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コスモス新聞

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コスモス新聞第180号

今年は暑い

今年は例年より暑さが強いようです。熱中症の報道も多くなっていますのでもう一度お勉強をしましょう。

熱中症とは、体の中と外の"あつさ"によって引き起こされる様々な体の不調であり、専門的には「暑熱環境下にさらされる、あるいは運動などによって体の中でたくさんの熱を作るような条件下にあった者が発症し、体温を維持するための生理的な反応より生じた失調状態から、全身の臓器の機能不全に至るまでの、連続的な病態」されています。(熱中症という漢字には、読んで字のとおり「熱に中る」という意味をもっています。)
熱中症は、熱波により主に高齢者に起こるもの、幼児が高温環境で起こるもの、暑熱環境での労働で起こるもの、スポーツ活動中に起こるものなどがあります。

労働中に起こるものについては、労働環境改善などにより以前に比べ減少してきているとされていましたが、近年の環境条件により増加傾向が伺われます。また、スポーツなどにおいては、一時増加傾向にあり、その後減少に転じましたが、下げ止まりのような状況になっており、依然、死亡事故が無くならない状況にあります。
熱中症というと、暑い環境で起こるものという概念があるかと思われますが、スポーツや活動中においては、体内の筋肉から大量の熱を発生することや、脱水などの影響により発生します。
熱中症は、いくつかの症状が重なり合い、互いに関連しあって起こります。また、軽い症状から重い症状へと症状が進行することもあり、きわめて短時間で急速に重症となることもあり、大変に身近なところでおきます。そのため、十分認識しておくことが必要です。

水分補給は

あまり感じることができないと思いますが、普通の生活を送っていても、寝ているだけでも"汗"はかいています。それが運動時となると、とても多くの量の汗をかくことになります(だから、汗をかいたと意識できます)。汗の元は、血液中の水分です。この水分はどこから摂りいれたかというと、食事や飲み物からというように辿れます。汗をかくということは、体の中から水分を外へ出してしまうということです。汗をかいてしまったら補わないと体の調子は悪くなります。悪くなった状態を脱水といいますが、この脱水した状態は、体の不調を起こすだけでなく、危険な症状を起こす原因となります。この危険な症状が熱中症なのです。よって、水分を補給しなければならないということとなります。
水分補給の考え方は、このかいてしまった汗を、食事や飲み物をとることによって補う、ということです。ただ、水だけをとっても、吸収のスピードがあまり良くないため、脱水からの回復はあまり見込めません。では、何をとれば、吸収スピードが早くなり、回復が早くなるのかというと、それは塩分です。また、汗をなめると少しだけしょっぱいものです。これは、汗の中に塩分が含まれているからですが、水分と同様、塩分も一緒に外に出されてしまっている、ということを表しています。よって、水分を補給するときには、一緒に塩分を摂ることが大切なこととなります。

ここまでの話では、とても薄い塩水、もしくは、水と一緒に食塩を摂るようにということとなります。水と一緒に食塩を摂ることに問題は少ないかと思いますが、薄い塩水を飲むのは、あまりおいしいものではありませんし、飲みたいという気持ちもおこりにくくなります。そのため、薄い塩水に、糖分(砂糖など)を混ぜることによって、おいしくて飲みやすくするということを行っています。これが、スポーツ・ドリンクということとなります。また、糖分を一緒にとることによって、運動時のエネルギー補給を狙うという考えがあります。長時間の運動をしていると、エネルギー不足となってくるといわれています。その不足を補うために、糖分をとって、エネルギーを持続させようとするものです。

以上が、水分補給の考え方となりますが、整理すると、以下のような流れとして理解をしてくださればと思います。

1.水分をとることは絶対に必要
2.その時、塩分を一緒にとると吸収、回復が早い
3.さらに糖分を加えると効果的

これををふまえた上で、具体的な方法についてを考えてみましょう。

「乾いたな」と思ったときには既に遅し、体は脱水をしてきています。心拍数も上昇し始め、運動のパフォーマンスは落ち始めているはずです。

飲むものは自分にあったものを見つけてください。運動の強度が強いとき、暑く感じているようなときは早めに、運動時間が短く、強度が低いなどのときは、少し遅めにするなど、感覚を重視して調整をしてください。また、発汗した量を目安にして、それに応じた水分補給をすると、運動後の疲労感は少なくなります。量と温度は、上記を目安に、飲みやすいものを見つけてください。涼しければ常温くらい、暑ければ冷たいもの方が飲みやすいです。よく、運動後に多量に飲むのを見かけますが、食欲を無くす原因になり、また、吸収にとても時間がかかってしまいます。運動後には、時間をかけて、ゆっくり飲んでいくようにすべきです。
何を飲むかについて、自分にあったものなら何でもよいでしょう。水は買うまですることなく、水道水でよいと思います。
1時間程度の短時間の運動には水だけで十分ですが、長時間にわたる運動の場合には、糖分とミネラル分をを含んだものの方がよいと思います。おすすめは、スポーツドリンクを半分を目安に、自分の好み加減で薄めたものです。炭酸や、甘すぎるもの、カロリーゼロ飲料などはすすめません。また、人工甘味料を多く使用したものに注意が必要です。多量に摂取するとお腹がゆるくなるなどの症状がでるものがあり、運動時には多量に飲むことが考えられるため避けるべきと思います。

