香川県高松市での整形外科・内科・健康診断・予防接種は吉峰病院へ。

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コスモス新聞

コスモス新聞 病院からのお知らせ、ちょっとしたエピソード、医療に関するお話、患者様よりお寄せ頂いたメッセージ、思い出の映画など情報満載です。

コスモス新聞第129号

知っていますか、医療制度

「治療費のことを心配せずに、誰もが具合の悪い時に医療機関にかかれるようにと作られたのが、医療保険制度です。この制度は国民すべての人が保険で平等な治療が受けられる制度で、諸外国にも誇れる制度です。ところが、政府は高齢化社会を迎え、医療保険財政の「危機」を強調し、毎年のように医療制度を変えています。昨年も一般病床か療養病床かを病院は選択を迫られました。
高齢化が進めば病気を持ったお年寄りが増えるのは当然です。老人医療費の自然増も医療保険財政の「危機」と考えることにも問題があります。それまでに当然打つ手を打たなかった政府の責任だと思います。
医療財政の危機論にしても、あれだけ騒がれている健保の赤字もある研究所によればまだ黒字であるというレポートもあります。国民の福祉を考えるならば介護・福祉の費用は国庫負担(我々の税金)で補うものだと思います。1972年には老人医療の無料化が国の制度として実施されました。ところが、80年代に入り、政府は次々と、医療制度を変えてきました。特に老人医療費はここ数年、自己負担が増やされ、一方、国庫負担は減額されております。どんな人でも病気になる事があります。みなさんの健康を守るお手伝いをしているのが私達医療者の仕事です。自分の健康に不安がある時は、貧富の差に関係なく医療機関にかかれる今の制度が維持できますよう、みなさんのご理解を是非お願いいたします。

医療費のしくみ

皆さんが医療機関にかかったときの、医療費について簡単に説明します。と言っても、医療費の仕組みは誠に複雑で、しかも毎年3月末に改定され我々医療者もすぐには理解できないような複雑な仕組みになっています。これが、診療報酬・薬価改定なのです。医療費(診療報酬)とは皆さんの診察でかかった、初診料(再診料)、検査料、注射・投薬などをすべてを、医療機関は診療報酬明細書(レセプト)に記載し、翌月初めの指定日までに支払い基金の事務所に届ける必要があります。
基金では月の中頃に専門家の委員が集まり、各医療機関より提出されたレセプトの審査を行います。ここで問題のあったレセプトや不明なレセプトは提出された医療機関に返戻される(翌月廻し)か、病名に合わない検査や投薬は減点されます。問題のないレセプトの医療費は3ヶ月後に各医療機関に支払われます。しかし、その後にも独自の審査を受け再審査があることもあります。

外来診療費のしくみ

病気で医療機関にかかったときの支払いは、皆さんが持っておられる保険証の種類、などで異なります。サラリーマン本人の負担は数年前から増加されました。
診察料
初診と再診で異なりますし、診療所と病院、一般・老人と乳幼児では診察料は違います。
再診料
その病気の2回目以降の診察料です。一般・老人では診療所と病院では異なります。
投薬料・薬剤料
薬剤料は薬価基準によって計算されますが、薬価は1錠何銭という現在では使われていない銭の単位で計算します。これも不思議な制度です。その他、調剤料、処方料、などが加算されます。診療機関で薬をもらわない場合(医薬分業)では、診療機関では処方箋料をいただき、調剤薬局では投薬料を支払います。調剤薬局の医薬分業制度は患者さんの自己負担は少し高くなりますが、どこの薬局でも処方を受けられるなどのメリットもあります。
入院料
入院料に関しては外来よりもっと複雑で簡単に述べることは出来ません。病院の体制、看護体制、環境、入院する患者さんの年令、疾患などで異なります。
入院料は入院時医学管理料・入院医療管理料・入院食事療養、看護料が基本でそれに投薬料・注射料・検査料・手術料・処置料・理学療法料等が加わります。しかし、一般病床と療養病床とではまた違ってきます。
入院医学管理料
一般病院では2週間まで、3ヶ月、1年、などと異なります。このように一般病院では漸減性が厳しく、急性期の治療が終われば早期退院を勧告される理由です。
入院食事療養費
温かい食事、食事の時間の配慮をする費用です。食事代の内自己負担金は決まっていますが、これは窓口で徴収するだけで診療報酬より引かれ医療機関の収入ではありません。
入院料の支払い
老人患者さん以外は、入院料のうち、保険種類での自己負担分を支払います。手術などで自己負担が多い場合は高額医療の還付があります。
ざっと述べましたが、このように医療費は分かりにくいことばかりです。不明な事があれば、受け付けの窓口で言っていただければ、医事課土田がご説明いたします。我々ももっと簡素な診療報酬制度を望んでいますが、ますます複雑になるばかりです。
今後は介護保険、在宅医療、慢性の老人医療など医療保険制度が変わるたび、ますますわかりにくくなるものと思います。
当院は今年より主として長期にわたり療養が必要な患者が入院する施設となりました。何かとご不便をおかけするかも分かりませんがご了承ください。不明な点はなんなりとご質問ください。

院内研修会について

これからは勉強会、映画楽会などを随時開催いたします。すこしでも皆様の健康に役立つよう、従業員一同邁進する所存でございます。
ぜひ、ご期待ください。5月は映画楽会、6月は勉強会を予定しております。

思い出の映画 ジョンQ

今月は医療制度ついて話をしましたので今回はアメリカ映画のジョンQを取り上げてみました。
最愛の息子を救うため最後の手段として病院を占拠した男の必死な姿を描いたサスペンス映画です。監督はジョン・カサヴェテスとジーナ・ローランズを両親に持つニック・カサヴェテス。父の影響を感じさせる秀作です。アメリカ社会における医療・保険制度の問題点を取り上げて社会に一石を投げかけました。
主人公ジョンは、妻と9歳になる息子マイクの3人で幸せに暮らしていました。ある日、マイクが野球の試合中に倒れ、病院に担ぎ込まれる。検査の結果、重い心臓病と診断され、生き延びるには心臓移植しかないと言われる。しかし、リストラされているジョンの保険は、高額な移植手術に適用されなくなっていた。ジョンは家財道具を売るなど金策に走るが、病院から退院勧告が出される。限界に達したジョンは拳銃を持って病院を占拠する。医師や患者を人質に、マイクの手術を要求するのだった。
ちょっと前には「判決前夜」という作品がありました。この作品も、息子を救うために父親が犯罪を犯すという構図です。最近、人間愛を取り上げた作品が増えているのはひょっとしてイラク戦争があるからなのでしょうか。
病院の経営者が「重病の子どもたちはほかにも大勢いる」「私たちは奉仕で医療をやっているのではない」という台詞があります。
国民皆保険の日本では考えらりません。この作品は「アメリカならでは」の問題点や保険会社のあくどさ提起いるわけではありませんが、今後の日本で起こってくるテーマかも知れません。
こういう映画を作るハリウッドの優れた点は、同時進行している社会的問題に向き合った作品をすぐに作り上げる点だと思います。この映画もその例に洩れずメッセージ性はちゃんと持っています。
この映画を観てわかるように制作費はそれほど高額であるとは思えません。日本でも十分製作できると思います。優れた作品を創るために最も必要なのは、やっぱり作る側の勇気の問題だと思いますが、どうでしょうか?
映画を愛する人間に悪人はいないですよね。