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コスモス新聞

コスモス新聞 病院からのお知らせ、ちょっとしたエピソード、医療に関するお話、患者様よりお寄せ頂いたメッセージ、思い出の映画など情報満載です。

コスモス新聞第11号

リハビリテーションについて

脳卒中による片麻痺の患者さんも当院のリハビリ室に通院なさっています。
今回は片麻痺の特徴についてお話しましょう。
神経は大きく中枢神経と末梢神経にわかれます。
末梢神経に障害が起こりますと、障害部位から先が麻痺します。障害が軽ければ、動きが悪くなったり、感覚がにぶくなったりという程度ですが、神経が完全に切れたとしますと、感覚もなく、全く動かなくなります。これに対して脳卒中の場合は脳という中枢の障害ですから、中枢性の麻痺が起こります。この場合は障害が大きければ、それだけ麻痺も強くなります。そして麻痺のために出てくる症状の他に、新しく出てくる症状があります。
失った症状を陰性徴候、新しく出現した症状を陽性徴候といいます。
陽性徴候には、次のようなものがあります。
1.反射の亢進 2.痙性 3.固縮 4.病的反射 5.共同運動などがあります。アキレス腱がつっぱったり、指が曲がったりなども、この陽性徴候のなせるわざです。ですから片麻痺の人に適切な訓練をしないで放置しておけば、手足の変形はまぬがれません。訓練とは、この新しく出現した徴候との戦いであるといっても言い過ぎではありません。この戦いは一生続きます。訓練を怠れば、たちまち手足にみじめな変形をきたすことになります。
実際に悲惨な姿で、寝たきりになっている人をこの目で見るとき、まさにこの陽性徴候との戦いにやぶれたという感を持たざるをえません。
このような面から、病院などで集中的に行う一時的なリハビリより、息の長いリハビリが行われるような指導援助が大切です。
家に帰ってからのリハビリが本番といってよいでしょう。
在宅での仕方
関節を固くしない事これは関節の拘縮や変形を出来るだけ防止する事です。主に上肢では肩、指です。
下肢では膝、足関節です。できるだけしっかり動かす事です。

健側の力をつける事

筋力は使わないでいると廃用性萎縮といって、どんどん筋力が低下します。使わない筋肉は一日に3%ずつ力がなくなっていくと言われています。麻痺そのもののためではなく、健側の力がないために動く事が充分できない人が大勢います。こうした人を見るにつけ、健側の力をつける事がいかに大切か痛感します。
早くから座らせる事
急性期を除き、座位をとる事にいけない理由はありません。積極的にできるだけ座らせるようにする事です。寝たきりの期間が長引けば長引くほど、座らせた時に嘔吐、めまいなどの起立性低血圧の症状が強くでます。
一日に3~4回、起こしたり、寝かせたりする事を繰り返して下さい。二カ月位の寝たきりであれば、4~5日もあれば15分間位は座れるようになります。
-生活に力を与える-
脳卒中による片麻痺の人は、おおげさにいうと発病から積極的に一生、療養生活を続けなければなりません。訓練を怠れば、その麻痺の性質からいって、たちまち寝たきりになる危険があります。ところが半年たち、一年たっても麻痺がもとに戻らない事に気がついた時、患者さんも家族にも大変な生活が始まります。何をすればよいか、何をしていかなければならないか、よくわかっているのですが、しかし気が乗らないのです。自宅療養の人は大なり小なり、このような状態にあるといえます。 動作訓練の指導とはいっても、まずは家族の気持ちを積極的なものに変える、本人にやる気を起こさせるということに照準を合わせる事が大切です。
生活指導を前向きに変える事ができれば、長い間には必ず良い変化が現れるはずです。
-やる気について-
訓練は患者自身にやる気がなければ長続きしません。しかしながら"やる気"というのは"やれ""やれ"といわれても出てくるものでもなく、又"こうしなければこうなる"と理屈をいわれて出てくるものではありません。
まわりの介護の仕方に問題がある場合も多いのです。
-家族、周囲の思いやり-
人間は誰でも注目されたい、信頼されたい、期待されたいなどという気持ちを持っています。この気持ちが満たされると満足してやる気がでてくるものです。ところがお年寄りや、急に手足が動かなくなったような人は多かれ少なかれ、「もう自分は何の役割もなく、はんぱ者だ」と思い込んでいます。家族や周囲の人は、このような気持ちをよく理解し、気持ちを引き立ててあげるように努力して下さい。
-ふれあい-
自宅療養していますと、まわりは健常者ばかりで、自分一人が不幸を背負ったような気分になり、気が滅入ってしまいます。
同病者と"ふれあい"を持つことも大切です。孤独感からのがれられたり、他人に接する事によって自分の障害を客観的にみる事ができるようにもなります。その事が"やる気"につながる事も期待できるようになります。"やる気"がない人に"やる気"を起こさせるには、まず周囲が十分に"やる気"を持つ事が大切です。それも口先だけの援助でなく、本気と根気でかからなければうまくいきません。
自宅療養の壁を患者、家族、私たちと一緒になって突破しましょう。
現在、悩んでいらっしゃる方、実際に寝たきりの方を抱えている方、ご相談下さい。自宅での介護の仕方や訪問看護の事など、お手伝いできると思います。
高尿酸血症、痛風について
痛風というと昔は日本人に少なく、欧米人に多いといわれてきましたが、最近は日本人の食生活が変わり、痛風が増えてきました。 患者さんの中には、「尿酸値が高いですよ、痛風になりやすいですよ」と言われた事があると思います。 どうして痛風がおこるのでしょう。
食物の中にはプリン体と呼ばれる物質が多く含まれているものがあります。これらを多くとることにより、高尿酸血症が発症してきます。このプリン体はデザートなどのプリンとは違い、私達の細胞の中の核酸の成分で、それが分解されて最終的に尿酸になるわけです。この尿酸は血液中にはナトリウム塩として存在していますが、血清中には100ml中6.5mg/dl前後しかとけません。それ以上多くなると、とけにくくなりますから結晶として析出するようになります。何らかの理由でこのプリン体の合成が非常に高くなっている時、腎臓からの尿酸排泄が悪くなっている時、又は両方が合併している時に高尿酸血症が発症すると考えられます。
ではどんな症状が出てくるのでしょう。
一般的に痛風発作といわれる症状が出現するまえに無症状の高尿酸血症が続いていたということがわかってきました。また高尿酸血症が続いていると高血圧、心疾患、糖尿病などの合併が高頻度におこってくるという報告もあります。
足の親指に痛みが出現するのが一番多く、発作を繰り返しているうちに他の関節にも痛みが出現してきます。

