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コスモス新聞

コスモス新聞 病院からのお知らせ、ちょっとしたエピソード、医療に関するお話、患者様よりお寄せ頂いたメッセージ、思い出の映画など情報満載です。

コスモス新聞第106号

遺伝子操作

新聞、週刊誌にクローン羊、クローン牛、はたまたクローン人間が・・・・と話題になり医学にも遺伝子医療が行われるといわれています。
その中のビッグニュースとしてヒトゲノム解読というのがありました。
アメリカのバイオベンチャーの会社が人間の設計図にあたる遺伝子の数は一つの細胞の中におよそ3万個で2年以内にそのすべての詳細がわかると発表したのです。
何故、それがこんなにセンセーショナルなのかというと、これをうまく利用すれば先天性の遺伝子病といわれる病気の治療やウイルス感染、癌などの治療に有用だからです。
高血圧や糖尿病など複数の遺伝子異常が原因と考えられている病気の治療にも期待がもてます。
その遺伝子の中にアミノ酸からできているDNAがあります。
今回はそのDNAとは何かについて勉強しましょう。
1869年、スイスの医師が膿から不思議な物質を取り出しました。
彼は交換された包帯についていた膿を洗いだし、核物質といわれるものを見つけたのです。
その後いろいろな人がそれを研究しリン酸、糖、塩基からできている事があきらかにされたそれは核酸と命名されました。
その核酸にはDNA(デオキシリボ核酸)、RNA(リボ核酸)の2種類が発見されましたがり長くその働きは不明でした。
1953年、ケンブリッジ大学のワトソン氏がDNAは二重らせん状になっていて、その各々が対になっていて自己複製が可能であることをあきらかにしました。
1865年にメンデルが遺伝の法則を発見し、細胞の中には遺伝子がたくさんつまっていて、同じものが子孫に伝えられるとされてきました。
その遺伝物質がDNAであるならば遺伝子そのものがDNAからできているはずです。ヒトの一個の細胞の中には46本の染色体があり、その中に含まれているDNAを引き伸ばしてしまうとおよそ8mにもなると言われています。
染色体の長さは8マイクロメートルですからDNAは1万分の1に縮んでいると計算できます。
植物から動物にいたるまで今までは物理学、化学などでは解明できない複雑な世界であると考えられていましたが、このDNAの原理が生命の源とされていることがわかってきました。
このDNAを解明することによって人類の進化がどのように行われてきたかも明らかになります。
DNAは塩基と糖とリン酸からなるヌクレオチドがたくさん連なり、それが水素結合で結ばれています。
DNAの情報伝達は二重らせんの水素結合を切断してらせんをほぐすことから始まり、そして違う場所で反対向きにらせんが作成されて複製という過程を経て伝達されていきます。
このような遺伝子、DNAの詳細が解明されるにしたがってヒューマンゲノムプロジェクトが急展開をみせています。
クローン羊を作成したウィルムットは今後2年かければクローン人間を作成することも可能であると発表しました。
しかし西欧諸国はクローン技術の人間への応用を禁止する法律を成立させ、我が国もそれに従い法制化されています。
しかし法制化されていない国でクローン人間を作る試みがなされないとは言えません。イタリアの婦人科医が子供が生まれない夫婦からこのクローン技術を用いて体細胞クローン人間を作るとの報道があり、今後の成り行きが注目されています。
一般的には体細胞は細胞分裂を繰り返すうちに老化が進み多くは50ないし60回の細胞分裂で消滅してしまいます。
遺伝子工学の医療への応用は20年位前、膵臓のホルモンであるインスリンの遺伝子を大腸菌に組み入れインスリンを合成させたことから始まります。
またウイルスの増殖を防止するインターフェロンも大腸菌で作られるようになりました。小人症と言われる病気も大腸菌で作られた成長ホルモンによって病状は改善されています。
皆さんの周りにもこの遺伝子操作によって作られたシンビジュームやカトレアが以前よりも多く花屋さんでみられることにお気づきでしょうか。
アメリカでは大豆やとうもろこしの半分位は遺伝子操作によって作られています。
しかしこれらは遺伝子組み替え作物の安全性が確立されていないので我が国では輸入規制を行っています。
遺伝子治療は1990年、免疫不全症の患者に世界初の遺伝子治療が行われました。この病気はリンパ球にある酵素遺伝子の一部が欠けていることが分かり、その遺伝子を組み込んだ無害化白血病ウイルスと患者のウイルスを感染させるという治療でした。いろいろ問題が指摘されましたが経過は良好でこの患者は回復しました。
今、アメリカで試みられているのは癌抑制遺伝子を導入する方法です。
例えば肺ガンではP-53という抑制遺伝子を無毒化してアデノウイルスに組み入れこれを癌細胞に運ばせる方法を行っています。
完全とはいきませんが癌の縮小が見られているとの報告がされています。
石油危機といわれるようになり現代社会は石油への依存率が高く今後10数年で世界の石油は枯渇すると予測させています。この解決にも遺伝子工学が使われています。ブドウ糖と酵母によってできるアルコールで走る車、未来のエネルギーである水素ガスも水から作れるようになるそうです。
地球温暖化対策も遺伝子操作により人工の葉を作り光合成を行い炭酸ガスを減らしたり、それをエネルギーに変えようと研究がされています。
現在の日本の技術は欧米に比べるとずいぶん遅れていますが古来より日本で行われていた発酵技術が遺伝子工学に貢献できるとされています。
このバイオテクノロジーは私達の未来を変えます。
予想を超える弊害が起こる可能性もありますので楽観的な未来をというわけには行かないかも知れません。でもそれだけの困難をしてもなお、やりがいのある研究であることに変わりはありません。

