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コスモス新聞

コスモス新聞 病院からのお知らせ、ちょっとしたエピソード、医療に関するお話、患者様よりお寄せ頂いたメッセージ、思い出の映画など情報満載です。

コスモス新聞第147号

なくてはならないものそれは水。

香川県は今年の夏も水不足で大変な思いをしました。水不足になって初めて水の大切さを実感します。あの苦しい思いも今は忘れかけています。今回は人間にとって、いや生き物にとって一番大切な水をとりあげました。
生命の誕生にはまだたくさんの謎が残されていますが、「最初の生命」は海で誕生したといわれています。ここでいう「最初の生命」とは遺伝子をもった原始生命ということです。
なぜ、生命体が陸ではなく、海で生れたかというと、このような単純な構造の生命体の遺伝子DNAが太陽光線に含まれる紫外線により破壊されてしまう為、大気中では生存する事ができないからです。しかし、紫外線の影響が低い海の中でなら単純な生物もしばらくとどまることができ、その間に生命体は次の段階へと進化していったのです。水に守られた生命体...私達人類が存在するのは一種の奇跡なのです。

水は栄養の基

よく言われることですが、実に人間の体の60%は水でできています。新生児だとこの数字はさらに高く、体重の80%が水ということになります。もう少し詳細に説明しますと、生命の最小単位は細胞です。細胞はタンパク質、核酸、糖質などの生体高分子と呼ばれるもの、さらに脂質やさまざまなイオンなどが複雑な構造で組合わされていますが、これらの諸要素を結び付けているのが水なのです。水と言っても一般的な水ではなく、これは原形質と呼ばれるもので、ドロドロとしたゼリー状をしています。目に見えないほど小さい細胞の中で、水様分子が絶え間なく休まず動きまわり、生命を支えています。水の中にタンパク質、核酸、糖質などが浮かんでいて、それらを細胞膜という膜で取囲んだものが細胞なのです。このような細胞が20兆以上も集まって、ひとつの体を構成し、さらにその表面を皮膚がカバーとして覆っているのです。
これは人間だけではなく、生物は一見固体のように見えますが、ほとんどが「液体」「水」なのです。トマトの90%は水、リンゴは85%、魚は75%までが水です。人間の体の部分でいえば、血液の90%は水というのはわかるとしても、人の脳も80%は水。ものを見るための網膜も92%は水で、人は水に写してものを見ていることになります。
そう考えるといかに人間にとって、生物にとって、水が大事なものであるかわかっていただけるでしょう。
人間の体液の構造は、「海水」にきわめて近い性質をしています。その海水に似た体液は、個々の細胞が住みやすいように、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム、塩素といった成分を常に一定のバランスに保つように、微妙な調整を行っています。
この調整機能をホメオスターシス(恒常性維持機能)と言います。体の60%を占める水のうち45%までが、細胞内に封じ込められた水で、残り15%が、血液、リンパ液など、細胞の外にある水です。この細胞内液、細胞外液をあわせたものを体液と呼び、この体液が生命の維持、活動に重要な役割を果たしています。成人での血液の総量は5リットル、血液以外の体液の総量は1~2リットルです。
体液には電解質と非電解質があり、電解質にはナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウムなどの陽イオンと塩素、亜硫酸のような陰イオンといった成分があり、非電解質には燐脂質、コレステロール、中性脂肪、ブドウ糖、尿素、乳酸などの成分があります。
電解質は体液の化学的な骨組となるものであり、非電解質の方は、運搬や排泄に利用される物質だと言えます。
こうした体液の物質の濃度の違いにより、ホメオスターシス(恒常性維持機能)が働いて、必要な成分を吸収し、不要なものを排泄して生命活動をいとなんでいるのです。

