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コスモス新聞

コスモス新聞 病院からのお知らせ、ちょっとしたエピソード、医療に関するお話、患者様よりお寄せ頂いたメッセージ、思い出の映画など情報満載です。

コスモス新聞第164号

骨折とは

骨折から受けるダメージはお年寄りにとって致命的と言われています。でも、骨折では若いから大丈夫と言うわけではありません。まして、足の骨折では歩くのが大変なのです。今回の事で「立つ」ことがいかに大変であるかを私は思い知らされました。立ったり座ったり歩いたりすることは難事業なのです。骨は何にも言わないで、人を支えているのです。人間は四つんばいから立つことによって、手をフリーにしてはじめて人間となり得ました。「立つ」ことと「言葉」を持つことは人間にとっては二大難事業でした。
寝たきりになると、たちまち呆けるといわれています。私はこの3日間、ほとんど本が読めませんでした。好きな本もほとんど読めませんでした。足の小さな骨ぐらい折ったって精神生活には関係がないだろうと思いがちですが、それが違うのです。
私にとって下駄骨折は、ほとんど死んだような日々でした。幸い、いいスタッフに恵まれて、やっとのおもいで病院と自宅を往復、最低の診療は出来たものの―患者さんに励まされ、励まされ―。
ギプス後、時々私は足を見つめることが増えました。手はよく見つめることはあったのですが、足を見ることはほとんどありませんでした。足の爪をつむ時、めんどうくさいなあ、お年よりはどうやって足の爪をつんでいるんだろうか、と思ったりしたこと位でした。
足は五体を支えている。精神を支えているといってもいいかもしれません。
いつもお年寄りの診察時「ころばないでね!ころんじゃだめですよ!」と繰り返します。誰もころぼうと思ってころぶ人はいません。ですから、ほとんど意味がないかもしれませんが、骨折は極端かもしれませんが死を意味することもあるのです。
ということで今回は骨折を取り上げました。

下駄骨折

通称、下駄(ゲタ)骨折と言われる骨折があります。昔、下駄が通常の履き物として使われていた時代に多かった骨折です。しかし現在でも足がねじれた時などに運が悪いと骨折します。足のⅤ趾側の甲の骨の根元が折れるのです。(第5中足骨基部骨折)
ゆかたにゲタ、ウチワに花火、スイカに風鈴と夏の風物詩は暑さを忘れさせるものがありますが、履き慣れない下駄には恐ろしい危険が潜んでいるのです。それがゲタ骨折なのです。簡単に言えば足がねじれて起こるのです。
足を内返し捻挫した際に、下腿より足の外くるぶしの後方を通って第5中足骨基底部に付着する短腓骨筋腱が引き伸ばされ、その腱の牽引力により捻じ切れるような感じで骨折が起こります。骨折型は斜骨折やらせん骨折を呈することが多く、足首の捻挫として処置され骨折が見逃されるケースもあります。骨のずれがある場合は手術による処置を行います。通常は固定により6週ぐらいで骨の癒合が完成します。お恥ずかしいながら私の右足はあと1ヶ月以上不自由しなければなりません。
どこにも出かけられず私の青春はもう終わってしまい、これから春だというのに、楽しみも期待できません。

傷ついた骨の修復過程

1.症期 骨折直後~数週間(2~3日後がピーク)です。
損傷を受けた内部組織や内出血した血液などが免疫細胞によって取り除かれ、
免疫細胞の活動と血流量の増加によってひどく腫れます。
2.修復期 骨折数日後~数週間から数カ月かかるときがあります。骨折部位によりかわりますが。
仮骨が形成される時期
仮骨は柔らかく弾力性があり、レントゲンにはなかなか写りにくい時があります。
3~6週間たつと、この仮骨にカルシウムが沈着して石灰化し、硬く強くなって徐々にレントゲンにも映るようになっています。
3.リモデリング期 何カ月間も続く事があります。骨が元の正常な状態に修復される時期のことです。仮骨が少しずつ再吸収され通常の強い骨に戻っていく時です。
修復期の初期では、仮骨の形成に必要なタンパク質の摂取が何よりも大切です。
で、この先はやっぱりリハビリが重要になります。固定期間が経過し、仮骨形成がほぼ完成されたら固定を除去し、物理療法(低周波や温熱療法、マッサージなど)を併用しながら徐々に回復訓練(リハビリ)を行います。この回復訓練や物理療法は、本来の機能にほぼ回復した状態に戻るまで繰り返されます。ギブスで固定されていた足関節の可動域回復と弱った筋力の強化がポイントです。