レントゲン所見についてお話ししましょう。

骨のレントゲン上の異常所見は、大体あらわれるのに5~6回の痛風発作がおこった後に出現してきます。それも膝のような大関節の方が骨の変化は出にくい傾向にあります。一般的には足の親指の付け根の関節が一番最初に出る事が多いようです。
どういう変化というと、尿酸の結晶はレントゲンには写りませんから、骨のぬけたような、つまり嚢腫状、打ちぬき像としてみえてきます。また、尿酸が軟骨から骨まで破壊するので、のこぎり状の変化がみられます。症状が進んでくると尿酸はさらに骨の中に入り、骨が溶けてくる様な変化がみられます。また骨の膨隆状の変化がみられることもあります。しかしリウマチなどとは違い、関節の機能が失われることはありません。そのため、きちんと治療をしていないと、合併症をおこす事があります。
痛風は極端なことをいうと代謝が悪くなっている病気ですから、いろいろな合併症を持っていると考えてさしつかえありません。尿酸の結晶が腎臓に沈着し、痛風腎とよばれる状態となり、悪化すると腎不全から尿毒症になってしまうということになる事もあります。また脂質代謝異常もおこり、中性脂肪が高くなり、動脈硬化を進展させることがあります。それから糖尿病、高血圧などを発症させたり、悪化させたりすることがあります。
高尿酸血症、痛風と診断された患者さんは定期的に診察を受け、指示を良く守り、根気よく治療することです。次回は治療についてお話しします。

お知らせ
医療の発達はめざましく、それに対応するため当病院のスタッフの勉強会を、毎週木曜日の午後に行う事になりました。そのため、6月より毎週木曜日の午後の外来は休診になります。急患は受け付けていますので、痛みのひどい時や病状の変化などがありましたら、遠慮なくお電話を下さい。

バックナンバーのお知らせ
昨年10月より患者さんとの対話を深めようと思いコスモス新聞を発刊してきました。まだまだ未熟な仲間で作っていますので、誤字、脱字などありますが、是非一度、お読み下さい。1号より現在までのコスモス新聞を取り揃えていますので、受付に申し込んでいただければ、差し上げられます。