香川県高松市での整形外科・内科・健康診断・予防接種は吉峰病院へ。

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コスモス新聞

コスモス新聞 病院からのお知らせ、ちょっとしたエピソード、医療に関するお話、患者様よりお寄せ頂いたメッセージ、思い出の映画など情報満載です。

コスモス新聞第130号

わたしたちとリハビリ

リハビリとは何なのですか、よく聞かれます。辞書をみると全人間的復権とかいうよく分からない言葉がでてきます。そんな神様みたいなことを我々一人ではできませんので整形外科医、内科医、看護士、リハビリ士などが関わってはじめてできるのです。いまだにリハビリテーションは整形外科だと思っている方もいますが、リハビリテーションにはほとんどすべての科が関わっています。リハビリの「リ」が「再び」を表す接頭語であると言われていますが、それよりも新しい何かを作り上げる事がリハビリと思っています。さて、私の信じるリハビリですが、リハビリとは、あらゆる意味での「動きの障害」にどのように対応するかだと考えています。
まずは病気そのものが治癒するなら、病気を治すことが先になります。以前はこの段階をリハビリとは呼びませんでしたが、最近はできるだけ早くリハビリを行う事がよいとされています。たとえば、病気で安静をしいられている時、関節が硬く(拘縮)なりますので、関節可動域運動を行います。その際、温熱の効果を利用するなども付け加えられたり、運動障害を少しでも回復させるために、特定の肢位をとらせたり、筋肉の上の皮膚をこすりながら力を入れさせるような手技を行うこともあります。このリハビリが悪影響を及ばさないかどうかを全員で検討されます。社会的不利に対するリハビリでは、段差解消などの家屋改造で動きやすくしたり、外出をしやすくしたり、スーパーマーケットまでいける方法を考えたり、といったこともリハビリの範囲です。福祉給付で「動き」を代行するのもリハビリのひとつです。
微小の世界に目を転じますと、細胞とかDNAレベルの話から始まります。例えば筋ジストロフィーの発現に関与する蛋白質ジストロフィンを遺伝子操作で増やす試みも、ある意味では「動きの障害」への対応であり、リハビリとは呼べないかもしれませんが我々は関心を持っています。
看護もリハビリでは大切な事です。リハビリ看護は、本をめくれば嫌になるほど目に入ります。リハビリを看護に当てはめることはこれからのリハビリには大変価値があることと思います。ADLは看護の要点であり、その具体的方法を考えるのがリハビリ看護なのです。さらに、看護師は患者のニーズに敏感です。すなわち、訴えの裏を読むことができるのです。病棟においては「動けないこと」、「動けるようになるという希望」など心の中の叫びをとらえます。それが「動きの障害」の中で看護職でなければ察知できないことなのです。
看護職の行う「運動」へのアプローチはいろいろあります。機能障害そのものへの対応は、拘縮に向けられます。ベッドサイド拘縮予防などです。座位の取らせ方にも精通しているのが看護師なのです。当院の看護士はリハビリ看護をする上で、一番重要なADL評価・訓練のプロとなっています。病棟で患者さんと接する時間がどの担当者より長いのも看護士です。患者さんの動作のすべてを訓練に利用できないだろうかといつも考えています。リハビリ的にみるともっとも効率の良いのも看護師です。1日1時間しか触れていない療法士、数分しか触れていない医師とは違いもっとも長く患者さんのそばにいます。また、看護師はリハビリの監査役でもあり、訓練がうまく日常生活に活用されているかどうかを観察しています。

ADLの重要性

なぜ、ADLは重要なのでしょうか。まず、ADLが出来ないと生活が出来ません。障害が重くても一人で生活している人はたくさんいますし、逆にからだはうまく動いても、脳損傷などの患者さんは日常のことに介助が必要になります。そこで、体の動く動かない以外に、ADLを評価しておかなければならないのです。さらに、ADLは障害の回復が終わってしまったと思われてからでも改善していく可能性があるのです。
高血圧の運動とリハビリ
運動をしないでいると、肥満を来したりするために動脈硬化を招きやすく、またインスリン感受性の低下にもつながります。これらが結果的に高血圧になりやすくなるとされています。運動により高血圧患者の血圧が下がると言われています。この血圧低下の機序の一つとして、インスリン感受性が亢進し、インスリン濃度が下がり、インスリンのもつ血圧上昇作用が減るために血圧が下がると思われます。また運動が交感神経系の緊張を和らげ、プロスタグランジンを増やし、脂質代謝を改善し、その結果血圧も下がります。運動をすることで高い血圧がもっと高くなるのは危険です。そのため、力むようなアイソメトリックな運動は避ける必要があります。よく用いられる運動は歩行、ジョギング、自転車、体操などです。降圧剤を使用している場合、薬の特性にも注意が必要です。ですから、リハビリと内科、特に循環器系が大切になってくるのです。

