香川県高松市での整形外科・内科・健康診断・予防接種は吉峰病院へ。

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コスモス新聞

コスモス新聞 病院からのお知らせ、ちょっとしたエピソード、医療に関するお話、患者様よりお寄せ頂いたメッセージ、思い出の映画など情報満載です。

コスモス新聞第163号

これでいいのか、リハビリは

昨年の4月より医療法、介護保険の改正が行われました。制度的には大きな変換になったと思います。厚生労働省の政策と私達の治療、患者様、ご家族との思いに大きなギャップができてしまったように思います。医療保険では病状に関係なくリハビリテーションの日数制限が行われました。病名により180日、150日、90日と制限され、打ち切らなければならなくなり、その後は介護保険に移行しなければリハビリが継続できない状態になっています。

介護保険への移行もマンパワー、社会資源の不足があったりして制限をうけている方もいらっしゃると思います。介護保険制度に適合しない年齢や病状の患者様には大変な苦痛を与えたようです。

それよりも、リハビリを行ってせっかく良くなったのに、この制度の為リハビリを制限され良くなっていた機能が低下していくという報道がテレビや新聞で見聞きするようになってきました。

当院ではこのようは現状を少しでも減らせるように通院中であれ、入院中であれ、出来るだけリハビリを理解していただき、生活のなかでリハビリを取り入れていただけるように指導させていただきたいと思っております。実際の生活の中での動作全てがリハビリであるということを認識していただけるようにお手伝いしたいと思います。患者様ご自身ができることは積極的に行ってください。

判らないことは何なりとリハビリ士、看護師、医師にご相談ください。
リハビリテーションはリハビリ士のみが行うのではなく、看護師もリハビリに参加します。
その為に当院は新しい看護、リハビリテーション看護を行っていきたいと思っています。

リハビリテーションとは尊厳の復権という意味です。
Re=再び、habilis=ふさわしい、ation=~にすること、という意味です。
ふさわしいとは自分の納得の行く事だと思います。ですから、障害を持ちながらも、自分の納得できる新しい人生を創ることといえるのです。
看護の基本であるナイチンゲール憲章にはこのように書かれています。

「看護は、・・生涯を通してその最期まで、その人らしく生を全うできる様に、援助を行うことを目的としている」
とあります。

看護の目的は、リハビリテーションの目的と同じだと思いませんか?

リハビリテーション看護の役割は

①見つけてあげる。
どんなに小さな変化も見逃さない!
24時間側にいる看護師でしかできません。

②引き出してあげる。
看護師さんが関わるほど、患者さんが変わるのです。日常の中で、できない事を助けながら、できる事を増やしていく。

③生かしてあげる。
今ある能力は最大限生かせるよう手を出さず、目を配ります。
患者さん自身のやり方や工夫・努力を認め、意思や気持ちに寄り添っていく役目なのです。

④伸ばしてあげる。
訓練で身につけたことを日常化するために、リハビリプログラムに沿った個別の方法で、援助しながら繰り返します。
生活全てがリハビリの場と考えリハビリテーション看護が行われます。

⑤入院生活のリズム作り・離床促進します。
可能な限り、退院後の生活に近いスケジュールを組み立て、離床時間の延長を目指します。

⑥自分らしさを取り戻す働きかけます。
身だしなみを整え、興味のある活動や話題を見つけ、家族とともにすごす時間を大切にします。
食事・排泄・清潔・安全・生きがいetc.・・を。
基本的生活は可能な限り、人間的に、自分らしい方法を選択できるよう働きかけるのが看護の仕事なのです。

⑦患者さんの代弁者になります。
治療や訓練を、患者さん自身がどのように受け止め、感じ、取り組んでいるかをキャッチして、リハビリ士、医師にフィードバックします。

⑧介護者も安心と自信を得られるよう援助します。
病気や障害を知り、体験をし、段階的外出・外泊の経験の中で自信を得ていただきます。
また、効果的なリハビリテーションのためには、心身の安定が必要です。その為にも、栄養状態を整え、体力・免疫力も細かくチェックし、再発や病状悪化の兆候は早期発見し、二次障害や事故を防がなければなりません。

