香川県高松市での整形外科・内科・健康診断・予防接種は吉峰病院へ。

English

コスモス新聞

コスモス新聞 病院からのお知らせ、ちょっとしたエピソード、医療に関するお話、患者様よりお寄せ頂いたメッセージ、思い出の映画など情報満載です。

コスモス新聞第18号

"教育とは子供と共に歩むこと"

最近、新聞などに"いじめ"の問題が取り沙汰されています。
「・・・当時ギリシャでは、どこの家にも奴隷がいました。通学途中、危険にあわないようにとの配慮から、学校に通う子供の送り迎えをする奴隷もいました。学校によっては彼らのための控室を用意したり、教室でその授業に立ち会っている場合もあったようです。だから家に帰ると、彼らは家庭教師に早変わりして復習の相手をしていました。」そういう仕事をするのがパイダゴーゴスです。「子供を連れていく者」という意味で、これが教師、教育という言葉の語源になったのです。
教師にとって一番大切なことは"子供と一緒に歩くこと、生きること、いつでも側にいて見守り、世話をすること"という素朴で際限のない仕事なんだと考えさせられています。また"・・・教師である以上、パイタゴーゴスの流れをくむと共に、ソクラテスの流れもくまなくてはなりません。生徒と日常生活の中で徹底的に付き合い、面倒をみるだけでなく、その日常性を越えたところで、もっと深い所で彼らと向き合う必要があるのです。"それは彼らが日常生活の中で顔をそむけて、まともに見ようとしない自分を見つめ直させる事です。
これがソクラテスの言う「魂の世話」です。
魂の面倒をみる。それは本当の自分を探させ、見つけ出させることを言うのです。医師は教える。魂の付き添い人。
「・・・医者という意味のDOCTORはラテン語のDOCERE(教える)から来ています。DUCERE(導く)EDUCARE(教育する)と同族であって、中世の医師会ではDOCTORと呼ばれる資格のある医者だけが教える人であったわけです。」
また医学・MEDICINEという言葉はラテン語の動詞、MEDEOR(癒す)に由来し、現在でもMEDICATION(投薬)、REMEDY(医療)という言葉で使われています。                           
このMEDEORはMEDITOR(瞑想する)と同族で、いかに医学が心を使って癒すかをよくあらわしています。また、ついでに述べると運動療法、作業療法、精神療法、遊戯療法など療法をあらわすのにTHERAPYという言葉が使われています。
これもギリシャ語THERAPEIAからきています。看護を意味する言葉です。ギリシャ語で医者をあらわす言葉はIATROSで、これが何を意味しているかは明らかになっていませんが、ヒルマンは「再び温めるもの」であるという説を述べています。「かき立て、活気づけ、死と戦うもの」であると。
初心に帰ろう。
教育と医療の根源を探ってみると、"魂の世話をする"教育と"魂の付き添い人"である医療者に到達してしまいます。
教育、医療とも混迷の時代に入っていると叫ばれていますが、道に迷った時は、初心に戻る事が結局は早道ではないでしょうか。
例えば、大病院での臓器移植、新しい機械での検査などをする医者のみが高度医療として持てはやされ、全人間的なふれあいとか、看護とかは現代医療の中では軽視される傾向があります。
キューブラー・ロスという心理学者は、死の床にある病人の心を深く研究した人です。
彼は"医学は人道的で尊敬される学問であるべきなのか、それとも人間の苦しみを和らげるよりも命をのばすことだけに役立つ新しい科学であるべきなのか"と問いただしています。医学が人道的な尊敬される学問であり続けるためには、医療にたずさわるすべての人が医の原点に立ち戻って「病める人の魂の付き添い人」になる努力をしなければならないと思います。
"魂の世話"をする人たちも同じです。現代の教育は「連れ添って歩く」ことから遠く離れて、子供達の可能性を押さえつけているようにみえます。
教育の危機はそれに携わる人々がその本質を見つけ出す努力を怠ることからはじまるのです。
医療も教育も人間再生を求めて、その初心に立ち戻り、再出発をしなければ、現在の迷路から脱出することはできないでしょう。

