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コスモス新聞

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コスモス新聞第176号

後期高齢者医療制度について

平成20年度4月から、あたらしい「医療制度」に変わります。現在の老人保健制度は平成19年度で廃止され、平成20年4月から新しい「後期高齢者医療制度」が始まります。
これに伴い、被保険者となる75歳以上の後期高齢者等については、現在加入している国民健康保険や社会保険などから後期高齢者医療制度に移行することになります。

香川県においては、県内17市町すべてが加入する「香川県後期高齢者医療広域連合」が運営します。具体的には、広域連合において保険料の決定、医療の給付などを行い、市町では保険料の徴収や申請・届出の受付などの窓口業務を行います。

後期高齢者医療制度って?  わかりますか?
これは2006年の小泉政権時の医療制度改革関連法の一つとして、成立したものですが、多くの人がその中身を知りません。
私もよくわからないので、少し調べてみました。そうするとこんなひどい法律があるのかとびっくりしました。それで今回はこの法律をとりあげてみました。

後期高齢者医療制度は、75歳以上の人が、全員強制的に加入させられる医療保険制度です。いま加入している国民健康保険、共済(組合)健保等から抜け、後期高齢者医療制度に加入させられます(生活保護受給者をのぞく)。障害者や寝たきりの人、人工透析患者は65歳以上から対象になります。

この新しい制度の目的は
(1)高齢者から確実に、より多くの保険料をとる
(2)高齢者の医療を制限して、入院や長期療養を困難にする
(3)保険料が払えなければ、保険証も奪う
というものです。

所得が低く病気が多いハイリスクな後期高齢者だけを集め、他の医療保険から切り離すことで、今後医療費が上がれば、保険料の値上げか医療水準(診療報酬)の引き下げかの二者択一を迫るひどい制度なのです。

健保の保険料に替わって、新たに後期高齢者医療保険料を徴収されます。厚生労働省の試算では保険料は、年金収入が年間208万円の人を基準に月平均6200円(年7万4400円)です。保険料は県ごとに決められるため、高齢者医療費の高い県などでは2割増しの試算が出されています。しかも将来、高齢者がふえるにつれて保険料が自動的にあがるしくみになっていて、2015年には、月平均7000円にもなると見込まれています。
さらに、保険料の徴収方法が世帯ごとから個人ごとへ変わるため、これまで保険料負担がなかった被扶養者(家族)からも保険料を徴収することになります。1300万人の後期高齢者のうち被扶養者は200万人。「扶養家族で、息子の健康保険に入っている」という人も保険料をとられることになります。
75歳という年齢が指標になりますので、夫76歳で健康保険本人、妻は74歳で被扶養者というような場合、夫は後期高齢者医療制度、被扶養者だった妻は75歳未満のため、国保に加入しなければならなくなり、国保の保険料を支払わなければなりません。
さらに月1万5000円以上の年金受給者は、保険料が年金から天引きされます。すでに天引きされている介護保険料とあわせれば月1万円以上、引かれることになります。減免制度もありますが、自動的に天引きされますので、減免は都道府県ごとにつくられる広域連合に申請しなければなりません。
広域連合には一般財源がなく、自治体の一般財源から減免に当てることも禁止されます。その上、広域連合で独自の減免制度をつくって赤字が出た場合、国の交付金が減らされるペナルティまであります。そして広域連合の会議は半年に1日程度しかありません。そのため、値下げなどの住民の声が伝わらないのは明らかです。大変なことです。

今回の制度導入にあわせ、65歳~74歳の年金生活者も国保料が年金から天引きになります。この天引きによって、分納などの相談もできなくなります。一方的な天引きは、生きることのできない、ましてや一人暮らしの高齢者を多数生み出すことになりかねません。

次に問題なのが、厚労省は診療報酬の「包括払い」を検討し、高齢者の医療を制限しようとしていることです。診療報酬とは病院や診療所などでおこなう医療や検査、投薬などに対する医療保険上の支払い額です。「何をやっても同じ額」というのが包括払い。病院や診療所からすれば検査や治療などをやればやるほど赤字になるしくみなのです。「病院に来ないでください」と断わられる可能性が高まります。
とくに入院医療は深刻になりそうです。長期にわたる治療が必要な慢性疾患患者は、高齢者に多くいます。しかしその高齢者が「包括払い」になれば、病院からは敬遠されかねません。入院患者も病院から追い出さることにつながります。

2005年、「終末期の適切な評価」とは何かと聞かれて厚労省の医療課長は「家で死ねっていうこと」「病院に連れてくるな」と語っています。入院患者を追い出せば、医療費は安くすむはずだという考えが現れています。
全国腎臓病患者協議会は、高齢者の透析の受け入れ先がなくなり、透析医療が危機に陥るのでないかと懸念を強めています。透析患者にとって透析は命綱です。将来、後期高齢者の医療費がふくらんでくれば、75歳以上は、透析を制限する、インシュリンの注射もほどほどにということになりかねません。
年齢で医療に差別を持ち込む制度は、世界にも例がありません。