「ご自宅で療養する上でのアドバイス」

戦後、私達の家族形態は「大家族」から「核家族」へと変わりました。高齢者の約半数が高齢者本人のみの単独世帯か、高齢者同士の夫婦のみで暮らしているとの報告もあります。「夫の介護を高齢の妻が」あるいは「病床に伏した妻の介護を夫が」といった高齢の配偶者による『老老介護』という状況がでてきました。
 医療機関や介護保健施設等へ入院(所)されている方と違い、訪問介護やデイサービスなどの在宅サービスを中心に生活されている方にとっては、サービスを受けていない時間帯への不安や心配が多分におありでしょう。
しかしながら、今後の日本の医療・介護は、ますます在宅中心のものに移行せざるを得ない状況に追い込まれていきます。
ご本人はもとより、ご家族の方への身体的負担・精神的負担を少しでも軽減できるよう、微力ではありますがご助力できるよう努力していきたいと考えます。
 下記は、在宅で療養される際に安全・快適な生活を送っていただくためのワンポイントアドバイスとでもいいましょうか。
そのすべてを今回ご紹介することはできませんが、記憶の片隅にでも、とどめておいていただければと思います。

○ 車イスを利用する際には...
利用する際には、ブレーキとタイヤ空気圧の事前チェックを忘れずに! また、乗り降りの際には、必ずブレーキをかけるよう心がけてください。
ご家族の方は、ゆっくりとお散歩するようなスピードで押してあげてください。乗ってみると意外に怖いものですよ。室内に閉じこもりがちになると、本人はもとよりご家族のイライラも増えてきます。折をみて、車イスや障害者の方にも配慮されたショッピングセンター等へお出かけになるのも気分転換に良いかと思います。

○ 転倒防止で寝たきり防止!
 室内は明るい照明で、整理整頓を心がけてください。階段や玄関などの段差には、特に要注意です。高齢になると体が思うように動かなくなり、つまづき易くなります。冷えるからといってたくさん着込むことも転倒しやすくなる一因と言えます。
また、スリッパの使用を控えること、滑りにくいイボイボの付いた靴下を履いてみることも工夫です。

○ 食事はおいしく、自分で食べよう!
 握りやすいスプーンや滑り止めの付いた皿を使えば、利き手が使えない方でもご自分で食事を取ることができる場合があります。自分のペースで自分の好きな物を食べた方がおいしいですよね。嚥下障害のある方には、とろみ調整食品の購入をお勧めします。小骨の多い魚・固く大きい肉を避けたり、食材を小さく刻むことも必要です。
 また、私達の住む日本は四季折々の旬の食材に恵まれた国です。その時節に合わせた食材を取り入れることも、おいしく食事をとる秘訣かもしれません。
 ただし、高血圧症や糖尿病等の既往のある方は医師・栄養士の注意を守ってください。

○ ベッドで寝る派?布団で寝る派?
 ベッドは転落しやすい方には不向きですが、立ち上がり易い、通気性がよいなどの利点があります。ベッド柵に足を挟まないように注意しておけば、腰や足が不自由な方には良いと思います。介護されるご家族の方の負担も軽減されます。畳のほうが落ち着くという方は多いとは思いますが、生活スタイルを変えることも年齢・身体状況に応じて大切なことです。毎日の布団の上げ下ろしは大変ですよね。価格や部屋の広さも考慮してご一考ください。

○ 自分の体は、自分で予防!
 免疫力・抵抗力が下がると体調を崩しやすくなります。うがい・手洗いは、しっかり行ってください。風邪→肺炎→寝たきり という方も少なくないのです。インフルエンザが流行する季節には、ますます、お体をご自愛ください。
また、口の中を清潔に保っておくことも重要です。歯磨きはもちろんのこと、入れ歯もキチンと洗浄しましょう。おいしく食事をとるためにも大事なことです。食欲の低下は、「歯が痛い」「入れ歯の不具合で噛み合せが悪い」など、うまく噛めないことから起こることも一因としてあります。口腔内の細菌の繁殖を抑えることで、口内炎、嚥下性肺炎などの二次感染を予防でき、また、虫歯の発生を予防し、歯肉を強化することにより、歯肉炎、歯槽膿漏の予防をすることもできます。気分もさわやかになります。

リハビリテーションは患者様、医師、リハビリ士、看護師、介護士など全ての医療従事者、またご家族の協力がなければはじまりません。その為に何かと御不便をおかけするかも判りませんが、ご協力の程お願いいたします。