思い出の映画 ジュラシックパーク(1993年)

オープン前のテーマパークに招待されたのは古生物学者、数学者だった。
大富豪の作った驚くべきテーマパーク。
それはバイオテクノロジーによって蘇った恐竜が闊歩する島。
警備は万全のはずだった。
世界中の人間が注目するに値する驚異のジュラシックパークになるはずだった。
太古の時代に琥珀に閉じ込められた恐竜の血を吸った蚊。
遺伝子工学はこの蚊から恐竜の血を抜き取り、欠落したDNAにカエルのDNAを足して恐竜を蘇えらせたのだ。
うーん、何という発想。
原作者のマイケル・クライトンはすごい事を考えたものだと思いました。
ハーバードの医大で遺伝子の勉強をしている時にこんなことを考えていたのかと自分の学生時代はどんなだったかと考えてしまいました。
その安全なパーク、厳重な警備も一人の裏切り者のためにメインコンピューターが止まってしまいます。
そうなると恐竜天国です。
何万ボルトもの電流で動きを止められていた恐竜が檻から抜け出して人間を次々と襲いはじめました。
その恐竜の動き、早さ、色、なにもかもが当時の恐竜ってほんとにこんなだったのではないかと思うほどリアルでSFXのすごさを思い知らされました。
映画がエンターテイメントである事を如実に物語っている一本です。
スピルバーグの作品には「ジョーズ」「未知との遭遇」など衝撃的な作品が多く、僕の好きな監督でもありますが、この映画はCG、SFX共に優れた作品でもあると思います。
100年あまりの映画史の中で恐竜映画というと1966年の「恐竜100万年」です。ストップモーションアニメと言われ当時は衝撃的な映像でした。
アナログ時代の「恐竜100万年」、デジタル時代の「ジュラシックパーク」という双璧を見ることができて幸せ感で一杯でした。
この恐竜の色を決めるのも難題だったそうです。化石で残る恐竜は色までは教えてくれませんから。
それらに想いをはせらせながらこの映画を作ったそうですが、印象的なのは人間の欲ほど醜いものはないということです。
そんな描き方をしているジュラシックパークは何を教えてくれようとしているのでしょうか。
それは科学の進歩が人類にもたらした大いなる貢献も一歩間違えば取り返しのつかない事になるということかもしれません。
科学で自然を支配することはできないということでしょうか。
映画館の大画面でみることをお薦めしたい作品ですが、自宅でも十分に驚嘆できる作品でもあると思います。
もし本当にこんなテーマパークがあったら行ってみたいような怖いような、でも一度は行きたい所ナンバー1になることでしょう。
1.ジュラシックパーク
2.ロストワールド
3.ジュラシックパーク3
と3作品あります。
どれが一番と言われるとつらいところですが、僕としては第一作が一番印象的でした。是非、ごらんになることお薦めします。