骨の話 第二回

前回は脊椎について話をしましたので、今回は他の骨について話を進めます。

・胸郭
1コの胸骨と12コの胸椎、12対の肋骨から出来ています。円錐カゴ形の骨格で、この中に肺、心臓、胃、肝などが入っています。肋骨と胸骨が斜め、上下に動くことによって肺の中に空気が出たり入ったりします。例えれば、観光バスの座席の背についている折り畳み式のコップ立てみたいなものです。使わない時はたたまれていてペチャンコですが、使う時にはコップを楽々と入れることが出来ます。

・助骨
12対の骨があり、上から下に行くにしたがって長くなります。第7~8が最も長く、それより下ではまた短くなります。余談ですが、ウマの肋骨は18対、ブタは14対、ウシ、ネズミ、ネコは13対、クジラは11対です。
《肋骨骨折》
"肋骨はたくさんあるから1本ぐらい折れたって、だいじょうぶだよ"と気前のいい人もいますが、呼吸時に骨にひびく痛みが出現し、咳をしたりすると増強します。骨折も直りやすく、折れていても気がつかない時もあります。とはいっても、骨折に違いありませんので、それ相当の痛みもあり、鎮痛剤、固定などの治療が必要です。原因は交通事故の他、何かにぶつけたり、またゴルフ好きの人はクラブを振りすぎたりした時、自分の筋力で肋骨を折ることもあります。"おほねおりプレ-(お骨折プレ-)"といわれています。肋骨が多く折れたりするとフレールチェスト(胸壁動揺)がおこることがあります。これは肋骨骨折の中でも最も重症で、併発する胸膜損傷、肺損傷などにより気胸、血胸を起こし、呼吸障害に陥ることがあり、人工呼吸器、ドレナージが必要になることもあります。

・胸骨
巾広い偏平な骨でネクタイみたいな形をしています。ネクタイは心臓のおまもりが変化してできたものといわれています。この胸骨ネクタイは外からは見えませんが、皮膚のすぐ下にあるので指で触れやすく、骨も薄く、針で比較的簡単にさすことができます。骨髄検査の好適な場所になっていて、一生、造血作用を営んでいます。(四肢骨は成人になるとだんだん造血作用が減っていきます。)上肢

・鎖骨
小さなカギの意味があり、ローマ時代の戸締まりの鍵の金具に似ていることからつれられました。左右一対あり、上肢を良く使う人、サルではよく発達していて、鳥類では特に大きく、食肉類のイヌでは退化しています。痩せた人ではこの骨が胸の上部に浮き上がってみえます。骨折の仕方は鎖骨に直接外力が加わって折れる事は少なく、手をついた時、上腕~肩口にかけてぶつけた時にように伝わった力によって骨折することの方が多いようです。鎖骨の役目は肩を正常な位置に保つことにありますから、骨折しますと肩が前に、下方にずれるような事が起こります。

・肩甲骨
肩甲の"甲"は硬いカラの意味で、英語では"肩の平板blade"ラテン語では"scapula"と言います。これは掘る"skaplein"からきているといわれ、掘る道具の形をした意味らしいです。肩甲骨は鎖骨とともに上腕骨を固定しています。

・上腕骨
適当に大きく、ほぼ真っすぐな長骨で足の脛骨とともに骨らしい形をしています。関節は関節窩は浅くなっていて、運動の制限が少なく、どの方向にも回り、体操をしたり、ボールを投げたりすることができます。また動きやすいという長所が時には欠点になることがあります。ラグビー、フットボールなどで転倒した時に脱臼をしてしまうことがあります。できるだけ早く整復することが大切で、ほっておくと一生肩が使えなくなることがあります。

・前腕
前腕には橈骨、尺骨と二本の骨で形成されています。親指側が橈骨、小指側が尺骨になっています。二本がうまくかみ合うことによってネジったりすることができます。手のひらを上に向けるような運動を回外、手の甲を上に向ける運動を回内といいます。この回外、回内運動とはネジを締めたり、ドアのノブを回したり、カギを開けたり、カンキリで缶を切ったりする時に大変重要です。《肘内障》幼児に起こりやすく、前腕を回内位で引っ張ったりすると起こしやすい。これは橈骨頭が肘関節の輪状靭帯から半分抜けたような状態になり、すなわち亜脱臼が起こっています。かかりやすい年齢は靭帯が弱く、骨頭の形成が未熟な年齢に起こります。

