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コスモス新聞

コスモス新聞 病院からのお知らせ、ちょっとしたエピソード、医療に関するお話、患者様よりお寄せ頂いたメッセージ、思い出の映画など情報満載です。

コスモス新聞第114号

インフルエンザを知ろう

咳と高熱の病気はヒポクラテスの時代からあったといわれています。周期的に流行がみられてくるところから、16世紀の占師たちはこれを星や寒気の影響(influenza)によるものと考えていました。我が国では、平安時代の本に「しはぶき(咳)やはやりて人多く失せたまふ・・・」と書かれており、江戸時代には、「お駒風」「谷風」などと名付けられたかぜの流行が見られたといわれています。
1890年にアジアかぜが世界的に大流行した頃から、我が国ではインフルエンザのことを流行性感冒(流感)と呼ぶようになりました。普通のかぜとインフルエンザは症状に多少似ていますが病気としては全く違うものです。普通のかぜはライノウイルスやコロナウイルス等の感染によって起こります。症状としては、のどが痛む、鼻がむずむずする、水のような鼻汁が出る、くしゃみや咳が出るなどが中心で、全身症状はあまり見られません。発熱もインフルエンザほど高くなく、重症化することはあまりありません。一方、インフルエンザはインフルエンザウイルスによるもので、38~39℃以上の高熱、頭痛、関節痛、筋肉痛などの全身症状が強く、あわせて普通のかぜと同じように、のどの痛み、鼻汁などの症状も見られます。さらに、気管支炎、肺炎などを併発し、重症化することがあるのもインフルエンザの特
徴です。
インフルエンザウイルスは直径1万分の1ミリ(100nm)の大きさの多形性のウイルスです。細菌やカビなどとは異なり、生きた細胞の中でしか増えることができないため、空気中や土壌などでは増えることができません。ヒトに感染した場合は、鼻腔や咽頭粘膜の表面の上皮細胞に結合・細胞侵入し、その中で増殖します。
インフルエンザウイルス粒子表面には赤血球凝集素(HA)とノイラミニダーゼ(NA)という糖蛋白があり、A型では、HAには15の亜型が、NAには9つの亜型があります。これらは様々な組み合わせをして、ヒト以外にもブタやトリなどその他の宿主に広く分布していますので、A型インフルエンザウイルスは人獣共通感染症といわれています。そして最近では、渡り鳥がインフルエンザウイルスのいわゆる「運び屋」として注目を浴びています。インフルエンザウイルスは、A・B・Cの3型に分けられていますが、このうち流行的な広がりを見せるのはA型とB型です。A香港型のインフルエンザウイルスでも、その年によってシドニー株類似ウイルスといわれるものであったり、パナマ株類似ウイルスといわれたりするもので、これを連続抗原変異または小変異といいます。車のマイナーモデルチェンジのようなもので、目先が少々変わるので、感染を受けた場合、今までの免疫で防げる場合もあれば、防げない場合もあります。したがってヒトは毎年のようにA型インフルエンザの感染を受けることもあります。そしてその変化が大きいほど感染しやすく、発症した時の症状も強くなります。
A型はマイナーチェンジを続けながら数年から数10年単位で流行が続きますが、突然大きくその姿を変えて別のサブタイプに取って代わることがあります。フルモデルチェンジで、新型インフルエンザウイルスの登場です。これを不連続抗原変異または大変異といいます。予防の基本は、流行前に予防接種を受けることで、これは欧米では一般的な方法になっています。また、罹患した場合に重症化する可能性の高い人には、重症化防止の方法としても有効です。インフルエンザは、インフルエンザにかかった患者の咳などで空気中に拡散されたウイルスを鼻腔や気管など気道に吸入することによって感染します。インフルエンザが流行してきたら、人混みは避けましょう。特に高齢者や慢性疾患を持っている人や、疲れていたり、睡眠不足の人は、人混みや繁華街への外出を控えましょう。罹患したとき重症化する可能性が高くなります。
