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コスモス新聞

コスモス新聞 病院からのお知らせ、ちょっとしたエピソード、医療に関するお話、患者様よりお寄せ頂いたメッセージ、思い出の映画など情報満載です。

コスモス新聞第113号

気になる季節

今年も忘年会のシーズンがやってきました。アルコールを飲む機会が増えます。
今回はアルコールについての勉強です。
お酒を飲むとしだいに体温があがり、顔が赤くなったりします。気分は快くなり気持ちも高まってきます。度をすぎれば今度は青ざめ、気分が悪くなります。これが酔いです。酒の主成分はアルコールと水で、このアルコールが体内で働くため、酔うのです。
体内でアルコールを処理しているのが肝臓です。その肝臓の処理能力には個人差があり、体重60~70キログラムの人で1時間に7~9グラムくらいといわれています。ビール大びん1本、ウイスキーのダブル1杯、日本酒1合が同じくらいの量のアルコールになり、それが体内から消えるまでに約3時間かかります。お酒を飲むとアルコールは胃で20%、小腸で80%が吸収され、血液に溶け込んで肝臓に運ばれます。肝臓に入ったアルコールはアルコール脱水素酵素などの働きで、アセトアルデヒドに変ります。アセトアルデヒドによって、顔面紅潮、動悸、吐き気、頭痛などを起こしたりします。その後、アセトアルデヒドは、アルデヒド脱水素酵素の働きで酢酸に分解されます。肝臓ではアルコールの大部分が処理され、この処理が早い人と遅い人があります。酢酸はさらに水と炭酸ガスに分解されて体の外に出ていきます。肝臓で処理されなかった残りのアルコールは汗、尿、呼気となって体外にでていきます。息が酒くさかったりするのはこのためです。
急激に大量のアルコールを摂取すると、解毒、排泄が間に合わなくて、アルコールの麻酔作用によって酩酊状態になります。これを急性アルコール中毒といいます。酩酊の程度は主として血液中のアルコール濃度によって決まります。血中濃度0.16%で酩酊状態、0.31%で泥酔状態、0.41%で昏睡状態になります。酩酊期には、千鳥足、呼吸が速くなります。嘔気、嘔吐、泥酔期には、立てない。意識が混濁する。会話内容が支離滅裂になる、といった症状が見られます。昏睡期には、完全な意識消失に陥り、刺激に反応しなくなります。この酩酊の程度は、また、個人の体質、体重、飲酒時の体調、胃内食物、飲酒のスピードなどの影響を受けます。このように、酩酊には個人差がありますから、酒は自分の適量を自分のペースで飲むことが重要です。酒の無理じいは、いじめまたは嫌がらせで、イッキ飲みは死に直結する危険行為です。 普通にアルコールを飲むと徐々に血中アルコール濃度が上がるので、「ほろ酔い期」「めいてい期」「泥酔期」と酔いの症状も変わっていきます。ところが、大量のアルコールを急激に飲むと、血中アルコール濃度が急激に高くなりますから、「ほろ酔い期」「めいてい期」を飛ばして、一気に「泥酔期」や「こん睡期」まで進んでしまいます。そして、時には呼吸困難など危険な状態にもなったりします。がぶ飲みや一気飲みは急性アルコール中毒になる危険性が大変高くなりますから、お酒は自分の適量を自分のペースで飲むことが大切です。
そばにいる人が急性アルコール中毒を起こした場合、まず救急車を呼ぶことが大切です。救急車が来るまでに吐いてしまったら、吐いた物がのどにつかえないように、顔を横に向け、口の中をタオルでふいておくようにします。日本人の場合、約半数はアセトアルデヒド脱水素酵素が遺伝的に欠損しているため、アルコールに弱いといわれています。ですから、外国人と同じ量のアルコールでは、日本人にとっては反対に害になる可能性があります。そのため、日本人にとって心臓血管疾患のリスクが低くなるお酒の適量は、外国人よりも少ない量と考える方が良いでしょう。更に、アルコールの許容量は個人差があります。

