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コスモス新聞

コスモス新聞 病院からのお知らせ、ちょっとしたエピソード、医療に関するお話、患者様よりお寄せ頂いたメッセージ、思い出の映画など情報満載です。

コスモス新聞第120号

エコノミークラス症候群

この夏休み、海外旅行を考えている人は、ご注意!
今では、飛行機は私達の移動手段として欠かせない交通手段となりました。しかしながら、その飛行機に乗っているだけで、病気になってしまうかも知れないというニュースが昨年より日本でも頻繁に取り上げられるようになりました。
飛行機の座席から立ち上がって歩き始めたとたんに、胸が苦しくなって倒れてしまう病気、「エコノミークラス症候群」と呼ばれています。航空会社では、このエコノミークラス症候群の原因をこう説明しています:
「長時間下肢を動かさずに座っていると、太腿の奥にある静脈に血のかたまり(深部静脈血栓)ができることがまれにあります。この血栓が怖いのは、歩いている間にその一部が血流に乗って肺にとび、肺の血管を閉塞してしまうことです(肺塞栓)。当初、深部静脈血栓が航空機内のエコノミークラスの旅客から報告されたため、エコノミークラス症候群の名前で知られるようになりました。」
正式には肺動脈血栓塞栓症といいます。一般に「エコノミークラス症候群」と呼ばれていますが、エコノミークラス以外の座席に座っていても、この病気になることがあります。また、飛行機以外の交通機関(列車、バスなど)でも同様なことが起こりますから、最近では「旅行者血栓症」とも呼ばれています。
なぜ、このような病気になるのでしょうか。じつは飛行機の中はとても乾燥していて、湿度は20%位になっています。このため、体から水分が失われていきます。体の水分が失われると、血液の粘り気が増して、血がかたまりやすくなります。また、狭い座席に同じ姿勢で座り続けていると、股関節や膝の裏側が圧迫されて、足の静脈の血行が悪くなり、そのため血がかたまりやすくなります。それが血栓です。着陸後に立ち上がって歩き始めると、血流が急に増えます。すると、足の静脈にできた血栓が血流に乗って心臓に戻ります。心臓内は広い空間なのでそこで詰まることはありませんが、肺まで流れて行ったところで血管内に詰まります。
この病気は、なにも飛行機の中でだけ起こる病気ではありません。長時間の同じ姿勢と、部屋の乾燥という2つの条件がそろえば、どんな場所でも起こり得るのです。空調設備の完備した室内は乾燥しがちですから、この病気に気をつけなければなりません。机の前で長時間座る人、血がかたまりやすい人、足に怪我をした人、足を骨折した人は気をつけてください。妊婦さんや出産直後の人も血が固まりやすいので気をつけましょう。糖尿病や高脂血症、肥満といった生活習慣病をもつ人は、動脈硬化が進んで血栓ができやすいといえますので、やはり気をつけるようにしてください。
元気な人でも、サッカー選手など、ふだんから体を鍛えている人でも、起こりえます。また、足に血栓ができていても、その段階では痛みなどの症状はあまりありません。直前までピンピンしていた人が、突然、胸の苦しさを訴えて倒れてしまうのがこの病気の特長です。
この病気は予防することができます。大切なのは、こまめな水分補給。長時間乗り物に乗るときは、ソフトドリンクなどを1時間ごとにコップ1杯程度、飲む事。ここで注意したいのは、コーヒー、紅茶、緑茶などカフェインの入った飲み物は利尿作用があって、飲んだ以上に水分が尿となって体外にでていってしまいますから、何杯も飲むのは考えものです。ビールやワインなどアルコール類も同じく利尿作用がありますから、おすすめできません。旅行や出張に出発する前の体調管理も大切です。
一口に水分補給といいますが、どんな飲み物がいいのでしょうか。水よりもイオン飲料のほうが優れていると云われています。イオン飲料は体液の組成に近い成分でできていて、ふつうの水よりも長時間、体の中に水分として保持されます。水分補給も大切ですが、忘れてはいけないのが足の運動です。座った姿勢で、足のかかとやつま先を上下させたり、足の指を動かしたりする運動を1時間ごとに行いましょう。深呼吸をして静脈の血液の流れを良くすることも効果があります。また、座席が窓側の人は、座席間隔が狭いのでトイレにいくのも一苦労、そのため、トイレに行くのを我慢したり、トイレに行く回数を減らすため水分を取らないようにしがちです。水分をどんどん取り、トイレにも遠慮なく行きましょう。もしも、逆にあなたが通路側に座ったならば、隣の人がトイレなどに行くなど席を立つときには、いやな顔をせず、快く協力してあげましょう。自分だけでなく周りの人にも配慮をする余裕を持ち合わせて、体をしめつけるような服装は避け、ゆったりとリラックスしてぜひとも楽しい旅を過ごして下さい。