空気が乾燥すると、インフルエンザに罹患しやすくなります。室内では加湿器などを使って適度な湿度を保ちましょう。常日ごろからバランスよく栄養をとることも大切です。外出時のマスクの利用や帰宅時のうがい、手洗いは、かぜの予防と併せておすすめします。
早めに治療し、体を休めることは、自分のからだを守るだけでなく、他の人にインフルエンザをうつさないという意味でも大変重要なことです。一般的に言えることは、以下のようなことです。
・かぜだと考えずに、早めに医療機関を受診して治療を受けましょう。
・安静にして、休養をとりましょう。特に睡眠を十分にとることが大切です。
・水分を十分に補給しましょう。お茶、ジュース、スープなど飲みたいもので結構です。
インフルエンザに対する特異的な治療として、1998年11月から抗インフルエンザウイルス治療薬が使用できるようになりました。また、インフルエンザにかかったことにより、他の細菌にも感染しやすくなりますが、このような細菌の混合感染による肺炎、気管支炎などの合併症に対する治療として抗生物質が使用されます。これらの薬の効果については、インフルエンザの症状が出はじめてからの時間や体の状態により異なりますので、使用する、しないは医師の判断となります。なお、いわゆるかぜ薬は、発熱や鼻汁、鼻づまりなどの症状をやわらげることはできますが、インフルエンザウイルスや細菌に直接効くものではありません。
我が国では塩酸アマンタジンが、平成10年11月A型インフルエンザ用の抗ウイルス剤として認可されました(しかし、A型のみにしか効果はありません)。インフルエンザウイルスが細胞から細胞へ感染、伝播していくためにはウイルスの表面に存在するノイラミニダーゼの作用が不可欠ですが、近年この作用をブロックすることによってインフルエンザウイルスの増殖を阻害する抗インフルエンザウイルス剤が開発されました。ノイラミニダーゼはA、B型に共通であることから、A型、B型インフルエンザ両方に効果があります。現在2種類の薬剤が製品化されており、これらは発症後48時間以内に服用しないと効果がないといわれています。
インフルエンザの予防接種で、インフルエンザによる重篤な合併症や死亡を予防し、健康被害を最小限にとどめることが期待されます。インフルエンザに対する治療法も実用化されましたが、感染前にワクチンで予防することがインフルエンザに対抗する最も有効な手段です。特に65歳以上の方や基礎疾患を有する方はインフルエンザが重症化しやすいので、かかりつけの医師とよく相談のうえ、接種を受けられることをお勧めします。なお、当然のことですが、インフルエンザの予防接種では他のかぜウイルスによる「かぜ」を防止することはできません。
インフルエンザに対するワクチンは、その効果が現れるまで約2週間程度かかり、約5ヶ月間その効果が持続することと、多少地域差はありますが、我が国のインフルエンザの流行は12月下旬から3月上旬が中心になりますので、早めに接種することをお勧めします。2回接種では、2回目は1回目から1~4週間あけて接種しますので、1回目は早めにしましょう。
毎年接種することをお勧めします。と言うのも、インフルエンザウイルスは毎年変化しながら流行するため、今年流行が予測されるウイルスにあったワクチンを接種しておくことが有効です。ワクチンが十分な効果を持続する期間が約5か月と短期間であることを考慮すれば、毎年インフルエンザが流行する前に接種を受け、免疫を高めておくことが必要です。卵アレルギーの程度にもよりますが、ほとんどの場合問題なくできます。重篤な卵アレルギーがある場合、例えば鶏卵を食べるとひどい蕁麻疹や発疹を生じたり口腔内がしびれる人に対しては、接種を避ける必要があります。
かかりつけの先生とよく御相談ください。