二日酔いはなぜ。

ところで、アセトアルデヒド自体は、吐き気、呼吸促拍、心気亢進を起こすなど、アルコールよりも数倍も強い生体反応を起こす有害物質です。ですから、アセトアルデヒド脱水素酵素の働きが悪いと、血液中に有害なアセトアルデヒドがいつまでも残りますから、悪酔いを起こすことになります。アセトアルデヒドが引き起こす症状が、二日酔いの症状に大変似ているため、アセトアルデヒドが二日酔いの有力な物質と考えられています。
また、お酒を飲むとすぐに顔が赤くなる人は、アセトアルデヒド脱水素酵素が生まれつき少ないのです。ですから、アセトアルデヒドが血液中にどんどん流れ出てしまい、アセトアルデヒドの作用で血管が拡張し、そして顔が赤くなるのです。アルコールは肝臓のアルコール脱水素酵素によってアセトアルデヒドになり、更にアセトアルデヒド脱水素酵素により酢酸になり、最終的には炭酸ガスと水にまで分解されます。アセトアルデヒド脱水素酵素にはアセトアルデヒドが低濃度の時に働くALDH2と、高濃度にならないと働かないALDH1があります。このALDH2を多く持っているかどうかが、お酒に強い弱いを決めます。ALDH2は遺伝するものですから、お酒に強い弱いは生まれつきの体質です。日本人の約半数は生まれつきALDH2が弱いか欠けていますので、外国人に比べてお酒に弱い人が多いのです。ところが、アセトアルデヒドはミクロゾームエタノール酸化酵素という酵素でも分解されます。ミクロゾームエタノール酸化酵素MEOSは鍛えるとその力が強くなってきますから、飲めない人が練習をしているうちに飲めるようになることもあります。ただし、ミクロゾームエタノール酸化酵素は数週間お酒をやめていればもとの状態に戻ってしまいます。それに、ミクロゾームエタノール酸化酵素を使い過ぎると肝障害を起こしやすくなりますので、もともと飲めない人が飲めるようになったというのは、体にとっては危険なことのようです。
ところで、アルコール脱水素酵素は主に肝臓で働いていますが、本来は胃にも存在しているのです。日本酒2分の1合、ビール小瓶1本、ウイスキーシングル1杯程度をたまに飲んだ場合、7割以上が胃で代謝されます。ところが、量が多かったり、空腹時に飲むと胃の運動によってすぐに小腸に送り出されてしまい、肝臓で代謝されることになります。そして、お酒を飲み過ぎて胃の粘膜を荒らすと、胃に存在するアルコール脱水素酵素は減ってしまい、更に肝臓の負担が増えます。
また、アルコール脱水素酵素の処理能力を超えた過剰のアルコールに対しては、ミクロゾームエタノール酸化酵素という酵素が働き、アルコールを分解します。アルコール中毒を起こした場合、たとえ意識があってもあとからひどい症状が出ることもあるので、意識のしっかりした人がついて、見守れる人がいる所に連れていくこと。一気に飲まない、体調が悪い時には飲まない、ろれつが回らなくなったらそれ以上は飲ませないようにしましょう。そうすれば、急性アルコール中毒は起こらないので、酒を飲むときは気をつけたいものです。

思い出の映画『素晴らしき哉、人生!』 ("IT'SAWONDERFULLIFE")

今回は、私の一番好きなクリスマスムービーである『素晴らしき哉、人生』(すばらしき「かな」と読みます。念の為)について書きます。年末になると必ず観たくなる映画が何本かあり、私の場合はこの作品や、『三十四丁目の奇蹟』、クリスマスを過ぎた頃ですと『アパートの鍵貸します』、といったところです。
監督のフランク・キャプラは、'30~'40年代に多くの傑作を撮った、古き良き時代のアメリカ映画を代表する監督の1人です。キャプラの映画に見られた「貧しくても真面目にやっていればきっと何とかなる」的な、ややもすれば気恥ずかしくなるようなテーマがあれほどの説得力、そして力強さを持っています。
主人公のジョージという男は、いつも何処かでツキに見放され、逆境にばかり立ち向かう運命にあった。自分のミスではなく大金を失った彼は、全てに絶望して自殺を図る。ところが、12月の冷たい河に飛び降りようとしたとき、彼より先に一人の男が身を投げて救けてくれと叫んだ。あわてて救けたジョージに、男は、自分は見習い天使だと告げるが......。映画はまず、挫折つづきのジョージの人生を語る。この、希望が幾度となく打ち砕かれるエピソードの積み重ねには、ジョージばかりではなく観る側も、その理不尽さに怒りを感じずにはいられないだろう。そして、天使の案内する"もし彼が生きていなかったら"という仮定の世界で、彼は自分の存在理由をかいま見る事になる。果たして彼は自殺を思いとどまる充分な理由を見つけることが出来るのか、という部分がこの作品の要になるのだが・・・・・
エピソードの全てが最後の奇跡の場面に集約され、私は何度観てもこの最後の場面で泣いてしまいます。毎年ビデオで観終わった後に、また少し巻き戻してはまた泣いてというような事を、5~6回繰り返し・・・いかん、思い出すだけでまた泣けてきた。失礼しました。という訳で何を書いているのか分からなくなってきましたが、未見の方はぜひ一度ご覧下さい。レンタル店に置いてありますし、ここ数年、クリスマスの時期に放送される事が多くなっています。アメリカでは、クリスマスの頃になるとTVで繰り返し放送されるのが、この『素晴らしき哉、人生!』と『三十四丁目の奇蹟』です。
もし貴方が人知れず憂鬱なため息を吐いているなら、私は迷うことなく本作を御覧になることをお勧めします。
人生は素晴らしい。まさに「友のいる人は敗残者にはならない」なのです。