足の骨の構成

足部には、踵(かかと)や足関節(足首の関節)などを構成する足根骨と足の甲を構成する中足骨があります。

距骨(きょこつ)
踵の骨(踵骨)の上で、その上面は、下腿の脛骨および腓骨と共に足関節を形成します。
また、その下面は、踵骨と距踵関節を形成し、距腿関節と距踵関節を合わせて足関節という場合もあります。
一方距骨の前面では、舟状骨と関節しています。

踵骨(しょうこつ)
文字通り「かかと」の骨で、その上面は距骨と前面は立方骨と関節しています。

舟状骨(しゅうじょうこつ)
距骨・踵骨よりも末梢側(指先側)に舟状骨と立方骨が並んでいます。
舟状骨が内側で立方骨が外側にあります。
舟状骨は、その中枢側(後ろ側)で距骨と関節し、末梢側(前側)では、内側・中間・外側の三つの楔状骨と関節しています。
舟状骨は、これらの足根骨とともに、足の縦アーチを形成し、そのアーチの頂点に位置します。
偏平足では、この舟状骨が下がって、足の縦アーチが低くなっています。
また、舟状骨の内側に、過剰骨が発生することが多く、この過剰骨のことを外脛骨(がいけいこつ)と呼んでいます。
この外脛骨に痛みを発する場合を有痛性外脛骨(ゆうつうせいがいけいこつ)といいます。

立方骨(りっぽうこつ)
踵骨の前方に位置し、踵骨と関節を形成する他、立方骨の前面では、第4及び第5中足骨と関節しています。

楔状骨(けつじょうこつ・きつじょうこつ)
楔状骨は片足に内側楔状骨、中間楔状骨、外側楔状骨の三つ存在し、それぞれ内側から第1中足骨、第2中足骨、第3中足骨と関節しています。
また後方では、舟状骨の前面と関節しています。

中足骨(ちゅうそくこつ)
足の甲に位置する足指の延長のように長い骨です。
母趾(親指)側から第1中足骨・第2中足骨といい、第5中足骨までの5個で構成されています。

趾骨(しこつ)
足指の骨。母趾は2個の骨からなり末梢(指先)側を末節骨、中枢(指の付け根)側を基節骨といいます。
また、その他の4趾はそれぞれ3個の骨からなり、末梢側より末節骨、中節骨、基節骨といいます。

骨折の一般的症状及び後遺症

一般的症状

一般的な骨折の症状に限局性圧痛というものがあります。限局性圧痛とは、指で痛めた箇所を押すと骨折部位に限局して圧迫痛を触知するもので、例えば転んで手を突いた後に手首のあたりが痛くなったら手首の骨を押してみてください。その時に骨の上だけ強い痛みを感じたら骨折の可能性が高いといえます。また、骨折により明らかに骨が曲がり強い腫脹が起こったとき、その骨折部位を押すと「ぎしぎし」または「ぼきぼき」や「ぐずぐず」といった音を触知します。この音は軋轢音(あつれきおん)といって、骨折して割れた骨どうしがこすれて起こるもので、骨折特有の症状でもあります。
骨折を起こしたまたは起こした疑いのある場合は、患部を布やひも、三角巾、タオル、包帯などで固定してください。また、あしや背骨、頭などの場合は、できるだけ患部を動かさないようにして搬送する方法を選択してください。そして速やかに専門の医療機関で治療を受けてください。
骨折を起こし、骨がずれて曲がってしまうことを転位(てんい)といいますが、このずれを矯正しないと曲がったまま骨がくっついてしまいます。こうなると見た目の悪さだけではなく、機能的にも障害を残すことになるので、必ず専門家による検査と整復を受けてください。

変形治癒

骨折時の骨のずれがきちんと整復・矯正されていない場合や、固定が不十分で整復された骨があとでずれてしまった場合などの原因で、骨が曲がったまま癒合(くっついてしまった状態)したもの。
粉砕骨折など整復困難な骨折などで整復が保持できなかった場合などが原因で変形治癒に至ります。
変形治癒を起こすと美容的問題ばかりでなく、周囲の組織(血管、神経、筋、腱など)を圧迫したり、正常機能を損なうことがあります。

過剰仮骨

骨折の程度や骨折の部位によっては、通常よりも仮骨(骨折した骨を接合する仮の骨)が過剰に出現することがあります。また、骨折時の骨のずれ(変形)がきちんと整復・矯正されていないとやはり過剰に仮骨が出現します。このような過剰仮骨により関節が動かなくなったり、いつまでも慢性的な痛みが取れないなどの後遺症を生じることがあります。