キャサリン・ヘップバーンに捧げる

6月29日、キャサリン・ヘップバーンが米国コネティカット州の自宅で死去した。享年96歳。
とにかくカッコイイという一言がピッタリの人でした。映画を観ればその見事な演技に、自伝を読んだりすればその生き様に・・・。E・テイラーの追悼コメントの『女優が憧れた女優』であったという言葉はお世辞では無いと思います。本国での扱いと違って、日本では「役者の誰々さんが亡くなりました」というニュースとしておざなりな扱いですが、心よりご冥福を祈ります。
キャサリン・ヘップバーンという女優は決して美貌や可愛らしさでファンの目を惹きつけるわけではなく、しかし、映画の中で段々輝きを増して行く演技で多くのファンを集めた女優なのだと思います。彼女が演じたヒロインからは、本人の資質であろう大らかさ、人懐っこさ、並外れた生命感に溢れています。
この大女優の映画を数多く、丁寧に追ってこれなかった僕のような骨っ節の弱い映画ファンでも、彼女の存在、演技によって映画に生命力が加わった事を実感できる何本かの映画にここまで接して来れたのは幸いだと思います。僕がここまでに向き合った彼女の出演映画は、赤ちゃん教育、フィラデルフィア物語、アフリカの女王、旅情、招かれざる客、黄昏。そのいずれも、役柄などとは別に、ただただ、画面からの熱気、生命感を放つ身振り、心を掴まれるような"素晴しい人間の表情"とでも言ったものが満ちあふれています。
旅情でのキャサリン・ヘプバーンは、実に輝いています。ワクワクしながら、街を見つめる少女のような横顔。自分を抑えがら、しかし抑えきれない女としての一面。複雑な孤独な女を演じ切る彼女は、やはり素晴らしいのひと言です。何度見たか数え切れないほど繰り返し見た作品です。
キャサリン・ヘップバーンって全然美人ではない。なのに、映画を見ているうちに引き込まれていく。理由は自然に身に付いている立ち振舞いの優雅さにあるのか。この映画を見て、初めて女性の仕草でこんなに美人に映るんだって事を知りました。いいなぁ。あと何度この映画を見て溜息をつくんだろう。
20年ぶりに「黄昏」を昔買っておいてしまいこんでいたLDで観ました。意外な事に、若い頃と印象も感動の質もあまり変わりませんでした。まだまだ未熟と反省すべきか、若いんだと開
き直るべきか。今後、彼女の遺した映画に触れる度に、キャサリン・ヘップバーンという映画女優、映画スターに改めて敬意、愛情を深めて行くこととなるでしょう。
ヘップバーン出演映画中の未見のもの、『冬のライオン』『トロイアの女』『オレゴン魂』、『若草物語』『素晴らしき休日』などに一つずつ向き合って行きたい。未だ見ぬ彼女と未だ見
ぬ映画たちに驚かされたいのです。
最後に、多くの映画ファンを虜にした女性、偉大な映画女優に深い哀悼の意を捧げたい。