リハビリと過用性筋力低下

横文字でOverworkweakness(過用性筋力低下)と呼ばれる病状をご存じでしょうか。末梢神経障害、例えばギランバレー症候群の患者さんが筋力増強訓練をやりすぎると、逆に筋力が落ちてしまう現象です。リハビリをする立場としては大問題になります。神経が挫滅したうえで運動負荷を加えると、筋蛋白と筋原線維蛋白が低下します。原因としては、以下のような代謝的要因が考えられている。末梢神経障害の場合、変性した神経線維の支配していた筋線維に向かって、他の神経線維が枝を出します。そのため普通でも枝を出している神経はより多くの枝をだし、働き過ぎになってきます。このような神経にとって、加えられた運動が大した量でなくても、過度の負荷となり、さらに機能亢進状態となり負担に耐えられず、神経障害が進んでしまいます。末梢神経障害の進行は、筋に神経原性変化や筋線維の壊死を起こし、血中クレアチニン燐酸化酵素(CPK)の上昇を招きます。ですから、運動が多すぎたときには血中CPKが上昇し、安静にしていると低下してきます。ですから、CPKは適切な運動量の指標なります。これも、リハビリと内科とは切っても切れない関係の一つなのです。
これからは整形外科医、内科医、看護師、リハビリ士がチームを組んで皆様のリハビリにあたりますので、御期待ください。

思い出の映画 タイタニック

今年も5月11日が訪れた。1955年のこの日、高松港沖約2キロで国鉄宇高連絡船「紫雲丸」が僚船と衝突し沈没。修学旅行中の児童ら百六十八人が亡くなった。衝撃の事故から今年は五十回忌。当時の新聞は、タイタニック号、洞爺丸に続く世界三番目の海難事故と報じた。犠牲者のうち百人は小、中学生。高知、広島など四県四校に及ぶ。徐々に沈む紫雲丸。「重心を失った小学生が甲板の手すりにすがりつき父母、先生、友人の名前を叫びつつ助けを求めた声、その姿...その光景は私の耳と脳裏から消え去っていない。四国新聞より抜粋。
今回はタイタニックを取り上げました。「ターミネーター2」のジェームズ・キャメロンが、これまでも数々の映画の題材となってきた史上最大の海難事故にラブストーリーをからめて描き出したスペクタクル・ロマン超大作です。
豪華客船タイタニックが処女航海に出発した。新天地アメリカに夢を抱く画家志望の青年は上流階級の娘と運命的な出会いを果たし、二人は互いに惹かれ合う。しかし、大きな障害が横たわるが、若い二人はそれを超えて強い絆で結ばれていく。しかし、航海半ば、タイタニック号は氷山と衝突。船はその巨体を冷たい海の中へと沈め始めていった......。
ほぼ実物大のタイタニックを建造したり、実際に沈んでいるタイタニックの撮影のために機材を開発したりと、ハリウッドの名に恥じない大作ぶりで、美術やCGをはじめとしてその絵作りの豪華さには圧倒されてしまいます。この映画はローズの回想として語られています。この構成は確かに巧いと思いました。演ずるグロリア・スチュアートの存在感と相まって、作品に深みを持たせています。とにもかくにも、アカデミーを総嘗めにし、興業記録もことごとく塗り替えた歴史的作品です。クライマックスは監督得意の技術をふんだんに取り入れた映像を見ることができます。音楽も綺麗で、沈没する際の楽団の人たちには感動しました。後半は様々な人間の死に向き合う様子がかなり細かく描かれていて感動します。死に直面した状況でも金持ちが優遇されるところなど実際にそうだったろうと思うと非常に辛くなりました。私はこの映画、いろいろと至らないところはあっても結構好きな作品です。