塩分は発汗とともに失われるのでその補給と、体への吸収をよくします(浸透圧の作用)。糖度3~5%は、このくらいが吸収をよくする作用があり、甘味があると飲みやすくもあるためです。
日頃から水分を多めにとることによって、暑さによるストレスに強くなります。食事の妨げにならないようにすることが原則で、運動の前中後、入浴前後、就寝、起床時が1番良いでしょう。尿の色や回数を目安にしてください。
量について、一度に多量に水分を摂ると、吸収が悪くなり胃にもたれます。1回に200ミリリットル以下として、時間をかけて飲むようにするとよいと思いますまた、お酒を飲むと脱水傾向となるので、補うように水分を摂るとよいでしょう。飲み物の種類は、なんでもかまわないと思います。カロリーや、カフェインなどに注意をすれば良いでしょう(コーヒーやお茶系のものはカフェインが含まれています。就寝前に飲むようなことは避けたほうがよい)。
コーヒー、お酒には脱水作用があります。特にお酒の場合、アルコールによる抗利尿ホルモンの抑制作用によって、尿の排泄の回数が多くなります。よって、体から水分が失われ脱水傾向となってしまいます。コーヒー、お酒を飲むときには、いつも以上の水分摂取を心がけてください。
ミネラルウォーターについての注意です。日本の水は軟水です。硬水のもの(ヨーロッパのものに多い)は飲みすぎると、お腹をこわす場合がありますので注意してください。

体調管理は

運動をするということは、体を痛めつけているということと考えることができます。体に対して大きな負担をかけるということですので、その分、体は弱くなってしまうものです。ただし、適切な休養をとることによって、回復することができますし、少しだけ以前よりも強くなることができます。これがオーバーロード(過負荷)の原則とよばれているものです。
ただ、負担が強すぎると、回復するのに長い時間がかかってしまうため、効率的ではなく、間違えるとケガになってしまいます。
また、暑い環境などで運動を行なうことも、運動の負担を大きくする要因です。暑いときには、普段の(暑くない)環境と比べ、疲労の度合いは大きくなることは、経験からもご理解いたただけるものと思います。
体に負荷(負担)をかけるためには、体の調子が良い状態でなければなりません。そうしないと、もっと弱くなってしまいます。また、負担をかけすぎたり、かけてから十分に回復する前に、負担をかけてしまうと弱っていく一方となってしまいます。
そのため、まず、運動をする者は、自らの体の調子を良い状態に保つということが大切なことです。また、この運動をしていくなかで、常に良い状態を保つということは、強くなっていくということと同じ意味です。
同時に、環境条件や、個人(自ら)の状態などを総合的に把握して、適切な運動を行なうということが重要となるものです。
このような自己管理や体調管理は、強くなるため、上手くなるため、運動を続けていくために、とても大切なことです。
暑いためや、水分のとり過ぎ、通常より運動量の増加、睡眠不足などによって、体調が悪くなることが多い時期です。そのままにしておくと、疲れが貯まる一方で、ケガを誘発する原因にもなりますが、オーパートレーニング症候群とよばれるような症状をおこすことがあります。

オーバートレーニングとは、運動によって疲労が蓄積された(慢性疲労)状態で、ホルモンの分泌バランスが崩れた結果、発熱や頭痛、体重の減少やイライラ感、不眠、生理が止まる(女性)などが何日も続くなどの様々な症状を呈するものを言います。とくに、新入生、一年生などに多く発生します。これは、運動になれていないことや、体力が弱いということに起因します。
予防をするためには、まず、現在おこなっているトレーニングの負荷強度を適切なものにする必要があります。以下のようなことがみられた場合にはトレーニング強度が強すぎる、運動量が多すぎであり、オーバートレーニングに陥りやすくなります。
まず、トレーニングの強度を弱くする、トレーニング量を減らす、運動を中止して休息を十分にとるなどの必要があります。さらに、起床時の脈拍数を毎日測定し、それをまとめておくと疲労の度合いを目極めるのに有効です。

根本的には、運動と休息と栄養のバランスが保たれたものとすることが重要です。睡眠時間については、最低でも8時間は寝るようにし、かつ、就寝と起床の時刻を一定に保つことが大事です。
また、暑い時期は、スポーツドリンクを飲む機会が多くなると思いますが、飲みすぎると糖質のとりすぎによって疲労の原因にもなります。飲む量に見合ったビタミンが必要となり、特にビタミンB群がよく含まれるような食事を心がけるとよいでしょう。

くれぐれもご注意を