覆い、長時間温める治療です。深部まで温めて血流を良くし、筋肉や靭帯の緊張をほぐし痛みを和らげます。

注射:
痛みが強い時に行いますが、頻回に行うものではありません。

飲み薬:
・消炎鎮痛剤...炎症を鎮めて痛みを和らげる薬で、一般的に処方される薬です。外用薬の湿布などにも含まれていることがあります。
・ビタミン剤...神経の障害を修復する働きのあるビタミンB12や、血行を促がすビタミンEが処方されます。
・筋弛緩剤...筋肉の緊張や痛みを改善する作用のある薬で、消炎鎮痛剤の働きを高めるために処方されます。

「肩こり」を何とかしたい!と思い、マッサージ治療を受けたことがある方は多いのではないでしょうか?
最近は、10分単位などで手軽にマッサージを受けられる「クィックマッサージ」などというものもよく見かけますね。
けれどマッサージを受けた翌日などに、受ける前よりつらくなってしまうことがあります。これを『もみ返し』と呼びます。もみ返しは、筋肉の組織に対して必要以上の刺激が加えられたり、硬くなった筋肉を無理にもみほぐそうとした時に、一時的に筋組織が炎症をおこした結果起こります。
このようなもみ返しを体験をされて、マッサージを受けるのが苦手になってしまった方もいるのではないでしょうか。
マッサージには血行を改善する効果がありますが、「何事も過ぎたるは及ばざるが如し」です。
マッサージを受ける際の注意事項を参考の上、マッサージ治療を受けるようにしましょう!