さらに問題なのは、国保では70歳以上には禁止されてきた資格証明書が発行されるようになることです。1年間保険料を滞納すれば、資格証明書や短期保険証が発行されます。月1万5000円以上の年金受給者は、年金から天引きです。したがって、滞納しようがありません。滞納が生まれるのは、1万5000円未満のわずかな年金受給者です。低所得者ほど医療を受ける権利が奪われることになるのです。
資格証明書を発行されると、保険が効かなくなり、いったん全額自費で払う必要があります。

病気で医療機関にかかる

医療費がかかって保険料が払えない

資格書を出されてさらに医療が遠のく
という悪循環を生みます。

社会保障制度が低所得者を排除するのです。

以前、NHKテレビで「もう医者にかかれない」というタイトルの番組が放映されました。その中で厚労省の国保を担当する課長補佐が「負担した人にだけ給付がある」「一銭も払えない人は対象にしていない」などと豪語しましたが、これと同じことが高齢者に持ち込まれようとしています。お金が社会保障への「参加費用」だということです。
こんなことを考えている厚労省のお役人のご両親がもし、病気になって診察してもらえなっかたら、どうするのでしょうか。
小泉政権時代の遺産です。小泉さんはお金持ちですから、関係ないのでしょう。つらい、困ってる人がいても気にしないのでしょうね。人にとって、人間として、何が一番大切なのでしょうか。

小さいときから、親、先生などから、弱きを助け、強きをくじく。困っている人には手を差し出しなさい、わが身を犠牲にしても。と教えていただきました。それが日本の善さであり、誇りを思っていました。たぶん、厚労省の役人さん、小泉元総理も教えを受けていたと思うのですが......聞いてなかったんですかね。
こんな本末転倒な制度をなぜ導入するのか。

私なりにいろいろ考えてみましたが、どう考えてもこういうことになってしまいました。
政府は国の医療費負担を減らし、そしてその結果、企業の医療費負担も減らすことに最大のねらいがありように感じます。
政府は、1980年代の「臨調行革」の時代から一貫して、「社会保障に国のお金を使わない」政策をすすめてきました。83年から老人医療費を有料化し、翌84年には、健保本人の1割負担を強行しました。さらに国民健康保険の国庫負担を総医療費の45%から38・5%に引下げました。97年には健康保険本人の患者負担を1割から2割に、04年には「国保も3割だから」と3割にしました。
たぶん、政府は社会保障制度をなくしたいと思っているわけではないとおもいます。政府は、「高齢者社会を迎え、社会保障財政はたいへんだ。だから持続可能な制度にするために、国民に負担をお願いするんだ」といいつづけていますが、実際はお金をとることにkは熱心なのに、国民への給付にはあまり関心がないようです。そのホンネは『消えた年金』問題に見事に現れています。国が本当に関心を持っているのはお金を取り続ける制度を「持続」させることです。
このような方法は限界にきていると思います。政府の政策が国民の不信感をあおり、その結果、医師の労働はいっそう過酷となり、産科や小児科が地域から消える医療崩壊を招きました。救急車のたらいまわしなどはこの政策が招いたものなのです。今回の診療報酬改正でも公的病院を救うためのものが多く見られています。、もっと、もっと、もっと医療の崩壊が進んでいくかもしれません。
結局、小泉、安倍、福田政権とつづく社会保障改悪が浮き彫りにしたのは、国や大企業の負担だけが軽くなったという現実です。「福祉のため」であった消費税は、法人税の減税などに消えただけでした。医療・介護から「軽症」「軽度」を排除するという考えも持ち込まれ、療養病床の削減(38万床から15万床に)、リハビリの日数制限、介護保険の軽度者からの車いすやベッドのとりあげなどがおこなわれました(06年)。そしていま、もっとひどい悪法が検討されているかもしれません。

現在、アメリカでは大統領選挙の予備選挙、真っ最中です。
10数年前から、アメリカの医療が崩壊寸前で、これをどうにかしなければアメリカは崩壊するといわれていました。そのために現在の大統領候補の一人であるヒラリークリントンさんが日本の医療保険制度を見習い、これをアメリカに導入しようと訴えました。企業の反対にて実現しませんでしたが、今回もヒラリー候補は以前と同じ考えを訴えています。
アメリカは日本の保険医療制度を何とか導入しようと考えていますが、日本の政府はなぜか世界で評価されているこの保健医療制度をなくそうとしているのです。なぜなのでしょうか。

3月27日に当院の看護師によるシップの効果的な使用方法の講演会が当院3階食堂行われました。たくさんのご参加、誠にありがとうございました。
これからも講演会、映画楽会、夢工房などが目白押しです。
ぜひ、ぜひご参加ください。