昔は5歳を過ぎると起こりにくかったのですが、最近は小学生の低学年でも起こる事があります。治療は簡単で手早く回外、屈伸を加えれば治癒します。泣いている子がすぐニコニコ笑ったりしますので、整復されているのが確認できます。〈手の骨〉手の骨は手根骨、中根骨、手指骨にわかれています。

・手根骨
手根骨は手首のところにあり、8コあります。不規則な形をしていて、月状、三角、豆状、舟状、有鈎などの面白い名前がついています。手根骨のうち、舟状骨は手掌に強い力が加わった時に折れやすい骨だが、折れていてもネンザと間違える事がありますので、レントゲンをとることを忘れないで下さい。

・中手骨
手の平の骨で5本あります。つまり上腕、前腕、手首、指とだんだん骨の数が増え、手仕事がしやすいようになっています。

・手指骨
指の骨は母指のみ2節、他の4本は3節よりなっています。アメリカのことわざに"Hisfingerareallthumbs"「彼の指は皆親指なみだ」があります。つまり親指は動きが鈍いということを意味し、彼は全く不器用な奴だということになります。〈下肢の骨〉下肢の骨は下肢帯(寛骨、二つの腸骨、恥骨、座骨)、大腿骨、下腿骨(脛骨、腓骨、膝蓋骨)足骨(足根骨、中足骨、指骨)からできています。

・寛骨
ラテン語でoscoxaeとかき、お尻の骨という意味です。英語でもHipと言われています。日本語では"広い骨"寛骨と言われ、広いという意味です。寛骨は腸骨、恥骨、座骨が軟骨でつながっているもので、青春期以後は骨化し一つの骨になります。左右一対あります。

・骨盤
骨盤は左右の寛骨、第五腰椎、仙骨、尾骨から形成されています。分娩に必要な骨盤孔があり、当然のことだが、この孔は男性より女性が大きく、男女の性差が最も明瞭にあらわれています。骨盤の大きいことは女性に多く出来る"トンビ座り"が容易にできます。男性にはしたくても出来ないようです。
赤ちゃんが生まれる時、この骨盤孔を通り抜けなければならないが、胎児の頭がどこかにつかえると分娩不能になります。レントゲンをとり、あちこちの円径を計り、産道が狭ければ帝王切開も考えなければなりません。

・大腿骨
上肢の上腕骨に相当する重要な骨です。上腕骨とは異なり、体重を直接支え、しかも相当複雑な関節運動も可能で、ダンスや体操にも活躍しています。大腿骨の近位は"く"の字に曲がり、その先の骨頭部は球状の関節面になっていて、寛骨臼にすっぽりとはまっています。上腕骨のようには簡単には抜けたりしませんが、老化現象などで骨がもろくなると、くの字に曲がった所に負担がかかると折れやすくなります。《大腿骨頚部骨折》大腿骨頭部の球形関節面の真下が折れてもの(内側骨折)、首の下部が折れたもの(外側骨折)と区別されています。内側骨折は転倒などの比較的弱い外力によっても簡単に起こりますが、治療は簡単ではなく長い時間を要します。その理由は、この部分はもともと血の循環が悪い所だし、骨膜におおわれていない為、骨膜性骨新生もなく、最も力のかかる所が折れているため早期よりリハビリを始めることが出来ないなどの悪条件も重なり、骨癒合もはかどらず長時間を要することになります。又、長時間の臨床のため骨折が治癒しても老人の場合は寝たきりの状態になってしまう事もあります。これに比べ、外側骨折では血行が良好であるから骨癒合も起こりやすく、治療期間も短期ですみ、寝たきりになることも少ないようです。《先天性股関節脱臼》昔は先天性といわれていましたが、現在は生まれた時は正常であったにもかかわらず、その後の育児法(オムツなどの当て方)が悪くて脱臼を起こしたものが多いという報告があります。この疾患は"早期発見、早期治療"が何よりも大切で、発見が遅れたり、治療が正しくなかったりした時には、一生、歩行時の跛行と疼痛に悩まされたりします。発生頻度は1%位だが、女子に多く、男女差は1:6になるといわれています。現在3ヶ月までに診断をすれば、リーメンビューゲルという装具をつけることにより完全に治癒します。