1日に必要な水の量

体の活動を維持するために、人は絶えず水を摂取し、排泄し、循環させる必要があります。水の循環がスムーズにいっている間は生命活動が保たれ、生きていられますが、この循環がとどこおると生命活動はストップしてしまいます。
人間の体内からの水分排泄量は、静かに横たわっている成人男子で、1日2,000ミリリットル位です。もちろん体を動かした時や暑いと時などはそれ以上の水分が排出されます。不感蒸泄とは呼気に含まれる水蒸気として体外にはき出されたり、皮膚表面から感知できない程度に分泌される汗のことです。
これだけの量が毎日排泄されているので、これに等しい分だけの水分の補給が必要となります。ちなみに1日に最低でも500ミリリットルのおしっこが出ないと、不要な物質が体内にたまり、生命にとって危険な状態になります。
排泄された水分はただちに補う必要があります。
水分が不足すると、まず血液がどろっと粘りのある状態になります。こうした時に脳梗塞、心筋梗塞といった血管が詰まる病気が起こりやすいのです。
水を飲むことは健康を保つ上で非常に大切なのです。
脱水には水分の不足で起きるもののほかに、ナトリウムの不足で起きるものがあります。水不足型では細胞外液の濃度が高くなる(簡単にいえば血が濃くなる)ために浸透圧がかかり、細胞内の水が細胞膜を通って細胞外液のほうに出てしまい、からだの不調が起きます。ナトリウム不足型では反対に、細胞外液の濃度が低くなって細胞外から細胞内に水が移動してしまいます。その結果、血液の量が不足してしまうのです。汗は薄い食塩水といってよいようなものですが、ふつう汗腺では食塩(塩化ナトリウム)が再吸収されています。ところが発汗が激しくなると、この再吸収が追いつかなくなってしまうのです。
便秘に悩む女性の中には、水不足が原因の場合もあるんです。知っていました?充分水分を摂れば、便秘の解消にも繋がります。この便秘の改善にも、ミネラルウォーターが役立ちます。
便秘の原因には、食物繊維の不足、運動不足、不規則な生活、ストレスなどがありますが、水分の不足もまた大きな要因のひとつです。体内の水分が足りないと便が固くなって排泄されにくくなり、また消化液の分泌量も減ってしまいます。また、水は腸のぜん動運動を刺激し、排便を促す役割も果たします。とりわけミネラルの豊富な硬水は、腸を刺激する作用が高いと考えられています。
体が老化するということは、水分が減っていくことでもあります。老人になると50%以下になることもあります。老化とは乾燥することであるとも言えます。
水には基本的な新陳代謝の働きがあります。年をとるとともに体の水分が少なくなるのは、この新陳代謝がおとろえるため、体内でつくられる水の量が減っていくためです。細胞内の水には、カリウムイオンという微量成分が含まれており、老化に伴い細胞内の水が減ると、このカリウムが失われて、細胞の生命力がなくなっていきます。カリウムの減少は老化の確実な指標と言われるほどです。
ですからカリウムを含んだ水をきちんと飲んでいる人は年齢にくらべて老化が遅いということになります。また逆にナトリウムが増えるのも老化のしるしです。ナトリウムは水分が少なくなると細胞内に入り始め、神経痛や筋肉の老化などの異常を引き起こします。このように老化は水とおおいに関係があり、老化を防ぐには体に良い水をきちんとした取り方で取っていかなければなりません。
水の大切さを再確認していただけましたか。
    
日のあたらない邦画劇場
第14回吉峰病院映画楽会
題名 「同胞(はらから)」
日時:11月17日(木)
午後1時より上映
場所:3階食堂
いままで私が見た映画の中でも、もっとも感動的な映画の一つです。とある農村を舞台に、東京の劇団のミュージカル公演を実現しようと奮闘する村の青年団の活動を描いています。実際にあった話をモデルに、「男はつらいよ」シリーズの山田洋次監督が映画化。その村の青年団長のもとに、ある日、一人の女性が訪れる。その女性は、東京の統一劇場の代表として、この村でミュージカル公演を青年団主催でやってほしいと提案する。が、公演費用の高さにに二の足を踏む青年団だったが......。
劇中劇を村の人たちが一体になって楽しんでいるその様子がなんとも微笑ましく写ります。山田洋次監督作品の中でももっとも光る作品だと思います。
やさしさが節度を持って新鮮に眩しく光り輝いていた古き良き時代の日本。連帯意識が人々の心に生き生きと保たれていたあの頃。人と人の関係が疑う余地も無く心と心の繋がりであったあの頃。私が愛して止まない『俺たちの交響楽』(第6回映画楽会で上映)の原光景がここに蘇ります。この映画は少なくとも私にとっては「心の故郷」と呼んでも差し支えのない作品です。・・・とにかく『同胞』は山田洋次の作品群で屈指の名篇であることを実感します。
ぜひ、ぜひ、ご覧ください。