ジョージ・ロイ・ヒル監督に思う。

名作ランキングで必ず上位に入る「明日に向って撃て」「スティング」のジョージ・ロイ・ヒル監督がなくなりました。享年81歳。監督としては衝撃的なデビューは「明日に向かって撃て!」で、「スティング」ではアカデミー賞を8部門を獲得しました。どれも粒よりの作品群でした。「明日に向って撃て」も「スティング」も「ガープの世界」も「リトルロマンス」も皆好きで、監督したものすべて、愛すべき作品でした。先日TVで放映された「スティング」を魅入ってしまったのが最後でした...。もう病で無理だったのでしょうけど、最後にもう一本創ってほしかった。どの作品もリバイバル上映に値するものばかりです。是非劇場でもう一度観たいな...。でも「ウェストサイド物語」のリバイバル上映が始まったりで、そのチャンスはありそうです。期待しましょう。

「明日に向かって撃て!」

19世紀末の西部史に名高い、二人組の強盗ブッチとサンダンスの逃避行を、哀愁とユーモアをこめて描く。列車強盗としてならしたブッチとサンダンス。しかし、近代化に向かう時代に、彼らの生き方はあまりにも古かった。新たな夢を求めて、二人は南米ボリビアへと旅立つが......。世が世だっただけに当時"アメリカン・ニュー・シネマ"の傑作といわれましたが、この作品は断じてそうではないと思いました。ストーリーの展開としてはそうかもしれませんが、他の"ニュー・シネマ"たちとはあまりにも違いすぎます。ロマンティックすぎる、美しすぎる。B.バカラックのメロディに乗せて、懐古趣味すれすれで描かれる在りし日の西部。純然たる青春映画であり、ウェスタンです。レッドフォード、ニューマン、ロス、この三人の輝きと、ジョージ・ロイ・ヒルの斬新な映像。まぶしいばかりの傑作です。

「スティング」

1936年。シカゴの下町で、詐欺師の3人組が通り掛かりの男をヒッカケて金をだまし取る。しかし彼らが手にしたその金は、いつもとは段違いの思わぬ金額だった。悪い予感は的中。その金は、ニューヨークの大物ロネガンの手下が、賭博の上がりをシカゴへ届ける為の金だったのだ。怒った組織は、仲間の一人であるルーサーを殺害。彼の復讐を誓ったフッカーは、助けを求めて、賭博師ゴンドルフを訪ねた。最初は嫌がっていたものの、ロネガンの名を聞いて目を光らせるゴンドルフ。2人は、ロネガン相手に一世一代の大バクチを企てるが......。二転三転するストーリー展開、リズミカルな脚本、テンポ抜群の演出、驚嘆のラスト・シーン、そしてポール・ニューマン、ロバート・レッドフォード、ロバート・ショウら名優たちが繰り広げる、華麗で巧みな名演技等、そのどれもが文句なく素晴らしい娯楽映画の大傑作! ゴンドルフが列車の中でロネガンにポーカーを使ってイカサマを仕掛けるスリル満点のシーンや、ラスト近く、ロネガンがノミ屋で馬券を買う迄のくだりなど、まさに名シーンが満載。
脚本、見事ですね。ホント、オープニングから最後まで何度も騙されました(笑)。素晴らしいのがチャールズ・ダーニングの使い方。ラスト近くまで「こいつがいなくても。。。」などと思っていましたが、それも見事に活きてくる。ああ、すごい。こういう脚本書いてみたい。あと監督のレトロさをかもし出す演出と素敵な音楽も最高。
そして、出演者の全てが、演技の"ほど"がよい。脇役はみな上手だが、主役がいまひとつなんていう映画が多いけど、ここでのポール・ニューマンは最高、油が乗っているというのだろう。ロバート・レッドフォードは、ややもすればやりすぎ、しかしチンピラという役柄にすくわれています。ロバート・レッドフォードがアカデミー主演男優賞をとっていますが、わたしはポールン・ニューマンのなれた演技に軍配をあげます。とにかく、出演者がみんな上手い。彼らの練れた演技と、ブラッド・ピッドの時おり高慢さが垣間見える稚拙な演技とを比べないでほしい。演技のほどがよい、なんてちょっと古い表現かもしれないけれど、上手い役者は、客観的に自分の演技を見る余裕をもっているのでしょうね。演技って、一所懸命すぎると学芸会だし、余裕がありすぎると自己愛や驕りが見えてしまうし、サービスが過ぎるとおもねりが気持ち悪いものなのよね。
友人と2人でみましたが、最後まで目が離せなくてトイレに行くのも忘れたくらいでした。キャストがいいのは見ての通りですが、派手なシーンはありませんが見る側を充分満足させてくれるのは脚本の良さでしょう。
27年前に作ったアメリカ映画に拍手!
仲間大勢で集まって見るのときには絶対にオススメします。
とにかくポールニューマンがカッコいい!