・脛骨
これは人体中2番目に長い骨でラテン語をtibiaといい、笛のsebiから由来したものです。古代人はこの骨に孔をあけ、フルートみたいに吹いていたようです。この骨は機能的にも重要で大腿骨にかかる体重をこの上端で受け、足首の骨に伝えています。ただ体の他の骨と違って全体が筋肉で囲まれているのではなく、その周囲の1/3は直接皮膚に接しています。すなわち足の皮一枚めくれば、すぐ骨になります。ですから昔から言われる「弁慶の泣き所」になるわけです。骨の表面を覆う骨膜に知覚神経が張り巡らせれていますので、何かで直接この部分をぶつけたりすると飛び上がるほど痛くなるのです。(余談)「すねに傷をもつ」とは自分の身に後ろめたい所があるため、十分な活動が出来ないという意味に使われます。スネにキズを受けると骨まで痛むことが多く、歩けなくなり、体の運動が制限されるようになるからと思われます。・腓骨脛骨とならんだいる骨です。はっきり言えば無くてもあまり困らないので骨移植などの場合に骨が必要な時にこの骨が使われます。

・膝蓋骨
膝蓋骨patellaは"膝のお皿"で、ラテン語ではpatereから由来し"広く開く"又、patera"供物皿"の縮小語で"小さな供物皿"を意味します。この膝蓋骨は元来、種子骨であり爬虫類以下の動物にはみられません。この膝蓋骨の機能は膝関節の保護をする。大腿骨四頭筋の腱の引っ張り方向の変化をさせる。下腿の伸展力を増大させる。などがあり、歩行に重要な役割をしています。足の骨足の骨は足根骨、中足骨、0趾骨の3種26コの骨からできてます。また骨の他に20の筋肉、116の靭帯からできていて、それが協力して動いています。

・足根骨
手の手根骨に相当します。踵骨、距骨、舟状骨、立方骨、3コの楔状骨からなっている。体重はまず距骨にかかり、その次に踵骨にかかる。これは"かかと"の骨でアキレス腱が付着している。その骨の先に舟状骨と楔状骨、立方骨が並んでいます。また踵骨、中足骨、足指骨でアーチをつくり、バネの作用をしています。車でいえばショック・アブソーバの役目をしています。

・中足骨
各指に相当し5本の骨があります。metarsal boneといいmetalは"間"、tarsalは足の平たい部を意味しています。これはギリシャ語のTarsosから来ています。

・足趾骨
手の骨と同じように母趾のみ2コ、他の4趾3コの骨よりできています。外反母趾が問題になることもあります。若い人の中にはハイヒールをはいていると足の趾が締め付けられ、爪先だちで歩いているようになります。そうすると筋肉がいつも緊張して細くなり、足を長くみせることが出来、男性を魅了します。しかし体重が拇指の関節に加わり、しだいに外側に向くようになり、痛みが出現します。これを外反母趾といいます。何事もほどほどに。次回は骨の構造、骨の成長についてです。お楽しみに。

今年もよろしく、お願いします。

コスモス新聞を発行して、一年が過ぎました。
我ながら、なかなか頑張ってきたと感じています。
しかし、これも読んで下さった患者さんがいてくれたからこそ、続けられているのです。ありがたい事です。
読者の数は問題ではなく、本当に読んで下さる方が一人でもいるかぎり、発行し続けるつもりです。従業員たちも、このコスモス新聞を繰り返し読んでくれる事によって、患者さんへの病気についての説明が、よりわかりやすくなってきました。
このコスモス新聞で、誰が一番得をしているかといえば、文章を書かせてもらっている私ではないでしょうか。
新聞を出すために、常日頃から勉強をせざるをえないからです。そして学んだ事を皆さんにお伝えする事で労せずして復習させてもらっています。
又、新しいテーマを書くためには、かなりの準備がいりますが、これもまた勉強になります。
だから共に学ぶ場としてコスモス新聞を続けます。ご支援下さい。